てんから、てんから、てんからてん(3)

2017-02-13 16:32:19 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。

『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』
村の小学校の動物達が
『柿や栗の果物がいっぱいなったので、みんなで仲良く分けて食べています。』と発表しました。
今度は都会の小学校のイヌとネコが
『果物がいっぱい乗った甘いケーキを、みんなで仲良く分けて食べています。』と発表しました。
『それでは、質問のある方はいますか?』

都会の小学校のイヌとネコが
『村の小学校の動物のみんなは、虫歯が有りますか?』
と聞くと、
『虫歯と言うのは何なのですか?』
と、村の小学校の動物達が質問しました。
『えっ、虫歯を知らないの?』
『うん、知らないよ。』
『虫歯はね、甘い物を食べた後で歯を磨かないとなるんだよ。都会は虫歯の動物が多いんだよ。』
『痛いの?』
『うん、痛いよ。痛いから歯医者さんで直してもらうんだよ。』
『ふぅ~ん。痛いんだ。』

今度は、村の小学校の動物達が質問しました。
『秋になったので赤トンボがたくさん飛んでいますが、都会にも赤トンボはいっぱいいますか?』
『赤トンボって何なのですか?』
『えっ、赤トンボを知らないの?』
そして、村の小学校の動物達が、赤トンボがいっぱい飛んでいる所を月に映して見せました。
『わぁ、本当に真っ赤だね。』
『そうだよ。赤トンボはね、人差し指を上に向けて動かないでいると、その人差し指に赤トンボが止まるんだよ。』
『かわいんだね。』
『うん、かわいいよ。』
『村では、赤トンボは毎日飛んでいるの?』
『うん、秋には毎日飛んでいるよ。』
『都会では、公園で一度飛んでいるのを見たことがあるよ。』
『少ないんだね。』
『うん、少ないね。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

てんから、てんから、てんからてん(2)

2017-02-12 16:12:11 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。

『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』
村の小学校の動物達が
『村では、お米がたくさんできました。農家の人に感謝して、残さないように食べています。』と発表しました。
都会の小学校のイヌとネコが
『作っている工場の人に感謝して、ドックフードを残さないように食べています。』
『それでは、質問のある方はいますか?』

都会の小学校のイヌとネコが
『僕達の飼い主さんは、スーパーマーケットで透明な袋に入った白いお米を買いますが、お米は全部白いのですか?』
『できた時のお米は、モミガラの中に入っているので黄色に近い薄い茶色で、モミガラを取って、米ヌカも取ると、やっと白くなるんだよ。』と言ってお米がたくさん実った、刈り取ったばかりの稲穂を月に映して見せました。
『稲穂は重たそうだけれど、たくさんなるんだね。』
『そうだよ、重たいよ。農家の人が大切に育てているので、いっぱいなるんだよ。』

村の小学校の動物達が
『村の小川や池にはザリガニがたくさん住んでいますが、都会にもザリガニはたくさんいるのですか?』
『えっ、ザリガニって何? 都会には、小川も池も無いから、いないよ。』
村の小学校の動物達が
『これがザリガニだよ。』と言って金魚鉢に入れたザリガニを月に映して見せました。
『エビみたいだけれど、ハサミはカニみたいに大きいんだね。』
『うん、ハサミに挟まれると、すごく痛いんだよ。』
『ザリガニはどうやって捕まえるの?』
『竹の棒に付けた糸にスルメを結び付けて、小川や池の中に入れると、ザリガニがハサミでスルメをつかむので、そっと竹の棒を上げると釣れるんだよ。』
『ふぅ~ん、楽しそうだね。』
『うん、楽しいよ。』

『都会には楽しい生き物はいないの?』
『動物園や水族館にたくさんいるよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

てんから、てんから、てんからてん(1)

2017-02-11 17:04:05 | 童話
満月の夜、村の小学校の校庭に動物が集まります。
都会の小学校の校庭にも動物が集まります。
村の小学校には、イヌやネコ以外に、タヌキやキツネやイノシシや、たくさんの動物達が集まります。
都会の小学校には、イヌとネコだけが集まります。タヌキやキツネやイノシシはいませんし、カラスやスズメは、夜は目が見えないので、集まりません。

そして、二つの小学校で、お互いに自分達の姿を月に映して学級委員会をします。その学級委員会を始める時に、片方の小学校で『てんから、てんから、てんからてん。』と言います。
そして、もう片方の小学校でも『てんから、てんから、てんからてん。』と言います。そうすると学級委員会が始まるのです。

『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』
村の小学校のみんなが
『ホタルが少なくなってしまったので、池や小川をきれいにする活動をやっています。』と発表しました。
都会の小学校のイヌとネコが
『交通事故にあわないように、信号を守る活動をしています。』と発表しました。

『それでは、質問のある方はいますか?』
都会の小学校のイヌとネコが
『ホタルというは何なんですか?』
と聞きました。
『えっ、ホタルを知らないの?』
と、村の動物達が、不思議そうに聞きました。
村の小学校の動物達が
『お尻が黄色く光りながらフワフワと飛ぶかわいい虫だよ。』
と、ホタルを月に映して、都会の小学校のイヌとネコに見せてあげました。
『やぁ、きれいな光りだね。』
『うん、きれいだし、かわいいよ。』

そして、また都会のイヌとネコが聞きました。
『村の小学校からゲロゲロ、ゲロゲロと聞こえてきますが、何が鳴いているのですか?』
『えっ、カエルを知らないの?』
『うん、知らないよ。』
『田んぼや小川にいて、みんなで夜通し鳴くんだよ。そして、カエルの子供はオタマジャクシと言うんだよ。』
そう言って、村の小学校の動物達が、カエルと、もう少しでカエルになるオタマジャクシを月に映して、都会の小学校のイヌとネコに見せてあげました。
『オタマジャクシはかわいいねぇ。』
『うん、かわいいよ。もう少し前だと、オタマジャクシは手も足も生えていないんだよ。』
『ふぅ~ん。都会には、田んぼも小川も無いから、カエルもオタマジャクシもいないよ。』
『へぇー、そうなんだ。』

『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

20センチの巨人(6)

2017-02-10 21:25:05 | 童話
そして、みんなが勉強をしている時には、巨人さんは箱の穴から僕達が勉強をしているところを見ていました。
体育の時間は箱から出て体育館でみんなと一緒に体操をし、給食は僕のを、わけてあげて、みんなと一緒に食べました。
そして、下校時間になったので、みんなとバイバイしました。

『巨人さん、バイバイ。』
『巨人さん、またね。』
『巨人さん、今度いつ来るの?』
『巨人さん、楽しかったね。バイバイ。』
『みんな、バイバ~イ。』

家に着いて、僕が宿題をしている時に、巨人さんは僕の宿題を見ていました。
そして、巨人さんが本の中に帰る時間になったので、また物干しさおをつたって帰って行きました。

『巨人さん、バイバイ。』
『今日はすごく楽しかったよ。バイバイ。』
『そう、良かったね。バイバ~イ。』
巨人さんは本の中の巨人なので20センチですが、僕は大きいので本の中には入れません。
だから、巨人さんが本の中から出て来た時に一緒に遊びます。

おしまい

20センチの巨人(5)

2017-02-09 21:27:31 | 童話
『ねえお母さん、この物干しさおはこのままにしていていいでしょ?』
『何に使うの?』
『巨人さんが、また僕の所に来る時に使うんだよ。』
『ええ、いいわよ。』
『巨人さん、この物干しさおはこのままにしておくから、次に来る時に使ってね。』
『ああ、ありがとうよ。』

4月になって僕は小学生になり、毎日ランドセルを背負って、黄色いぼうしをかぶって学校へ行っています。

ある日、巨人さんが
『わしも学校へ行ってみたいなあ。』
と言ったので、箱の中に入ってもらって連れて行ってあげることにして、箱に穴を開けて外が見えるようにして、
『巨人さん、学校へ行く用意ができたよ。』
と教えてあげました。
すると、巨人さんは物干しさおを伝わって上がって来ました。
『この箱の中に入るのかい?』
『そうだよ。』
そして、僕は巨人さんの入った箱を持って学校に行きました。
すると友達がみんなで
『それは何なの?』
『巨人さんなのに小さいんだね。』
『どこから来たの?』
『へえ~、いつもは本の中にいるんだ。』
『もう大きくならないの?』
『巨人さんの学校はどこに有るの?』
と言いました。