わが町異聞 Ⅱ

近頃高齢者がだまされて、大切なお金を
失ってしまう事件が起こっています。いやお金だけでなく命までも。
怖いです。
また昔々のお話です。母が親しくしていた小母さんは近所では
みんな知っているお金持ちです。少し気難しい人でしたが、
母とは気が合っていました。顔は鬼瓦のようがっしりした体格、
ちょっと怖い人でした。母はあの人は、紡績工場で働いて、
同じ職場の男の人と結婚したそうだと言っていました。
同じ仕事をしても不良品を出す人はそれだけ給金が減り、
器用な人はたくさん稼げると言っていました。身体の弱い人も
苦労したそうです。小母さんは女工さん目当ての商人が来ても
贅沢せず、お金を貯めて職場の人と結婚して、コツコツ働いて
お金ができると、土地を買ったそうです。
何を隠そう我が家の地主さんも小母さん夫婦でした。
いつも母と銭湯は一緒に行っていました。
あるときとても男前のおじさんが銭湯から出てきた母と
小母さんに声をかけてきて、お蕎麦でも・・と
どうも誘いたいのは小母さんらしかったので、母は遠慮
して帰って来たそうです。
母の言葉では役者のようないい男だったそうです。
それから銭湯の帰りには必ず男前のおじさんが迎えに来て
何処かへ行ったそうです。　
鬼瓦のような小母さんがにこにこしていたそうです。
母も小母さんも７０半ばでした。

小母さんがなくなった後、男の人が二人で来て、お宅の
お母さんのお世話をした者の親戚です。とても悲しくて
ここには来られないので代わりに来ました。と言って
お金を要求したそうです。怖くなった息子さん夫婦は
お金を渡したそうです。
その頃母に聞いて、へ～あのおばさんが。と笑っていた
私たちですが、今考えると怖い話でした。

わが町異聞

昔々近所の家で大変なことが起きました。
働き者の小父さんのお妾さんが赤ちゃんを産むので
小父さんの家にお腹が大きい女の人が来てしまいました。
近所は大騒ぎです。でも三人も子供がいる小母さんは、
黙黙として女の人の世話をしていました。
こんな綺麗な人が、この小父さんの
お妾さん？不思議でした。
あれこれ言う母や親しい小母さんたちは、何にも言わず
三人の子供たちの世話をしてあげていました。
間もなく赤ちゃんが生まれました。私たち子供たちは
赤ちゃんを見に行きました。
綺麗なベビー服に包まれた可愛い赤ちゃんでした。
少ししてから、赤ちゃんとそのお母さんは何処かへ
行ってしまいました。その後小父さんも、小母さんも
三人の子供たちも普通に暮らしていました。
誰も何にも言わないことに不思議でしたが。
私たち子供はいつも新しい遊びに夢中で、忘れてしまいました。
あるとき幼馴染が、あの事を、思い出して、
あれは小父さんの妾じゃなくて、社長か何かの妾
じゃないか・・・　うんそれで納得がいったねっ。
と大昔を思いだし大笑い　　
のんびりした優しい町でした。

少し遅れて十三夜

雲に隠れたお月様をやっと撮りました。綺麗でした。
十三夜と言えば・・・前にもここでつぶやきましたが。
榎本美佐江さんの綺麗な歌声を思い出します。
母や近所の小母さんたちは榎本さんが大好きでした。
お俊恋歌。十三夜。私も大好きでした。
みんなに愛された人でした。
人気絶頂の時に傲慢な男と結婚して引退してしまいました。
みんなガッカリしました。幸せになったのかと思ったら
旦那と他の女に子どもが出来て・・・　　
離婚してしまいました。。
母や近所の小母さんたちは、う～んと怒っていました。
私も怒りました。
元旦那がＴＶに出てくると、母たちは　しっしっ　と
言っていました。
榎本さんは本当に声も姿も綺麗な人でした。
河岸の柳の行きずりに・・・
十三夜は悲しく懐かしい歌です。

ちいぱっぱ

わが家のツワブキの花が咲きました。上品な浮雲錦です。
沖縄ではちいぱっぱと言うんだそうですね。
なんか可愛いようなおかしいような名前です。

紫蘭が少し紅葉しました。

ゼラニウムはいつも元気に咲いてくれています。
昨年はヨトウムシがついてしまい苦労させてしまいましたが
元気になってくれました。

千両は今年実が付きませんでした。
６本のうち３本しか実が付きません。花の頃雨が多かったからかしら。
鳥たちが残念がるでしょう。