Live Chaser ゆかりんの旅

年間約50本のライブレポを中心とした、日々のたわごとで~す!

バイヤード・ラスティンを知っていますか?

2021-09-11 13:15:34 | 私のお仕事
原書のタイトルを直訳すると、
『正義のトラブルメーカー
 ──ワシントン大行進の立役者、バイヤード・ラスティン』


時空間を超えられるなら、ぜひ会ってみたい人です。 

バイヤード・ラスティンの生涯
ぼくは非暴力を貫き、あらゆる差別に反対する


著:ジャクリーン・ハウトマン、ウォルター・ネーグル 、マイケル・G・ロング 訳:渋谷弘子
発行:合同出版 A5判ハードカバー(224ページ) 定価:1,800円+税


あまりにも有名なキング牧師の『私には夢がある“I have a dream”』という演説は、1963年の「雇用と自由を求めるワシントン大行進」の成功を象徴するものでした。
この演説あと、バイヤードは同じ壇上に上がり「ワシントン大行進」の要求を読み上げました。
その事実を覚えている人はほとんどいませんが、バイヤードこそ、キング牧師に「非暴力で活動すること」を教え、「ワシントン大行進」を指揮して成功させた立役者だったのです。

アメリカの公民権運動時代は、今よりもはるかに人種差別、性差別などが激しいものでした。
そんな状況下でもバイヤードは、暴力に頼らずにトラブルを起こし続けました。
ここでいう「トラブル」とは、差別や戦争に対する「抗議活動」のことです。

非暴力を貫くバイヤードの人格を作ったのは、祖母ジュリアの“口癖”でした。
「憎み合うのはつまらない」というおばあちゃんの教えを生涯守り抜いて、どんなにひどい目に遭っても、倍返しどころか半返しさえもしませんでした。
制裁を加え合っても何も解決しないこと、必要なのは満足を与え合うことだと、魂の奥底に刻み込まれていたのです。

この本は、バイヤードの生き方に魅了された著者たちが、歴史に埋もれた彼の人生や業績をより多くの人に伝え、その志を引き継いで欲しいとの思いから書かれたものです。
歴史に名を残した偉人はもちろん素晴らしいけれど、おそらくたくさんの「無名の同志」に支えられてきたはずです。
世界を根底からひっくり返すような「トラブル」を起こすのも「無名の同志」なのかもしれません。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 早くも増刷です! | トップ | 笑いながら学べる税の話 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

私のお仕事」カテゴリの最新記事