191222_直感的に考えた金利低下の原因
2019年12月22日 産経新聞 p.1
金利の低下は、生産性の伸びの低下によるものだ。
わかりやすく言えば、
今まではポリバケツを一日、5000個作ることが出来たとする。
ところがある会社が、これを一日一万個作ることが出来るポリバケツ製造装置を完成させた。
そうすると、ポリバケツをつくっているすべての会社は、この新しいポリバケツ製造装置を欲しくなった。
つまり、このポリバケツ製造装置は人気が出たというわけだ。
そこで、このポリバケツ製造装置メーカーは、銀行から金を借りて、この装置を製造する工場を新しく建てた。
このことが、
つまり、これまではポリバケツを一日5000個しか作れなかった、
これからは、一日一万個作ることができる、
これが、生産性の伸びなのである。
ポリバケツ製造装置をつくる会社は、この製造装置をつくればどんどん売れるわけだから、
銀行から金を借りてでもこの製造装置を作る工場を建設しようと考える、
これが生産性の伸びであり、企業が銀行から金を借りる理由でもある。
しかし、いまの状況は、
ポリバケツの生産は一日一万個が限度であり、一日二万個作れるようなポリバケツ製造装置はできない、
もしくは、ポリバケツはみんな持っているので、もう一日二万個も作ってもしょうがない、
という時代になったとすれば、
だれも銀行から金を借りて、新たにポリバケツの製造ラインをつくろうとは思わなくなる。
これが、今の時代である。
それでも銀行は金を借りてほしいので(銀行の生きる道は、金を貸して金利をとる以外にはない)。
銀行の出来ることといえば、金利を下げて、それを自分の銀行のセールスポイントにすることぐらいだ。