カタツムリの富士登山(1)

2017-02-18 10:53:39 | 童話
『お母さん、僕、富士山に登りたい。』
僕達が住んでいるお花畑の持ち主さんが、テレビで世界遺産になった富士山を見ていた時に、カタツムリの僕は急に富士山に登りたくなった。

『何を言っているの、あんな高い山に登れるはずが無いでしょ。』
お母さんがあきれて言った。
『富士山の高さは3776メートルでしょ、1日に10メートル登ると377日だから、1年ちょっとで登れると思うんだ。』
『だけれどね、高い山は雪が降ってすごく寒いんだよ。私達カタツムリは寒さに弱いので生きていられないのよ。』
『それでは、寒い時は背中にある家に入って、温かくなるのを待っているよ。そうすると、2年で登れると思うんだ。』
お父さんが、『絶対に登るという気持ちが有るなら、やってみるといいよ。だけれど、寒くなってきたら家から出たら絶対ダメだよ。』
『うん、わかった。』

そして、僕は今日から体力をつける運動を始めた。
僕達の住んでいるお花畑を、今までは1日で1廻りしていたが、今日からは1日に3回まわることにした。最初は疲れて、休憩ばかりしていたが、何日かすると休憩しないで、まわれるようなった。
そして、たくさん練習して富士山に登れる自信がついたので、明日出発することにした。

すると、お父さんが、このお花畑の持ち主さんに、富士山の登山口まで自動車で送ってもらえるようにお願いをしてくれた。
そして、お花畑の持ち主さんが、僕とお父さんとお母さんを入れた虫かごを富士山の登山口まで自動車で運んでくれた。
自動車の外に置いてくれた虫かごから僕だけが外に出た。お父さんとお母さんは、虫かごに残って、もとのお花畑に連れて帰ってもらうことにしていたのだ。

『お父さん、お母さん、行ってきます。』
『気を付けてな。絶対ムリしたらダメだよ。』
『うん、わかった。バイバイ。』
『バイバイ。』
そして、お父さんとお母さんは、お花畑の持ち主さんの自動車で帰って行った。

てんから、てんから、てんからてん(7)

2017-02-17 21:22:59 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。

『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』
都会の小学校のイヌとネコが
『暑くなってきたので、熱中症にならないように、汗をかいたらお水をたくさん飲むようにしています。』と発表しました。
村の小学校の動物達が
『僕達も熱中症にならないように、お水をたくさん飲むようにしています。』と発表しました。
『それでは、質問のある方はいますか?』

『ホタルはたくさん増えましたか?』と都会の小学校のイヌとネコが、村の小学校の動物達に聞きました。
『うん、去年、小川や池をきれいにしたので、ホタルは増えたよ。』
『トンボやカエルもたくさんになりましたか?』
『うん、たくさん増えて、去年よりゲロゲロ、ゲロゲロとたくさん鳴いているよ。』と言って、カエルがたくさんゲロゲロと鳴いている池を月に映して見せました。
『本当だ、いっぱいいるね。』
『うん、今年もたくさん鳴いているよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

そして、村の小学校の動物達と都会の小学校のイヌとネコとの学級委員会は、今も続いています。

  おしまい

てんから、てんから、てんからてん(6)

2017-02-16 21:08:14 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。

『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』
都会の小学校のイヌとネコが
『庭やマンションのベランダで、お花の苗を大切に育てています。』と発表しました。
村の小学校の動物達が
『お花畑にはお花がたくさん植わっているので、お花を大切にしています。』と発表しました。

『それでは、質問のある方はいますか?』
『春になりましたが、雪はもう解けましたか?』
『まだ雪は溶けないで、少し残っています。だけれど、雪ダルマはもう溶けてしまいました。』
『村ではお花が咲き始めましたが、都会でも咲き始めましたか?』
『お花屋さんにはいっぱいお花を売っていますが、植わっているお花が少ないので、分かりません。』
『村にはお花畑があって、いろいろな色のお花が咲きますが、都会にはお花畑は無いのですか?』
『お花畑は有りません。公園も、木や芝生が多いですが、お花畑はあまり有りません。』
そして、都会の小学校のイヌとネコが、大きな公園を月に映して見せました。
『本当だ、木がたくさんあって、広い芝生の上でイヌや人間が運動しているけれど、お花が植わっている所が少ないね。』
『うん、少ないよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

てんから、てんから、てんからてん(5)

2017-02-15 21:16:53 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。

『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』
都会の小学校のイヌとネコが
『寒くなって、北風がピュ~ピュ~と吹くようになったので、外から帰ってきた時に、うがいと手洗いをして、カゼをひかないようにしています。』と発表しました。
村の小学校の動物達が
『僕達も、うがいと手洗いをしています。』と発表しました。

『それでは、質問のある方はいますか?』
『都会では、もう雪は降りました?』
『まだ降っていません。村では雪が降ったんですか?』
『うん、もう雪がたくさん降って積もったので、雪ダルマを作りました。』と言って、雪ダルマを月に映して見せました。
『大きな雪ダルマだね。すごいね。』
『みんなで仲良く作るので楽しいよ。』
『ダルマの他に何が作れるの?』
『イヌやネコやペンギンや、何でも作れるよ。』
『今度、ダルマではないのを作ったら見せてね。』
『うん、いいよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

てんから、てんから、てんからてん(4)

2017-02-14 21:18:23 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。

『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』
都会の小学校のイヌとネコが
『寒くなったのでノドがカラカラになり、カゼをひきやすくなったので、毎日うがいをしています。』と発表しました。
村の小学校の動物達が
『僕達も毎日うがいをしています。』と発表しました。

『それでは、質問のある方はいますか?』
『村では、これから雪が降りますが、都会でも雪は降りますか?』
『雪が降ることはほとんど無いです。』
『村ではたくさん降るので、みんなで雪合戦をしたり、雪ダルマを作ったりして遊びます。』
『えっ、雪合戦って何なの? それと、雪ダルマって、どんな形のダルマなの?』
『雪合戦はね、雪を固めてボールを作り、そのボールをぶつけて遊ぶんだ、とっても楽しいよ。』
そして、村の小学校の動物達が、雪ダルマを月に映して見せようとしましたが、まだ雪が積もっていないので、雪ダルマが有りません。しかたなく、雪ダルマの絵を月に映して見せました。

『ふぅ~ん。楽しそうだね。』
『うん、楽しいよ。』
『今度、雪がたくさん降った時の学級委員会の時に、月に映して見せてね。』
『うん、いいよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』