窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

亜種ヒシクイ、続々到着の模様

2019-09-13 18:23:49 | コクガン・ヒシクイ・ガン類

オホーツク海の方から高気圧が南下してきました。湿っぽい空気からカラッとした

冷たい空気が降りてきたことが実感できます。いよいよ寒気団の到来です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ◆  亜種ヒシクイ、続々到着の模様  ◆

二日前、日没後十三夜の大きな月を見ているとき、上空をケルルル、ケルルルという

鳴き声が迫ってくるのを聞きました。姿を確認できませんでしたが、聞きなれたヒシクイ

の声です。餌場に行った帰りなのか、渡ってきた群れなのか、どっちにしろ秋雁の到来

です。

今朝、夜明け前に起き、ヒシクイたちが塒にしている葦帯の河口に行ってきました。

日の出の7分前に着いたのですが、亜種ヒシクイの塒からの飛び出しが始まっていました。

途中で300羽以上の群れが牧草地の上空を飛んでいくのを見ていましたから、慌てました。

急いで車を降り、見晴らしのいい場所に向かいましたが、その間にも次々に群れが飛び

立って行くのを見ました。正確なカウントはできません。しかし、あとから飛び立ってくる

数でも撮っておくことに専念しました。

河口の水面を走る音が聞こえ、群れが林の上を飛んでいきます。牧草地に向かい高度を

上げ、編隊を組み飛んでいきます。3羽から20羽ほどの群れが声を出しながら西の方へ

消えていきます。

到着して7分。5時13分には河口のヨシ帯からは気配が消えました。予想以上に早い飛び立ち

にがっくり。およそ1000羽以上の亜種ヒシクイがやってきているようです。

 


オジロワシの成鳥

2019-09-12 17:01:08 | ワシのいる風景

広大な干潟ができる野付湾には子育てが終わったアオサギやカワアイサなどが集まって

きます。親鳥とヒナたちが干潟や河口で食べ物を捕り、過ごします。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ◆  オジロワシの成鳥  ◆

沢山の鳥が集まるとやってくるのがオジロワシ。周辺の木立に止まり、地面に降り、じっと

鳥たちを観察しています。時々、飛び出し、アオサギたちが集まっている上空を見回ります。

「あぶり出し飛行」と私は名付けてますが、警戒して飛び上がり安全な方へ飛んでいく

鳥たちの行動をチェックしているのです。体調が悪くても鳥は健康そうに見せ、外敵から

狙われないようにします。それを経験で見つけられるようになります。

幼鳥や若鳥の時は経験がないのであぶりだすのは難しいようですが、成鳥はちょっとした

動きや飛び立つときの反射行動を見逃しません。

気づくと急激にスピードを上げ、追跡を始めます。普段はゆったりと飛んでいますが、追跡

態勢に入るとワシが変わったようにスピードを上げます。

相手にまだ逃げれる力があれば、深追いはしません。ない時は容赦しません。追跡、追跡を

続けます。その時のオジロワシの顔は双眼鏡越しに見ても凛々しいものです。

 


アカエリヒレアシシギ P. lobatus の逗留

2019-09-11 19:21:46 | シギ・チドリ

北極海沿岸地域のツンドラ地帯で繁殖しているアカエリヒレアシシギ。彼らはメス同士が

産卵場所を巡り争う。それを交尾相手のオスと共同で懸命に防衛します。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ◆  アカエリヒレアシシギの逗留  ◆

ところが、産卵を終えたメスは卵をオスに任せ、すぐに南への渡りを始めます。

根室海峡では7月10日前後にアカエリヒレアシシギの群れが現れます。そして日ごとに

数を増やし、羅臼の沖合で9月になっても逗留しています。

ハシボソミズナギドリの群れが集まっているところで一緒に群れ、オキアミを食べ過ご

します。この情報は毎日羅臼沖でシャチやクジラを観察している「知床ネイチャー

クルーズニュース」の日誌から得ています。

羅臼沖はプランクトンが豊富で、クジラをはじめシャチ、イルカの大型動物からマグロや

ブリ、シイラなどの大型魚類、イカやイワシ、キビナゴの小型魚がたくさん集まり棲息

します。

それを支えるのが豊富な植物プランクトン。餌にする動物プランクトン。中でもオキアミは

豊富で、南半球で繫殖したハシボソミズナギドリは4月から9月にかけ滞在してます。

アカエリヒレアシシギも繁殖を済ませ、早々に南下してきて根室海峡で集まっています。

低気圧が通り過ぎ、群れの一部が野付半島に退避してきたのです。その数500羽以上、おそらく

もっといたでしょう。

ほとんどはすぐに海に戻ったようですが、一部が10日ほど残っていました。丁度、ユスリカを

はじめとする昆虫が大量に発生する時季で、アカエリヒレアシシギたちは虫を食べるために

干潟や水たまりに集まっていました。

急に深くなった水たまりでは虫たちが草の上の方に退避して、アカエリヒレアシシギたちが

食べやすい状況ができていたのです。おそらく彼らが繁殖してるツンドラの環境状況に

似ていたのでしょう。

せっせと食べる姿、ツンドラでの生態を見るようでわくわくしました。


タンチョウ親子

2019-09-10 15:59:00 | タンチョウのいる風景

営巣地の周辺でヒナを育てていたタンチョウの夫婦が大きくなったヒナを連れて、

行動範囲を広げています。最近、中標津周辺は小麦やデントコーン、ソバと穀物を

栽培する農地が増えてきて、タンチョウの行動に変化をもたらしています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ◆  タンチョウの親子  ◆

畑が増える前は二番草に発生するバッタを食べに親子や若き群れが集まっていましたが、

今は、刈入れが終った麦畑に集まっています。

ほとんどが4、5歳までの若きタンチョウです。春先から群れを作り、食べ物を求め

移動しながら生活しています。縄張りを持つ夫婦のタンチョウの攻撃をかわしながら

生活していた群れはこれぞとばかりに集まってきます。

なわばりを持つ夫婦のタンチョウも秋に入ると縄張り意識が薄れ、畑に来る若き群れを

さほど追いかける様子がありません。

夫婦もすでに自分たちと同じ体格になったヒナを連れ、畑にやってきています。群れに

混じることはありませんが、攻撃して追い出すことはありません。

かえって群れと一緒にいる方が、ヒナを狙う外敵からの危険が減るようで、ピリピリ

していません。多ければ監視の機能が上がり、突如襲われる危険がずっと減ると思えます。

タンチョウが集まるのは人の気配が少ない早朝です。のんびり、ゆったり、集中して

落穂から種を食べる様子は牧歌的で、いいものです。

しかし、警戒心は怠らず、私の姿、自動車の姿でゆったりと遠のいて行きます。安全な

距離をきちんと取るんです。


エゾジカ・袋角から戦闘角へ

2019-09-09 15:38:19 | エゾジカの四季

ススキの花が終わり、白くなった穂が西日に輝きます。すっかり秋の気配が充満して

きました。エゾジカのオスの角が成熟してきています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ◆  エゾジカ・袋角から戦闘角へ  ◆

春からマツタケのような膨らみを持って耳の前、内側に出た角芽はどんどん成長し

見事な角になってきました。初めはビロードのように柔らかで、艶々し、色気を感じ

させるふっくらした角でした。

袋角と言われ、触ると液体が入っているような不思議な錯覚を味わえます。熱く、どく

どくした勢いを手を通して感じたことがあります。柔らかく厚い皮膚の下から血管の

動悸がすごかった。

春先のシラカバが根から水分を吸い上げる勢いとみなぎる力を感じさせるのに似ています。

3カ月以上たった今、角は長く伸び、股を出し、三股四尖のガッチリとした角に成長し

ました。ふわふわだった角皮膚は中で成長した本角に密着し、中の血管だけが浮き出でて

います。

血管も細くなり、硬化して、蔓がへばりついているようです。袋に入れ、真空ポンプ

で空気を取り出すと中に入っていたものの形がはっきり浮き上がってくる、そんな感じ

の角になっています。成熟した角になり、もうすぐ皮が剥離してきます。

出会ったシカはまだ4歳になったばかりのオス。角の広がり方は狭く、先の方の伸びが

少ないのです。まだ先の方には薄っすらと毛が残っています。

オスの群れからでたはぐれジカ。右耳にケンカして切れたV字の切れ込みが入っています。

研鑽摘んでやがて大ボスの道を歩くようになる猛者になる候補です。

のんびりと水辺で草を食んでしました。