僕の背中(3)

2018-11-10 10:23:51 | 童話
妹が
『ガンバレ、ガンバレ。』
と言って応援をしてくれた。
お父さんが、
『だいぶ高く上げられるようになったから時間を計ろうか?』
と言った。僕はなんだか速く走れるような気がした。
『よ~いドン。』
僕は前より、もっとヒザを高く上げるようにして思い切って走った。
お父さんが
『ああ、いいよ。さっきより5秒も速くなったよ。』
僕は嬉しかった。それから僕は学校にいる時も、家に帰って宿題が終った時も、一生懸命に練習をした。
学校の体育の時間に徒競走があり、僕が走る番だ。
『よ~いドン。』僕
は練習どおりヒザを高く上げて走った。5人で走って3番目になった。僕の背中を見ながら走っている友達が2人いたのだ。
僕は夕ご飯の時にみんなに、5人で走って3番になった事を話した。
お母さんは
『すごいわね。』
と言って喜んでくれたが、お父さんは
『まだ前に2人いるからガンバレ。』
と言って励ましてくれた。僕は
『うん、あと2人だね、がんばるよ。』
そして、楽しみにしていた運動会がやってきて、僕達の徒競走の順番となり、僕はヒザを高く上げて走り、2番となった。1番の友達はすごく速いので追い越す事ができなかったのだ。
だけれど、僕は1番になるために毎日毎日練習を続けている。

    おしまい