夢の向こう(2)

2019-09-25 06:48:21 | 童話
またしばらくして、夢の中で友達が向うから歩いて来たので
『夢の向うから帰って来たの?』
と聞いたら
『そうだよ。』
と言ったので、僕は
『夢の向うへ探検に行ってくるよ。』
と言うと、友達は
『うん。』
と言って夢の出口から出て行ってしまった。

僕は一人で、前の探検の時よりもずっと遠くまで夢の中を歩いて行くと遠くに家が見えてきた。
もっと歩いてその家に着くと、家の中から、僕のお父さんとお母さんが出てきて
『おかえり。』
と言ったので僕は
『ただいま。だけど、ここは夢の中なの? それとも夢の向うなの?』
と聞くと、お母さんが
『ここは、夢の中よ。夢の向うは、ここからモノレールに乗っていくの。』
と言った。

僕はすごく高い空の上を走っているモノレールに乗って、大きな駅に着いたので、幅が広くて、高く大きなエスカレーターで、みんなと一緒に駅から滑って降りた。

『早く起きないと学校に遅れるわよ。』
僕はお母さんに起こされました。
大きなエスカレーターは、みんなが学校や会社へ行かないといけないので、みんな夢の出口へ向って行っていたのだ。
僕が大きなエスカレーターに乗っている時に、もう一つのエスカレーターが動いているのが見えた。そうか、途中で、もう一つのエスカレーターに乗り換えれば、夢の向うに行けたのではないかと思った。
今度、すごく高い空の上を走っているモノレールに乗って、幅が広くて、高く大きなエスカレーターに乗ったら、僕だけエスカレーターを乗り換えようと考えた。

夢の向こう(1)

2019-09-24 06:45:58 | 童話
君達はどんな夢をみるのかなぁ?
僕はね、前にみた夢と同じ場所で迷子になる夢をみることがあるよ。
それとね、パラグライダーで高い空を飛んでいる夢や、すごく高い空の上を走っているモノレールに乗っている夢や、幅が広くて、高く大きなエスカレーターで、みんなが駅から滑って降りてくる夢をみたこともあるよ。

夢って、ふしぎだよね。
君達はどんな夢をみるのかなぁ。

僕はある日、友達が向うから歩いてやって来る夢をみたんだ。
その友達は
『僕は夢の向うから帰って来たんだよ。』
と言って、夢の出口から出て行ってしまった。
次の日、その夢の話をしたが、友達は
『そんな夢はみなかったよ。』
と言った。
僕はもう一度、夢の中でその友達に夢の向うのことを聞いてみることにした。

しばらくして、また夢の中で友達が向うから歩いて来たので
『夢の向うから帰って来たの?』
と聞いたら
『そうだよ。』
と言って、夢の出口から出て行ってしまった。
その友達に、夢の向うのことを聞く前に、その友達は夢から出て行ってしまったので、僕は自分で夢の向うを探検することにした。

そして、夢の中を歩いて行ったけれど、いつまで歩いて行っても、夢は続いていて、夢の向うには行けなかった。
そして、朝になって目がさめた。
『残念だなぁ、夢の向うは、まだ遠いのかなぁ?』

おしゃべり畑(3)

2019-09-23 09:31:21 | 童話
そして、また夏の暑い日の朝、学校へ行く時にあの畑から話し声が聞こえてきました。
『昨日は晴れていて暑かったので、お水を飲みたいね。』
『そうだね、畑の土がカラカラになってしまったからね。』
『畑の持ち主さんに頼んでみよう。』
『ねぇ、持ち主さ~ん、お水をちょうだい。』
畑の近くの家の中から
『ちょっと待ってて、すぐお水をあげるから。』
と聞こえてきた。

そして、また畑から
『ナスビやキュウリがたくさん実ったよ、みんなで食べていいよ。』
と聞こえてきました。
すると、畑の近くの家の中から
『いつもありがとうね。』
と声が聞こえてきました。

去年と同じだ、畑もみんなも元気なんだね。
来年の夏も同じかな?
きっと同じだよね。

   おしまい

おしゃべり畑(2)

2019-09-22 07:20:54 | 童話
冬の寒い日の朝、学校へ行く時に畑から話し声が聞こえてきました。
『今朝はすごく寒いね、霜柱が立っているよ。ブルブル、ブルブル。早く太陽が昇らないかなぁ。』
すると、畑の近くの家の中から『もう少しでお日様が出て、暖かくなるから我慢していてね。』と声が聞こえてきました。
太陽が昇ると温かくなるんだよね。

春の少し暖かくなって来た日の朝、学校へ行く時に畑から話し声が聞こえてきました。
『温かくなってきたね。』
『そうだね、お花も少しずつ咲き始めたね。』
『もう少したつと、きれいなお花でいっぱいになるね。そうするとチョウチョがたくさん飛ぶようなって、この畑がにぎやかになるね。』
『そうだね。みんなの心がウキウキしてくるね。』
『お~い、チョウチョさん、みんなとお話しをしようよ。』
『だめだよ、今はお花の蜜をもらうのに忙しいからね。たくさんの蜜をもらったら、またこの畑に戻って来るから、その時にいっぱいお話しをしようね。』

春は畑も気持ちいいし、忙しいんだね。お話しもいっぱいだね。

おしゃべり畑(1)

2019-09-21 09:37:03 | 童話
僕が学校へ行く途中には畑が有り、いろいろな種類の野菜が植えられています。
夏の暑い日の朝、学校へ行く時にその畑から話し声が聞こえてきました。
『昨日は晴れていて暑かったので、お水を飲みたいね。』
『そうだね、畑の土がカラカラになってしまったからね。』
『畑の持ち主さんに頼んでみよう。』
『ねぇ、持ち主さ~ん、お水をちょうだい。』
すると畑の近くの家の中から
『ちょっと待っててね、すぐお水をあげるから。』
と聞こえてきました。

そして、また畑から
『ナスビやキュウリがたくさん実ったよ、みんなで食べていいよ。』
と聞こえてきました。
すると、畑の近くの家の中から
『いつもありがとうね。』
と声が聞こえてきました。

秋のすがすがしい日の朝、学校へ行く時に畑から話し声が聞こえてきました。
『今年もおいしい柿の実がたくさん実ったから、たくさん食べていいよ。』
『栗もたくさん実ったから、栗ご飯にするとおいしいよ。』
すると、畑の近くの家の中から
『そうね、では今晩は栗ご飯にするわね。そして、デザートは柿にしようかしら。』
と声が聞こえてきました。
秋はたくさんの実が実るんだね。