台風一過、週末から眺めていた天気図は新潟方面の高い山に行け・・・というような状況だった。
敬老ウイークも重なって、どの方面の高速道路も緊急事態などドコ吹く風の大渋滞になると考え、土曜の仕事を終えて、シャワーを浴び、寝ることも止めにして、深夜早々に出発した。
63歳になるが、まだまだこういう強行軍が出来る。
往復600キロ、8時間の運転と、登山、寝ないでこなせる体力がまだある。
ありがたいことだろう。
高くとも、そんなに苦もなく登れる山があれば、低くとも、ゲロを吐くほどの山もある。
早朝から登り始めた山は、気温7度だった。
2000mを超えてくると大絶景が拡がっていた。
360度の眺望は、地の果てまで続いている。
大勢の観光客や、登山者でゴッタ返してる人気の山には近づかず、醜い人影が見えない遠くから、それは愉しむにかぎる。
フォッサマグナの沈み込みは雲海の底、はるか下界の痴話にも似た、人類が蓋をされてる地球の愉快なひそひそ話。
これを見たいから、生きてるようなもんだ。
そんな笑いしか無かった。
太平洋に抜けた台風の分厚い姿が、雲海の遥か向こうに見えていた。
これも見たかった景色ではあった。
本当の青い空とは、こういう色を言うんだろうと思うくらいに、青かった。
たまらないね~、半袖で、北風が吹くと寒かったが、胸は熱くなったよ。
人間なんて小さな虫けらだと、痛感する。
あの遥か下界では、コロナだのワクチンだのと、メディア音頭の阿呆な祭りの真っ最中。
やってられない、見てられない、踊る阿呆に、見る阿呆、関わり合いたくもない。
昼前にはもぎたてのリンゴを片手に、ムシャムシャ高速に乗り、スイスイと戻ってきたが、関越の下りの渋滞は午後2時でも続いておった。
先週は獲れたてのシャインマスカットをムシャムシャ喰いながら、帰路の高速に乗ったが、毎週こうやって産地の美味いモノをムシャムシャしながら高速の渋滞を避けて走っている。
多くの日本人は休日まで同じ行動をして群れて渋滞し、そこで喧々諤々、競い合って、いがみ合い、鼻くそほどの場所で、小さな小さな自意識の時間に夢中になっているんだな~、と、ムシャムシャしながら笑って戻った。
親の遺産や、土地の売り買い、投資や運用で儲けただけの成金猿の群れは、群れの中で守りに入ってるタニシみたいなもんで、俺は毎年毎年そのくらいのモノは実業で稼ぎ続けてるから、別に意地汚く惨めに守りに入ることもナニも無い。
使ったら、また稼ぐだけ、ゼニカネなんてそんなもんさ。
戻って爆睡し、夜に起きて飯を喰い、風呂に入り、腹のパウチを交換して、またぐっすりと眠ったもんだ。
・・・ということで、今週後半には関西地方へ日帰り、来週半ばには中国地方へ日帰り、今週末は東北地方の山に出掛ける、常に休まない心臓と一緒に、笑って生きている。