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「宅墓」について

2020-10-15 08:03:05 | 日記
 また、新しいことばを知りました。2020年10月14日(水)の「朝日新聞」の夕刊トップページに載っていた「宅墓」です。コロナ禍のなか、葬送のあり方が変わっていきますが、新しい考え方です。
 「宅墓」とは、自宅用の小さな「墓石」です。これまでの墓に疑問をもつ人は、最も大きな理由は高すぎるということです。その上、管理がむずかしく、後継者に悩むことが理由で、墓をつくることを躊躇していた人がこの「宅墓」を購入しているのです。この「宅墓」を購入するために、これまでもっていた墓を「墓終い」する人もいるそうです。
 「宅墓」は、高さ約14センチ、幅約12センチ、奥行き約12センチというのですから、家のどこにでも置くことができます。表面には購入する人の思いが彫られ、新聞に載っていた人は「感謝」と彫ってあるそうです。遺骨がどのようにして入っているかというと、直径6センチ、高さ7,5センチの骨壺が入る穴が開くとのことです。それだけの遺骨を拾うことになります。関西では遺骨を一部しか拾わないから、この「宅墓」が成立しますが、関東の全部収骨する場合の「宅墓」はいかなるものになるのでしょう。
 この「宅墓」は5年前頃から売り出されたようです。しかし、なかなか売れ行きは伸びなかったようですが、このコロナ禍のなか、都市部を中心に売れ行きが伸びているそうです。普通のお墓を建てるのに、100~200万円もするのに比べたら、約7万円という値段です。管理の手間がかからないし、遺骨を身近に置いておけるし、いろいろな面で「お得」感があります。そして、管理ができなくなった場合は、この「宅墓」をつくった会社が処分してくれるそうです。
 どう考えても、悪い意味というか、マイナスの考えは出てきません。よいことずくめです。これからますます増えていくと予想されます。
 それにしても、よく考える人がいることに感心します。これまでの墓石では困っている人を知り、墓石を売る側の商売が成り立っていかないなかで、考案されたものです。ニーズに応えることができるのが、考案者のすばらしい(?)ところでしょう。遺骨をそのまま手元に置いておくことには違和感やら、申し訳なさやらなどのいろいろな思惑があるでしょうが、「墓」となったら、そういう類いのものが払拭されます。新聞記事を読みながら、感心することしきりでした。

 しばらく経って、わたしが考えたのは、「宅墓」を管理できなくなったとき、会社が処分してくれるところです。どんな処分の仕方が書いてありませんでしたが、共同墓をつくるか、収骨されなかった遺骨の処分の仕方と同様処分される場所に納める、別のことばで言えば、「捨てる」ことになるのです。遺骨は管理する人がいる間は、大事なものとして扱われますが、所詮管理する人がいなくなれば、処分されるものなのです。管理したい間は大事なものと考えられるますが、管理されなくなれば、その遺骨がどのような扱いを受けるか、見届けることまでしないでしょう。
 結局、遺骨をどのように考えるかという堂々巡りの元に返っていきます。「遺骨」の意味をもう一度考え直すことが必要ではないでしょうか。
 
コメント
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