夢の交換(6)

2016-09-25 09:16:03 | 童話
次の日、僕は運動会でリレーをしている夢を見たので、朝起きてから「夢っ!」と言ってゴム風船を膨らませました。
そして、そのゴム風船を学校の近くの家の大きな犬の所へ持って行ってパチンと風船を割ってみました。
すると、大きな犬はまた寝てしまい、寝ながら走っているように前足と後足を動かし始めました。
そして、口にくわえた何かを僕に渡そうとしました。
『あっ、リレーでくわえたバトンを僕に渡そうとしているのだ。』
大きな犬は今度も僕の持ってきた夢を見ているのだと思いました。

学校で、この大きな犬が、僕の持ってきた夢を見ていたことを友達に話しました。
『へぇ~、すごいね。』
『犬にも夢をあげられるんだ。』
『僕の家で飼っている猫に夢をあげてみようかな。』

そして、クラスのみんなで、自分の家で飼っている犬や猫やハムスターや金魚や亀に夢をあげてみることにしました。
犬を飼っている友達は、犬に海水浴へ行った夢をあげました。
そうすると、寝ながら泳いでいました。

猫を飼っている友達は、猫にお父さんと魚釣りに行った夢をあげました。
そうすると猫は両方の前足を前に出して釣竿を持っていました。

ハムスターを飼っている友達は、ハムスターに野球をしている夢をあげました。
そうすると、寝ながらバットを振ってから走る格好をしていました。

金魚を飼っている友達は、金魚に縄跳びをしている夢をあげました。
そうすると、寝ながらピョンピョンと跳んでいました。

亀を飼っている友達は、亀に運動会で組体操をしている夢をあげました。
そうすると、寝ながら後ろ足でふんばり、両方の前足をピーンと伸ばしていました。

今度、僕は動物園で、象やキリンやカピバラにも、いろいろな夢をあげてみようと思っています。
 
おしまい

夢の交換(5)

2016-09-24 09:22:50 | 童話
朝、僕がパジャマの胸ポケットを探しましたが夢の入ったゴム風船は有りませんでした。

学校で友達に『クワガタを捕まえた夢を見たよ。』と言ったら、友達も『カッコいいカブトムシの夢を見たよ。』と言いました。

『やったあ、成功だ。』
『そうだね、成功だね。』

それから、僕が海へ行った夢を見た時は、山へ行った夢を見た友達と夢の交換をしています。そうすると、二人とも海と山と両方へ行ったことになるのです。

そして、学校へ持って行って、たくさんの友達と夢の交換をして楽しんでいます。

僕はまたクワガタを捕まえた夢を見たので、今度は別の友達と夢の交換をすることにして、夢の入ったゴム風船を大切に持って学校へ行っている時に、学校の近くの家の大きな犬が『ワン』と吠えたので僕は大切に持っていた夢の入ったゴム風船を落としてしまいました。
そうすると、ゴム風船が割れて、まばゆく光りました。

ゴム風船が割れてすぐに、大きな犬は寝てしまいました。
そして、寝ている犬が前足で何かをさわるようにし始めました。
その後、顔を振りながら前足で鼻に付いている何かを取ろうとし始めました。
僕は、この犬はクワガタに鼻を挟まれている夢を見ているのだと思いました。

夢の交換(4)

2016-09-23 21:34:28 | 童話
ある日、僕はカブトムシを捕まえた夢を見たので、「夢っ!」と言ってゴム風船を膨らませました。
そして、友達はクワガタを捕まえた夢を見たので、「夢っ!」と言ってゴム風船を膨らませて学校へ持って来て交換することにしました。

夢の入ったゴム風船は、白くてフアフアしているので、夢を持って行く時は、ゴム風船が割れないように大事に持って行きました。

僕のカブトムシも友達のクワガタも大きくてかっこよかったので、夜に夢を見るのが楽しみです。
僕も友達も、夢の入ったゴム風船を大事に家に持って帰りました。
胸のポケットにゴム風船を大事にしまって布団の中に入りました。
『楽しみだなあ。』
そして、僕は友達が見たクワガタを捕まえた夢を見ました。
大きくてカッコいいクワガタ でした。

夢の交換(3)

2016-09-22 09:31:13 | 童話
ある日、また僕はカブトムシを捕まえた夢を見たので、起きた時に夢を入れるペットボトルの蓋を開けて「夢っ!」と言って蓋を閉めました。

次の朝、夢を入れたペットボトルを学校へ持って行って友達にあげました。すると、友達もキャンプに行った夢をペットボトルに入れて僕にくれました。

そして、二人とも家で寝る時に蓋を開けて「夢っ!」と言って寝ました。だけれど、二人ともペットボトルの中の夢は見ませんでした。

『夢を見なかったね。』
『そうだね。』
『何に入れればいいのか考えてみようよ。』
『それじゃ、ゴム風船だとどうかなあ?』
『ペットボトルより良いんじゃないかなあ?』
『よしっ、やってみようよ。だけれど、どうやって夢を入れるの?』
『夢を見た朝に「夢っ!」と言った後でゴム風船を膨らませるといいと思うよ。』
『うん、分かった。今度はうまくいくよね。だけれど、ゴム風船の中の夢を見る時はどうするの?』
『ゴム風船は結んでいる所をほどいたら夢がすぐ外へ出てしまうよ。』
『そうだね、すぐ出てしまうね。』
『よしっ、夢の入ったゴム風船はパジャマのポケットに入れて寝ようよ。』
『そうだね、きっとうまくいくよね。』

そして、僕も友達も夢を見るのを楽しみにしていました。

夢の交換(2)

2016-09-21 21:12:27 | 童話
僕も友達もしばらく夢を見ないか、起きた時に夢の内容を覚えていなかったので、夢を入れることができませんでした。

ある日、僕はカブトムシを捕まえた夢を見たので、起きた時に夢を入れるビンの蓋を開けて「夢っ!」と言ってビンの蓋を閉めました。

そして、夢を入れたビンを学校の持って行って友達にあげました。
『ありがとう。だけれど、どうやって夢を見るの?』
『寝る時に、ビンの蓋を開けて「夢っ!」と言って寝るといいんだと思うよ。』
『うん、やってみるよ。』

次の日、友達は『言われたとおりやったんだけれど、夢は見なかったよ。』と言いました。
『夢の入れ物はビンだとダメなのかなあ?』
『ビンはダメなんじゃないかなあ?』
『よしっ、今度はジュースの入っていたペットボトルに入れてみようよ。』
『そうだね、ペットボトルならきっと大丈夫だよ。』
『うん、ペットボトルならきっとうまくいくよ。』