女装子愛好クラブ

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ビエンチャンの女装少年 沢木耕太郎著『心の窓』から

2024年09月15日 | 私的読書日記
大学生の頃から沢木耕太郎の本を読み続けています。
『敗れざる者たち』『テロルの決算』『深夜特急』など何度も何度も読み返しました。
シニアになった今でも本屋や図書館に沢木耕太郎の本があると手に取ってみます。

この『心の窓』は図書館の新入図書にありました。
VISAカードホルダーへの小冊子「VISA」に連載されていて、自分が撮った写真に500字のエッセイを加えたものです。
旅の途上で沢木耕太郎が見たこと、感じたをさらりと書く。
海外旅行にいくこができない私は、この写真とエッセイで見知らぬ街を歩いている気分になります。
ラオスのビエンチャンの屋台レストランで沢木耕太郎に真摯にサービスしてくれた少年は口紅を引いていました。

ラオスのピエンチャンにはメコンのほとりに野外レストランが立ち並ぶエリアがある。 私もビエンチャンに滞在中は、夜になると涼しい風の吹くそのエリアで食事をすること にしていた。

その最初の日、席に座って、注文を取りに来た少年の顔を見て驚いた。薄く化粧をして いるのだ。裸電球に照らされて口紅が赤く揺れている。 少年の化粧は、たとえば隣国タイにあるバンコクの歓楽街では珍しくはないが、さすが にラオスではあまり見かけない。もしかしたら、彼はそのようにしてカミングアウトをしているのかもしれなかった。

化粧をしたその少年は、単にできあがった料理の皿を運んでくれるだけでなく、グラス とか調味料とか、客に必要なものはないか眼を配り、なにくれとなく世話をしてくれる。 最初は驚かされたが、毎晩その店に通ううちに少年が美しく見えるようになってきた。 そして、最後の夜に別れの挨拶をかわしたときは、彼のそのカミングアウト宣言が、幸せな結果を生んでくれればいいのだがと祈らないではいられなかった。

出所:『心の窓』沢木耕太郎著 幻冬舎

>毎晩その店に通ううちに少年が美しく見えるようになってきた。
この心の変化、わかる気がします。

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