黄金虫の引継ぎ

『お前、接待用の店を持ちたいんだって？そんなに景気の良い仕事って一体何遣っているの？』と僕。
『医療機器と用品の販売をしているんだよ』とナル。
『医療の関係だったら病院が取引先だから、倒産の心配が無いね～１』と感心する僕。
『そうだよ、1度も無い。所でこの店良さそうだね、幾らで売ってくれるの？』と同級生のナル。

『この店を始めるのに500万掛かっているから、400万でどう？未だ2年だし、内装の手直しも要らない、お客さんも今のまま引き継げば、お前の接待客で売り上げも上がるよ。経験は有る？』と僕。
『経験は無いけど、妻の妹と亭主に遣らせるつもりなんだ、仕事柄接待が多いので店を遣りたいと思って居たんだよ、他の店で経費を落とすより、自分の店で落した方が良いものね』と、自信に満ちたナル。
『や～、頭、良いな～！』と感心する僕。

この時、ナルホドとは、言いませんでした。

仕事を覚える間、
横浜の友達が教えると云う事で彼らの店は始まりました。
店名は「黄金虫」のままです。

ナルは、
三島駅の近くの喫茶店の2階に事務所を借りていました。
社員は４～５人位だったと思います、
こじんまりと纏まった会社でした。


SOHO三島から見た、
夕焼けの富士山