火星ネズミ(2)

2016-03-05 09:08:15 | 童話
『訓練開始!』教官の大きな声が響いた。

僕は訓練装置の隙間から訓練の様子を見ている。
『ふぅ~ん、そうなんだ。ハッチを閉めるのは、そのボタンで、船内の気圧は、あのメーターで、炭酸ガス濃度は、こっちのメーターなのか。』

計器類の確認が終わったら『Gをかけます。』とのアナウンスがあり、徐々に僕の体が重くなってきて、ついに体が床に張り付いて動けなくなった。

『そうか、ロケットが打上げられる時に体にかかる重力なんだ。』

しばらくしてやっと歩けるようになった。
『ふぅ、大変なんだね。』

それからみんなは、いろいろな計器が異状を示した時に、原因を調べて修理する訓練をやっていた。
『ふぅ~ん、予備の装置がいっぱい付いているんだ。誰もいない宇宙に何年も飛んで行くから、全部自分達で直さなければならないから大変なんだね。』

何日か見ている間にいろいろ分かってきだした。


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