一年だけの友達(5)

2016-02-29 21:14:56 | 童話
そして、秋となり、冬が終ってまた春になりました。

女の子が学校へ行く朝に、次の私は玄関の横から
『おはよう。』
と言いました。

女の子は玄関の横で、去年生えていたのと同じ小さな草が生えている私を見つけました。

女の子は
『あなたは私を知っているの?』
と言ったので、
『ええ、小さなお花を咲かせていたお母さんから、あなたに大切にしてもらったことを聞いていたわ。』
と答えました。

『そう、うれしいわ。あなたも大切にしてあげるからね。』
『ありがとう。』

そして、去年と同じように、
『行ってらっしゃい。』、
『おかえりなさい。』
とお話しをして、毎日同じ夢をみました。

また秋がきて、一年草はたくさんの種を残して枯れてしまいました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿