キリンのコロと、カピバラのノッポ(6)

2015-01-21 21:20:18 | 童話
『お母さん見て、名札を取り替えたわよ。』
『本当ね。』
『本当に取り替えるんだね。カピバラは手を使うのがうまいからね。』

そして、飼育係の人が名札を直しても、飼育係の人がいなくなると、また2匹は自分で名札を取り替えるのです。

毎日毎日これを繰り返していたので、動物園に来た子供達は、キリンの名前がコロで、カピバラの名前がノッポだと思うようになりました。

そして、2匹とも大きくなりましたが、キリンのコロはスマートで、カピバラのノッポの背は高くなっていません。

だけれど、動物園に来るお客さんは、キリンはコロで、カピバラはノッポだと覚えています。

背の高いコロと、コロコロとしたノッポは、毎日毎日、仲良く遊んでいるのです。

おしまい

キリンのコロと、カピバラのノッポ(5)

2015-01-20 21:06:08 | 童話
そこに、女の子がお父さんとお母さんと一緒にキリンとカピバラのオリの前にやって来ました。

『あれっ、さっき来た時は、キリンがコロで、カピバラがノッポの名札だったのに、おかしいわね?』と言うと、お父さんは『お客さんが付けた名前が、キリンはノッポで、カピバラがコロだったのだから、これでいいんだよ。』と言いました。

女の子は『おかしいわね、さっきは反対だったのに。』と言ってしばらく2匹を見ていました。

すると、キリンが座り、カピバラがキリンの首からノッポと書いた名札を取り、自分のコロと書いた名札をキリンに掛けてあげました。

そして、キリンの首から取ったノッポと書いた名札を自分の首にかけました。

キリンのコロと、カピバラのノッポ(4)

2015-01-19 21:07:19 | 童話
ある日、キリンのノッポとカピバラのコロはお話しをしました。

『ねぇ、コロ君、私はあなたの黄色の名札が良いなぁ。』
『ノッポさん、僕は君の名札の茶色が良いなぁ。』

そこで、2匹は名札を取り替えました。

『私の名札は、お父さんやお母さんと同じ色だわ。』
『わ~い、僕の名札は、お父さんやお母さんと同じ色だよ。』

そして、2匹で仲良く遊んでいると、飼育係の人がやって来て、
『あれっ、2匹の名札が間違えてかけられているよ。』
と言って、キリンのノッポは茶色の名札、カピバラのコロは黄色の名札に取り替えました。

キリンのコロと、カピバラのノッポ(3)

2015-01-18 09:42:12 | 童話
しかし、キリンのノッポはお父さんやお母さんの体の色と名札の色が違うことに気が付いたので、お母さんキリンに言いました。
『私の名札の色もお父さんやお母さんと同じ色が良いよ。』

キリンのお母さんは
『飼育係の人が作ってくれたのだから我慢しなさい。』
と言いました。

そして、カピバラのコロはお父さんやお母さんの体の色と名札の色が違うことに気が付いたので、お父さんカピバラに言いました。
『僕の名札の色もお父さんやお母さんと同じ色が良いよ。』

カピバラのお父さんは
『飼育係の人が作ってくれたのだから我慢しなさい。』
と言いました。

キリンのコロと、カピバラのノッポ(2)

2015-01-17 09:47:04 | 童話
動物園では、ノッポとコロの名前をみんなに覚えてもらうために2匹に名札を作ってあげました。

動物園の飼育係の人が、黄色の名札と茶色の名札を選び、首からかけられるようにしました。

飼育係の人が、キリンのノッポは茶色の名札に黒い文字でノッポと書きました。

そして、カピバラのコロは黄色の名札に黒い文字でコロと書きました。

ノッポとコロは自分達の名前が気に入って、名札を首につけて仲良く遊んでいました。