ついでに、

物心付いて、
１番古い記憶は何歳頃でしょうか、僕は３歳頃です。

その日は、何故か父親に連れられ、伊豆長岡の旅館に行きました。
父親の格好は、茶の角袖に着流し、
総絞りの兵児帯、黒の足袋に下駄、茶色のソフト帽でした。

長い廊下を歩き、薄暗い部屋に通されます。
小さい僕にとっては広く見えますが、２０畳位の部屋でしょうか、
部屋の中はタバコの煙でケブッテいます。

十数人の男達がいて、
父親と互いに挨拶を交わしましたので、父親は顔見知りだったのでしょう。

部屋の電球は少し離れていて、２個だけ点けられていました。
それぞれの傘には黒い布が被せられ、下の茶色の座布団を照らしています。


お通夜の風景
これだけの親類縁者が集まったのは、我が家として初めての事です。


角袖
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