窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

ウミアイサの大群が押し寄せてきた。

2019-12-20 19:53:08 | カモ類

一部の群れがイカナゴの群れを野付半島の浅瀬まで追い込んできて、イカナゴ

を食べまくったのですが、イカナゴの群れが方向転換して沖合に逃げると、

次には本体のウミアイサの群れが沖合から押し寄せてきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

      ★  ウミアイサの大群が押し寄せてきた  ★

岸辺に来ていた群れが多く見えたのですが、本隊を見たらぶったまげました。

海から湧くように群れが次々にやってきます。帯状にウミアイサの群れが左

から右へ移動してきます。

大きなイカナゴの群れが逃げていくのです。それを追いかけながら、潜っては

食べ、再び飛んで移動して行く光景が繰り広げられています。

海の中のイカナゴの様子は分かりませんが、きっと塊になった魚群がすごい

スピードで逃げ回っているのだと思います。

野付湾に追い込むことは、浅瀬に移動させ、潜ってもとりやすくなるように

仕向けているのでしょう。

ユリカモメやカモメなどが付きまとい、表面に追い上げられる魚を捕っています。

他所ではちょっと見ることができない光景です。


オジロワシのルーティンな生活

2019-12-19 23:48:35 | ワシのいる風景

カムチャッカ半島から南下してきたオオワシやオジロワシが増えてきてます。

彼らの移動は広範囲ですが、縄張りを持つ野付半島に棲むオジロワシはいつも

同じ場所にいます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

       ★  オジロワシのルーティンな生活  ★

先が枯れた木の上に止まり、そこから餌取りに出かけています。ゆっくりと

羽ばたきながら水面や葦原の上を偵察して行きます。

遠くでの小さな飛び姿はトビに見えるのでいつも確認してきます。いつも潮の

動きに敏感です。水の中は彼らの好物、魚が動くからです。水が動くとき水流が

早く、食べるものが多く浮き上がり捕りやすくなります。集中して動く魚は

上空への警戒が手薄くなります。

その瞬間を狙い、オジロワシは降下してきて水面から魚をつかみあげます。

わずか数秒の時間ですが、魚にしてみれば悪魔な瞬間です。

脚をふわりと前に出し、水表面をなでるようにして魚をつかみあげます。

20㎝くらいの魚だと捕ったのかどうか分からないほどです。

体が大きいのに動きが柔らかい、しなやか、スムースです。魚体が大きくないと

すぐにくちばしに持って行き、飲み込んでしまいます。

はやわざというほかない速さです。

サケのような大きな魚だとしっかり握って安心して食べれる場所まで運びます。

途中でカラスに見つかり追いかけられることが多いので、飲み込んだ方が

いいのです。


海岸好きなユキホオジロ

2019-12-18 17:16:54 | 山野の鳥

ユキホオジロを最初に観たのは石川県の大聖寺の海岸。砂浜で打ち上げられた

海草や塵の中からなにか?を拾って食べていました。40年以上前のこと。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ★  海岸好きなユキホオジロ  ★

北極の妖精、まさか北陸地方であえるとは思っていませんでしたから、とっても

わくわくしたことを思い出します。

NHKの自然番組、コマリ川のコハクチョウの中で、流木の洞中に巣を作り、

せっせと餌を運んでくる夏羽のユキホオジロを見て、こんな厳しい環境で繁殖

しているのかと親しみを覚えたのです。

極北、北極海に面したツンドラの湿地草原に住むユキホオジロが野付半島に

毎年やってくるのを知ったのは30年前以上になります。調べると毎年日本

国内で越冬する場所は、野付半島が唯一であることを知りました。

それから「なぜ野付半島」だけなのか、考えるようにしてました。最近、彼ら

の行動を見ながら確信を持てるようになりました。

観察しだしたころは、ハマニンニクに取りつき、実を食べていることが多か

ったのでハマニンニクの生息場所とシンクロしていると思っていました。

ところが秋に渡ってきた頃は海岸線にいることが多く、ハマニンニクは食べて

いません。

さらに地面で食べていることが多い。しかもアマモが打ちあがり、乾燥した

ところに集まります。

双眼鏡でしっかり確かめるとキビやヒエの実ほどの丸い種子を口にしています。

何度も確認してネットで写真を見るとアマモの実です。

秋に大量に打ち上げられるアマモ。乾燥すると軽くなり、強風で砂浜をごろ

ごろ転げまわります。その時に大量の実が落ちて砂に紛れるようです。

ユキホオジロはこれを拾って食糧にしているのです。積雪で地面が雪に覆われ

てると乾燥アマモが転がっている雪のない海岸線に集まるのはアマモが大量に

打ち上げられているせいです。

アマモ棲息面積日本最大の野付湾を抱える野付半島にユキホオジロが集まるのは

アマモのせいです。


ウミアイサ追い込み漁

2019-12-16 23:39:50 | カモ類

ウミアイサのイカナゴ追いかけの続きです。逃げるイカナゴの群れを野付湾の

入り口の方に群れが追い込んでいきます。後方にいた個体が飛び立ち、前の方

に行きます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ★  ウミアイサの追い込み漁  ★

しだいに岸よりの浅瀬に群れが寄ってきました。そこにカモメが集まり、

ウミアイサが集まりました。

次々に長いくちばしに魚を挟んだ個体が水の中から浮いてきます。

追い込まれたイカナゴの一部が岸の方へ走ってきてカモメに捕られています。

ウミアイサも波ぎわまで追いかけ、砂浜に上がってきます。

イカナゴも賢明です。突如、方向転換して沖合に方向を変えた様で、ウミアイサ

の群れが沖合に移動を始めました。今度は群れが沖合に向かって飛び始めました。

潜っていたウミアイサが浮いてきて急に数が多くなった錯覚を覚えてしまい

ます。


ウミアイサ奇襲

2019-12-14 22:47:51 | カモ類

ウミアイサが根室海峡に集結しています。沖合で鳥の群れが移動しているのが

野付半島から眺めることができます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

          ★  ウミアイサ・奇襲  ★

その数は数万羽かも。見ていると水平線に黒い帯状の群れが知床半島方面に

向かい移動して行きます。毎年この時期に見られる光景です。

滅多に半島に近寄ってきませんが、時々魚の群れが移動してくると半島に沿って

ウミアイサの群れがやってきます。

岸よりに半島の先の方へ魚の群れが移動しています。追っているのはウミアイサ

たちです。車を降りて岸辺に走って行くとウミアイサたちが慌てて逃げていきます。

魚を追うことに集中している個体が目の前に来てくれます。くちばしに10㎝

ほどの細めの魚を挟んでいます。魚が何か同定はできませんが、大きさからして

イカナゴではないかと思っています。

イカナゴは北半球の寒帯域で多く生息する北方系の魚です。日本産のイカナゴは

移動性が少さく、各地で固有の系統群が存在しているそうで、根室海峡ではそう

とう多くいるようです。

イカナゴ漁はこの地域では行われていないせいで、鳥や魚、海獣を食物連鎖を

支える大事な役割を果たしていると私は思っています。

目の前を数千羽以上のウミアイサが左から右へ移動して行きます。どのくらいの

数か、湧くように現れるので推定しにくい時が多いのです。