夢の交換(3)

2019-03-11 05:23:29 | 童話
ある日、僕はカブトムシを捕まえた夢を見たので、「夢っ!」と言ってゴム風船を膨らませました。
そして、友達はクワガタを捕まえた夢を見たので、「夢っ!」と言ってゴム風船を膨らませて学校へ持って来て交換することにしました。
夢の入ったゴム風船は、白くてフアフアしているので、夢を持って行く時は、ゴム風船が割れないように大事に持って行きました。

僕のカブトムシも友達のクワガタも大きくてかっこよかったので、夜に夢を見るのが楽しみです。
僕も友達も、夢の入ったゴム風船を大事に家に持って帰りました。
胸のポケットにゴム風船を大事にしまって布団の中に入りました。
『楽しみだなあ。』
そして、僕は友達が見たクワガタを捕まえた夢を見ました。大きくてカッコいいクワガタ でした。

朝、僕がパジャマの胸ポケットを探しましたが夢の入ったゴム風船は有りませんでした。
学校で友達に
『クワガタを捕まえた夢を見たよ。』
と言ったら、友達も
『カッコいいカブトムシの夢を見たよ。』
と言いました。
『やったあ、成功だ。』
『そうだね、成功だね。』

それから、僕が海へ行った夢を見た時は、山へ行った夢を見た友達と夢の交換をしています。
そうすると、二人とも海と山と両方へ行ったことになるのです。
そして、学校へ持って行って、たくさんの友達と夢の交換をして楽しんでいます。

今度は、僕がクワガタを捕まえた夢を見たので、別の友達と夢の交換をすることにして、夢の入ったゴム風船を大切に持って学校へ行っている時に、学校の近くの家の大きな犬が『ワン』と吠えたので僕は大切に持っていた夢の入ったゴム風船を落としてしまいました。そうすると、ゴム風船が割れて、まばゆく光りました。

ゴム風船が割れてすぐに、大きな犬は寝てしまいました。そして、寝ている犬が前足で何かをさわるようにし始めました。その後、顔を振りながら前足で鼻に付いている何かを取ろうとし始めました。
僕は、この犬はクワガタに鼻を挟まれている夢を見ているのだと思いました。