僕の背中(3)

2019-04-27 07:38:40 | 童話
妹が
『ガンバレ、ガンバレ。』
と言って応援をしてくれた。
そして、お父さんが、
『だいぶ高く上げられるようになったから時間を計ろうか?』
と言った。僕はなんだか速く走れるような気がした。
『よ~いドン。』
僕は前より、もっとヒザを高く上げるようにして思い切って走った。
お父さんが
『ああ、いいよ。さっきより5秒も速くなったよ。』
僕は嬉しかった。

それから僕は学校にいる時も、家に帰って宿題が終った時も、一生懸命に練習をした。
そして、学校の体育の時間に徒競走があって僕が走る番になった。
『よ~いドン。』
僕は練習どおりヒザを高く上げて走った。
そのとき僕は5人で走って3番目になった。
僕の背中を見ながら走っている友達が2人いたのだ。

僕は夕ご飯の時にみんなに、5人で走って3番になった事を話した。
お母さんは
『すごいわね。』
と言って喜んでくれた。
だけれどお父さんは
『まだ前に2人いるからガンバレ。』
と言って励ましてくれた。
僕は
『うん、あと2人だね、がんばるよ。』
といってうなずいた。

そして、楽しみにしていた運動会がやってきて、僕達の徒競走の順番となった。
僕はヒザを高く上げて走り、2番となった。
1番の友達はすごく速いので追い越す事ができなかったのだ。
だけれど、僕は1番になるために毎日毎日練習を続けている。

     おしまい