僕の背中(1)

2019-04-25 06:28:17 | 童話
僕が走る時はいつも友達の背中を見ながら走っている。遊んでいる時も、運動会の時も、僕はみんなの背中を見ながら走っているが、みんなが僕の背中を見ながら走ることが無い。
もっと速く走りたいし、みんなに背中を見せながら走りたい。
だけれど、一生懸命に練習をしても速くならない。

僕の家のボチに聞いてみた。
『ねぇ、どうすれば速く走れるようになれるの?』
『僕みたいに4本足で走るといいんだよ。』
『無理だよ、両手両足では上手く走れないよ。』

僕はお猿さんに聞いてみた。
『ねぇ、どうすれば速く走れるようになれるの?』
『地面を走るのではなく、木から木に飛び移れば速く遠くへ行けるよ。』
『だめだよ、運動場には木が植わって無いよ。』

僕はダンゴ虫に聞いてみた。
『ねぇ、どうすれば速く走れるようになれるの?』
『丸くなって転がればいいんだよ。』
『だめだよ、ゴールじゃない方に転がって行っちゃうよ。』

僕はカンガルーに聞いてみた。
『ねぇ、どうすれば速く走れるようになれるの?』
『両足をそろえて、ピョンピョンと飛び跳ねると速く走れるよ。』
『だめだよ、両足をそろえて飛び跳ねると、すぐに疲れてしまうよ。』

僕はハトに聞いてみた。
『ねぇ、どうすれば速く走れるようになれるの?』
『羽を広げて大きく羽ばたくと速く飛べるよ。』
『だめだよ、僕には羽が無いから飛べないよ。』

僕は川の水に聞いてみた。
『ねぇ、どうすれば速く走れるようになれるの?』
『雨がたくさん降って川の水が多くなると速く走れるよ。』
『だめだよ、雨がたくさん降ると運動会が中止になってしまうよ。』

僕は吹いている風に聞いてみた。
『ねぇ、どうすれば速く走れるようになれるの?』
『天気が悪くなると風は強くなるんだよ。』
『だめだよ、天気が悪くなると運動会が中止になってしまうよ。』

運転手さんはヒーロー(3)

2019-04-24 06:24:57 | 童話
ねぇ、お父さん、宇宙ロケットには運転手さんはいるの?
『う~ん、その答は難しいなぁ。ロケットはね、コンピュータでコントロールされて飛んでいるので、普通は操縦しないけれど、危険になった時は人間も操縦できるようになっているんだよ。』
コントロールて何?
『どっちの方角に行く時は、どのエンジンを何秒間働かせるか、みたいな事をロケットを打上げる前にコンピュータで計算しておくことだよ。』
ふぅ~ん、すごいんだね。
『今まで失敗したことが有るから、ちゃんとコントロールできるようになっているんだよ。』
では僕も失敗しても大丈夫だね。
『だけれど、失敗した事を覚えていて、次からは失敗しないようにする事が大切なんだよ。』
うん、わかった。

それから、運転手はまだいっぱいいるよね。
お父さんも旅行に行く時やスーパーへ買い物に行く時に運転手さんになるよね。
だから、運転手さんは、みんなみんな、ヒーローだよね。

僕も遊園地で電気で走る自動車に乗るけれど、その時は、僕もヒーローになれるんだ。
えっ、ヒーローじゃないの、誰かの役にたっていないからヒーローじゃないのか。

僕は大きくなったら、どの運転手さんになろうかなぁ。
全部カッコいいから迷ってしまう。
そうだ、全部の運転手さんになればいいんだ。
一生懸命に勉強すれば、全部なれるよね。

     おしまい

運転手さんはヒーロー(2)

2019-04-23 06:34:27 | 童話
バスの運転手さんはね、会社へ行く人や学校へ行く学生さんを電車の駅まで乗せて行ってあげて、夕方からは駅からみんなの家の近くまで乗せて帰ってくれるんだ。
雨の時も、雪の時も毎日乗せてくれるんだ。
そして、バスも車庫でバスが安心して走れるように点検しているんだ。だからバスもみんながヒーローだね。

トラックの運転手さんはね、すごく重たい荷物を工場や港から、工場や建物を建てている所へ運んだり、お引っ越しの荷物を運んだりするんだ。
一人であんな重たい荷物を運んでいくからヒーローだね。

あっそうだ、飛行機の運転手さんを忘れていた。
えっ、飛行機は操縦士さんて言うの。あんな大きなジェット旅客機を二人で操縦して、みんなが喜んでいるから操縦士さんもヒーローだよね。

自衛隊さんが救助に使っているブルドーザーは力持ちだよね。
困っている人を力一杯助けているからすごいよね。
そうか、ブルドーザーは道路を作ったりもしているんだ。
このブルドーザーを運転している自衛隊さんもヒーローだよね。

あとね、空港には飛行機を引っ張る車も有るんだよ。
お父さんと空港に行った時に見たんだけれど、大きな旅客機を引っ張っていたんだ。
だから、その自動車の運転手さんもヒーローだよね。

それからね、僕が田舎へ行った時に耕耘機という乗り物を見たことがあるんだ。
それは田んぼや畑を耕すんだって。
おじさんが乗って動かす大きいのと、乗らないで押していく小さなのがあるんだ。
お米や野菜を作るのに使うんだよ。お米や野菜が作れないとみんなが困るので、耕耘機の運転手さんが一番のヒーローかな、
きっとそうだよね。

運転手さんはヒーロー(1)

2019-04-22 06:26:54 | 童話
 僕は、運転手さんはヒーローだと思う。
電車の運転手さん、船の運転手さん、消防自動車の運転手さん、救急車の運転手さん、バスの運転手さん、トラックの運転手さん、
いっぱい運転手さんがいるんだね。

電車の運転手さんはね、僕の友達は新幹線の運転手さんがカッコいいと言っている。
スピードが速いし、あんなにいっぱいくっつけた新幹線を一人で運転しているから、カッコいいよね。
だけれで、僕の田舎では一両で走っているんだよ。
田舎はお年寄りが多いから、運転手さんはお年寄りが電車から降りる時に、荷物を持ってあげたり、手を引いてあげたりするんだよ。
僕はこの運転手さんもカッコいいと思う。みんなのヒーローだと思う。

船の運転手さんはね、えっ、船は船長さんて言うの。
小さい船は船長さん一人で運転できるけれど、外国へ行くような大きい船は、エンジンを動かす人や、進む方角を決める人や、遠くの場所とお話しをする人や、乗っている人の食事を作る人や、多くの人が一緒になって船を動かしているんだね。
それでは、船長さん以外の人も全員がヒーローだね。

消防自動車の運転手さんは、すごいよね。
火事で燃えている所へ行って、みんなで火事を消すんだね。熱いから大変だと思うんだ。
そうか、消防自動車は、運転手さん以外もみんなで火事を消すから、みんながヒーローだね。

救急車の運転手さんは、病気やケガで動けない人を病院へ運ぶんだね。困っている人を助けるからすごいよね。
運転手さん以外の人と二人で協力してやっているので二人がヒーローだね。
君は知っているのかなぁ。救急車は消防署にいて、火事の時も消防自動車と一緒に行き、火事でケガをした人を病院に運ぶこともするんだよ。

僕は、ただ今旅行中(5)

2019-04-21 07:45:12 | 童話
僕は男の子で、名前はツヨシです。
僕は今、絵本の中を旅行中です。

高い空から見ると、森も家も海もきれいだなぁ。あっ、船の上でおじさんが手を振っている。
『お~い、君はどこへ行くのだい?』
『僕はね、遠くの森へ行くんだよ。そして、たくさんの動物と遊ぶんだ。』
『気を付けて行きなさい。』
『はあ~い。行ってきま~す。』

遠くの気球が近付いてきて、女の子が手を振っている。
『ねえ、どこへ行くの?』
『僕はね、遠くの森へ行くんだよ。そして、たくさんの動物と遊ぶんだよ。』
『いいわねえ。』
『バイバイ。』

やっと森に着いた。だれと遊ぼうかなあ。
『ねえ、キリンさん何して遊ぼうか?』
『駆けっこして遊ぼうか。』
『だめだよ、キリンさんにはかなわないよ。』
『ねえ、チンパンジーさん何して遊ぼうか?』
『木登りして遊ぼうか。』
『だめだよ、チンパンジーさんにはかなわないよ。』
『ねえ、ゾウさん何して遊ぼうか?』
『お水のかけっこをして遊ぼうか?』
『だめだよ、ゾウさんにはかなわないよ。』

『そうだ、みんなで「おしくらまんじゅ」をして遊ぼうか? でも、ゾウさんはソッとやってね。』
『いいよ。』
『わっせ、わっせ、たのしいなぁ。他の動物さんも一緒にやろうよ。』
『わっせ、わっせ、みんなで「おしくらまんじゅ」だ、わっせ、わっせ、楽しいな、楽しいな。みんなで遊ぶと楽しいな。』

君もみんなで仲良く遊ぶと楽しいよ。
『僕はもう帰るからね、またみんなで仲良く遊ぼうね。』

そして、今日の絵本の中の旅行は終ったけれど、今度はどの絵本の中の旅行をしようかな。今度は君も一緒に行こうね。
  
おしまい