武器はガチャ、そして(24)

2016-11-22 21:39:39 | SF小説
ロケットが小惑星に到着したのに併せて、地上からのレーザー光線で固定されているチタン容器の基礎の溶融を行い、保管場所の建設コントロール用に使用したロケットのロボットアームで、攻撃用ロケットへの積み込みが行われた。

「格納容器の積み込みを完了したので、ロケットを噴射しブラックホールに向かいます。」

そして、ブラックホール攻撃用ロケットは、推進エンジンでブラックホールへ向かった。

「これから超電導モーターにより、回転を加えていきます。」

やがて格納容器が宇宙の真空状態でチタン容器の回転はブラックホールとは逆回転の光速に達し、地上のレーザー光線発射の準備が整えられた。

「格納容器搭載カプセルが光速に達しましたのでブラックホールに向かって放出します。」
「これより、カメラを搭載した監視装置を放出します。」

そして、ブラックホールに向かって放出された格納容器搭載のカプセルに向かって、地上からレーザービームを照射してカプセルの破壊を行った。
そして、格納容器から解放されたブラックホールは、次々とチタン合金容器を呑み込み、次第に質量を増大させていった。

格納容器搭載のカプセルは巨大なブラックホールになりつつ、宇宙にあるブラックホールに突入していった。

可視光線はブラックホールに呑み込まれているので暗黒の世界では目で観測はできないが、エックス線観測によると二本の逆回転する高速のジェットが交錯しながら、お互いの重力レンズによる歪みで複雑な渦巻き状となっていった。

そして、格納容器搭載のカプセルのブラックホールは宇宙に有るブラックホールに衝突したと思われる時間に、地上の管制センターのモニターに、中心部分から延びる強烈な渦巻き状の閃光が映し出された。

それを見た科学者たちは、地球からのブラックホールが相反する位相のためにホワイトホール化して、ブラックホールとホワイトホールとの間で高速のジェットが行き来しているのではないかと考えた。

それから間もなく、強烈な光が地球上に降り注ぎ、夜間であるが衝突した二つのブラックホールは太陽の倍以上の明るさがあり、地球の昼間の地帯は、太陽の倍の明るさとなり、まるで太陽が二つになったようであった。

その明るさが半日続いたが、やがて通常の明るさが回復した。


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