窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

オオハクチョウ・氷をよけて

2019-12-13 19:12:42 | オオハクチョウのいる風景

野付湾が凍り始めました。薄氷ですが20%くらい覆ってます。岸よりから張ってくる

ので、それまで浅瀬のアマモを食べていた鳥たちは一大事です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ★  オオハクチョウ・氷をよけて  ★

カモ類は大半が南に渡って行きました。オオハクチョウも数が減りましたが、まだ残って

アマモを食べ、残っている個体がいます。

朝は氷で埋め尽くされていた岸辺は、引き潮で氷に割れ目が入り沖に流されました。

開いた水面にはオオハクチョウがやってきてアマモを食べだします。

ただ、冬季は干満に寄る潮の差が少ないので広範囲の干潟はできません。潮が上がりだす

と海水が急速に動きだし、砂嘴の間にできた干潟に入ってきます。

オオハクチョウはそれをうまく利用して、アマモを拾って食べ始めます。流れで引き抜か

れた新鮮なアマモが浮いてきて、待っていると簡単に拾え、食べることができます。

冬の夕暮れ、成鳥たちが集まり、流れに向かいアマモを拾い上げています。一緒に氷が

流れてきてそれをよけながら空腹を満たします。暗くなり休むまでのひとときですが、

活気に満ちた黄金ひとときです。


オジロワシ幼鳥

2019-12-10 19:09:46 | ワシのいる風景

7月はじめに巣立ったオジロワシの幼鳥が独り立ちしました。9月頃までは親が

近くにいて見守ることが多かったのに、12月にもなれば単独で海岸線の杭などに

止まっています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ★  オジロワシの幼鳥  ★

海が荒れた翌日は海岸線のテトラポットの上に止まるオジロワシを見かけます。

波が運んでくる海産物を待ち受け、お腹を膨らまそうと待ち受けています。

確認してみると大半が若いオジロワシです。羽色はさまざまです。こげ茶の羽が

ウロコみたいに生え、1歳、2歳だと濃く、年を重ねると白っぽくなっていきます。

くちばしの色は色気のない黄色が年を重ねるにつれ、黄色の色が強くなり、色香と

つやが増してきます。

幼鳥にとり海岸は餌をとるには便利なところです。時々、海から魚や貝が打ち上げ

られ、狩りが上手くなくても何とかお腹を膨らますことができるとこです。

成鳥に比べると動きもあどけなく、俊敏さに劣ります。どこかポワーンとした表情

をしています。

警戒心は以前に比べると強くなり、近寄るとすぐに飛び去ります。

これから4、5年生き残るための力をつけなければいけません。時々、回遊して入り

込んでくるイワシやニシンが大量に打ち上げられたり、ゴマフアザラシの死体が

上がる幸運がやってきて、彼らの成長を援護してくれます。

厳寒に向い、どうやって生活して行くか、試練がたくさん待ち受けています。


アマモが吹き寄せる場所

2019-12-09 23:41:06 | コクガン・ヒシクイ・ガン類

海の中の植物、アマモが大量に打ち寄せる場所があります。野付湾のアマモをを観察して

いると、四季折々で打ち寄せてくるアマモの量が違います。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ★  アマモが吹き寄せる場所  ★

季節の中で一番抜けたり、切れたりして浮遊してくるのは秋です。10月から11月

にかけ波ぎわに打ち上げられるアマモの量は「土手」ができるという表現がぴっ

たりな状況です。

強風が吹き、波が荒くなった翌日、半島や湾内のどこかの海岸に山盛りの流れ

アマモの山ができています。海岸に平行に絨毯を丸めたような土手が波ぎわに続

きます。

10月、11月は台風の季節。よく西寄り、南よりの強風が吹き荒れます。野付湾は

東に「つ」の字に突き出た半島に囲まれていますから、抜けたアマモは湾の奥の方

に運ばれます。

湾内に突き出た小さなん砂嘴には押し付けられたようにアマモが打ち上げられ、

波ぎわには大量のアマモが浮いています。

そこにアマモが好きなコクガンとオオハクチョウが集まってきます。カモがいる

ときは植物食のオナガガモやヒドリガモも集まってきます。

11月になってくるとコクガンとオオハクチョウが集まり、本州から見れば考えら

れない2種だけの群れが浅瀬に広がる珍しい光景が見られます。あまりにも多く

いるので、気にせず通り過ぎていく人が多いこと。

鳥を見に来た人でさえ、当たり前で、いつでも見ることができるものと錯覚され

る人が多いようです。

上げ潮で水かさが増してくると、より浅い岸辺に近寄り食べに来ます。警戒心の

強いコクガンやオオハクチョウが近くに寄って行っても逃げず、もりもりと食事

をする風景をあきれ、見とれます。


ちょっとごめんね、タンチョウさん

2019-12-07 19:55:04 | エゾジカの四季

ふと見ると左のヨシ帯からエゾジカのオスが出てきて、川を渡り始めました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★  ちょっとごめんね、タンチョウさん  ★

潮が引き、川底が浅くなっています。バチャバチャ脚を上げ、水しぶきを吹き飛ばし、

早足で対岸へ向かいます。

その先に、食べ物を捕りに来ていたタンチョウ夫婦が水の中に嘴を差し込んでいます。

エゾジカが近寄ってきても、気にする様子もなく、作業を続けています。互いに慣れている

無視の仕方です。オジロワシやキタキツネに対する示す警戒感は全くありません。

シカは安全、タンチョウは安全、という生まれながらの認識を互いに持っているんです。

ただ、周りへの注意は払っているようで、立ち止まり、振り返り、周りに視線を送って

います。

ソリタリーと言われる独りジカ。速やかに右側のヨシの中に消えていきました。

 

 


オナガガモ・水場に飛来

2019-12-06 17:59:13 | カモ類

オオハクチョウが水を飲みにやってくる湿原の中の沼。オオハクチョウが休んでいる

氷上の近くの開水面にオナガガモが群れでやってきます。彼らもアマモを食べ、塩分を

摂るので水を飲みにやってきます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ★  オナガガモ・水場に飛来  ★ 

野付湾内の各所から20,30羽の群れで飛んできます。オオハクチョウと違い、かなり

高度を上げ飛んできます。群れになってくるのはハヤブサやオジロワシに襲われないように

連携し、警戒してくるからです。

日中、広大な草原を飛ぶことは危険が高く、本州の方ではあまり見られません。しかし、

もともと彼らが繁殖する北部のツンドラ地域では、広々としていて白夜の中を生活しています。

オナガガモにすればどってことないはずです。

普段は水面に浮かび餌を食べているか、休んでいる姿を見るのが普通ですが、飛行する姿を

目の前で楽しむことができます。

沼の上空に来ると旋回し、翼の羽ばたきを制限し、空気を切る音が良く聞こえます。

スゴーッという音は群れの合唱に聞こえ、なかなかの迫力です。