昔々駅を降りたら、幼馴染みが大きな荷物を持って
私のあとを追いかけてきました。
忙しそうな顔です。いつも呑気で冗談ばかり言っているのに、
深刻な顔、おや珍しい顔だね。うん忙しいんだ、ちょっとコーヒー
付き合えよ、と言うわけで、出来たばかりのパンやさんの喫茶店で
コーヒーを飲んでおしゃべりと思いきや、卒論で大変なんだよ。
私は洋裁学校だから呑気です。
何をテーマにしているの?自転車だよ。えっ自転車って?
もう自動車の時代でしょ、違うよこれからも需要は減ることは
ないよ、ただし増えることはないらしい。ふ~んそうかあ。
それから彼に頼み込まれて卒論の統計の係になりました。
夜、彼の家に行って、算盤2級の私は、計算係です。
たまに付き添いで自転車会館にも行きました。
無事卒業して就職した彼は立派な会社員になって心優しい
美人と結婚しました
いま自転車は大人気です。お店に綺麗な自転車が沢山並んでいます。
小さな子も可愛いヘルメットを被っています。
幼馴染みはいまどこで自転車の事を思っているでしょうか。
やっぱりな、自転車を卒論にして良かったな~って思っているかしら。
まあ算盤2級の私が助けたことは忘れたたでしょう。
私は相変わらず算盤を使って、家計簿をつけています。