異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

元SEALDs諏訪原健「潮目が変わり、『こんな人たち』が肯定されている」・・・デモをみて微笑む人たちがいる。好意的な雰囲気が漂っている。〔AERAdot. 2017.7.11〕

2017-07-13 17:11:26 | 案内 情報 デモ 集会 逮捕

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 沿道でニコニコ笑みを浮かべてデモを見る、可愛い店員さん。 撮影by目良 誠二郎
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井野朋也(新宿ベルク店長) @Bergzatsuyoten 7月9日

 
 

AERAdot.  https://dot.asahi.com/dot/2017071100013.html?page=1

元SEALDs諏訪原健「潮目が変わり、『こんな人たち』が肯定されている」

20代の処方箋

by 諏訪原健更新 2017/7/11 11:19

 

安倍政権に抗議し、9日夕方、約8000人がデモ行進した (c)朝日新聞社

安倍政権に抗議し、9日夕方、約8000人がデモ行進した (c)朝日新聞社

 

諏訪原健(すわはら・たけし)/1992年、鹿児島県鹿屋市出身。筑波大学教育学類を経て、現在は筑波大学大学院人間総合科学研究科に在籍。専攻は教育社会学。2014年、SASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)に参加したことをきっかけに政治的な活動に関わるようになる。2015年にはSEALDsのメンバーとして活動した

諏訪原健(すわはら・たけし)/1992年、鹿児島県鹿屋市出身。筑波大学教育学類を経て、現在は筑波大学大学院人間総合科学研究科に在籍。専攻は教育社会学。2014年、SASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)に参加したことをきっかけに政治的な活動に関わるようになる。2015年にはSEALDsのメンバーとして活動した

 

 

 東京都議選の結果、政局の「潮目が変わった」と言われている。具体的に何が変わったのか、正直私にはよくわからない。しかし少なくとも政権を批判することに対する人々の受け止め方は、着実に変わっているように感じている。

 7月9日に新宿で開催された「MARCH for TRUTH」というデモに対する反応をみて、「潮目が変わった」という実感を覚えた。

 17時過ぎ、集合地点からほど近い都庁前駅A5出口を出ると、デモに参加する人が溢れかえっている。参加者の多さにまず驚いた。しかもプラカードひとつ見てみても、参加している人々はかなり多様だ。中には「こんな人たち」と書かれたプラカードを持っている人もいる。

 これは都議選の最終日の7月1日、聴衆から「やめろ」「帰れ」とコールを浴びた安倍首相が発した「こんな人たちに負けるわけにはいかない」という発言に対する抗議でもある。

 その映像を初めて見た時、私は正直言って、批判の矛先は「安倍やめろ」と声を発した人々に対して向くのではないかと思った。あるいは「非難しあっているのだから、どっちもどっちだ」といった論理に回収されるのが関の山ではないかと考えていた。そのため、「こんな人たち」発言の問題性を指摘する原稿を用意したほどだった。

 しかし、そんな考えは杞憂に終わった。マスメディアの報道や、SNS上での反応を見ると、首相発言に対して批判的な意見が多くを占めていた。それどころか、自民党議員からも批判的な声が上がる始末だ。大学院の友人の反応も、「あの発言はありえないよね」といったものが多かった。いつもは政権に対してあまり否定的ではない人も含めて、そういう反応だったから、何だか拍子抜けしてしまった。

 9日にデモ行進をしながら、さらなる変化を感じた。沿道の人々に目を向けてみると、デモ隊を見つめる人が数多く見受けられる。歩道橋の上をランニングしている人が、わざわざ足踏みをしながらこちらを見つめている。自転車に乗った通行人が、デモを見ていた人に「これ、すごいね」と話しかけている。通行人が立ち止まって携帯のカメラで写真や動画を撮っている。

 どこか周囲の反応がいつもと違う気がした。デモ隊が近くを通れば、目を向けるくらいのことは当たり前かもしれない。しかし、これまでであれば、立ち止まってまで見物する人はこんなに多くなかったように思う。しかも意外なほどに迷惑そうな表情の人はあまり見当たらない。なぜこんなに好意的な雰囲気が漂っているのか、不思議で仕方なかった。

 もしかすると「潮目が変わった」というのはこういうことなのかなんて考えているうちに、新宿駅南口あたりまで進んでいた。駅から出てくる人々はどんな反応を示すのかと気になって、南口の前を何度か往復してみる。

 通行人のほとんどは、何が起こっているのかと、まずはデモ隊に目を凝らす。その後は、何事もなかったかのように、通り過ぎていく人もいる。しかし一部に気になる反応を示す人々がいた。目を凝らした後、何を思ったのか、ふと微笑むのだ。しかも一人、二人ではない。数十人はそういう人がいた。デモ隊を見て微笑むというのは、私にとっては非常に新鮮だった。むしろ逆に違和感を覚えたほどだった。

 彼らがどうして微笑んだのかはわからない。しかしその表情には、無言の肯定感が漂っているように見えた。あるいは「こんな人たち」が声を上げる場面に出くわしたことによるある種の愉快さの表れなのかもしれない。いずれにしても、政権を批判することがより許容されるようになっているのだとしたら、そのことの意味は大きいと思う。

 私は正直、政権に批判的な意見をすることにいつも息苦しさを感じている。ネット上はもちろん、日常の中でも、特別視され、否定的な意見を投げかけられることも少なくない。何でわざわざこんなことしているのかと思ってしまう時もある。

 しかし考えてみれば、これだけ多様化が進んだ社会なのだから、政権が自分たちを代表してくれているという感覚を得られない人々が多くいるのは必然だ。それなのに政権を批判することが否定的に捉えられるというのは、民主主義社会としては不健全だ。政権を批判するくらいのことは当たり前だという感覚が共有されているほうが望ましい。

 さらに言えば、これまでであれば、「与党もダメだが、野党もダメだ」といった論法で、現政権への評価を留意するような人々もかなり多かったと思う。

 残念ながら、依然として国政レベルで、他の受け皿が現れているとは言えない。それでも政権に対してダメなものはダメだと言うことが、当たり前になりつつあるとしたら、それは民主主義社会として望ましい変化だと思う。

 他に頼るべき勢力がないからといって、現政権にフリーハンドを与えるとしたら、それでは政治は良くなりようがない。問題があれば適宜指摘して、改善を求めていく、そのほうがずっとポジティブな政治参加のあり方だと思う。

 政局の「潮目が変わった」ことが、民主主義社会にとってもいい方向への転換に繋がっていくことに期待したい。

 

 

 

 


<23日仙台市長選>郡氏ややリード 菅原氏追う / <仙台市長選>安倍内閣「不支持」57.1% 〔河北新報 2017.7.12〕

2017-07-13 14:35:32 | 都知事選 県知事選 市長選

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画像に含まれている可能性があるもの:2人、大勢の人、屋外

==================================================郡和子事務所FBより

 

河北新報 http://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201707/20170712_11021.html

宮城 郡氏ややリード 菅原氏追う

2017年07月12日 水曜日

 任期満了に伴う仙台市長選(23日投開票)で、河北新報社は9~11日、電話による世論調査を実施し、取材による分析を加えて序盤情勢をまとめた。元衆院議員郡和子氏(60)が知名度を生かしてややリードし、会社社長菅原裕典氏(57)が追っている。元衆院議員林宙紀氏(39)が続き、元衆院議員大久保三代氏(40)は伸び悩む。6割が態度を決めておらず、情勢は変わる可能性がある。

 民進、社民両党が支持し、共産、自由両党が支援する郡氏は、民進支持層の7割、共産支持層の8割弱、社民支持層の9割を固め、公明党支持層と無党派層からも3割を取り込む。男女とも若年から高年までの全世代で先行する。地域別では泉区以外の4区で上回り、職業別では民間企業、主婦、無職の支持が厚い。
 自民、公明両党と日本のこころが支持する菅原氏は、自民支持層の4割、公明支持層の5割弱を固める。男女とも40~60代以上の中高年層で郡氏に次ぐ支持を得ている。地域別では地元の泉区でトップに立ち、他の4区でも郡氏に続く支持を集める。職業別では公務員・団体職員、自営・自由業に浸透している。
 林氏は、日本維新の会支持層の7割弱を固めるほか、自民、民進、公明、共産の支持層と無党派層の各1割超を取り込む。男女とも30代以下の若年層から郡氏に次ぐ支持を集めている。地域別では泉区で比較的強い。職業別では自営・自由業や農林漁業のほか、学生からも一定の支持がある。
 大久保氏は広がりを欠いている。
 投票先を「決めている」「だいたい決めている」との回答は4割。前回2013年の市長選の投票率は過去最低の30.11%で、投票率の行方が情勢に影響を及ぼす可能性もある。

 [調査の方法]仙台市内の有権者を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。実際に有権者のいる世帯に電話がかかったのは916件で、うち616人から回答を得た。

 

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河北新報 http://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201707/20170712_11012.html

宮城

<仙台市長選>安倍内閣「不支持」57.1%

2017年07月12日 水曜日

 23日投開票の仙台市長選を前に河北新報社が実施した世論調査では、重視する政策に「医療・福祉」を挙げた人が最も多く、「地域経済活性化」「子育て・少子化対策」も目立った。投票する基準では「公約・政策」「人柄・イメージ」の二つで大半を占めた。

◎支持政党「自民」最多30.7% 政権に厳しい目

 調査では、安倍内閣や政党への支持も尋ねた。安倍内閣を「支持しない」が57.1%で「支持する」の35.2%を大きく上回り、市民が政権に厳しい目を向けていることが明らかになった。支持政党は自民が30.7%で最多だった。
 安倍内閣を「支持しない」と答えた人は、世代別では高年層(60代以上)が最多で66.4%。中年層(40~50代)が55.0%、若年層(30代以下)は49.5%だった。「支持する」は逆に若年層が45.6%と最も多く、中年層32.9%、高年層27.5%の順となった。「分からない・無回答」は7.7%だった。
 職業別では、学生の支持率が79.3%と突出し、自営・自由業が47.0%で続いた。支持率が低かったのは、契約社員・派遣社員・アルバイトの16.7%、主婦の25.9%など。男女別の支持率は男性37.3%、女性33.3%だった。
 支持政党は自民以下、順に民進11.4%、共産4.3%、公明4.1%、社民2.9%、日本維新の会2.0%までが2%以上だった。「支持する政党はない」と答えた無党派層は、半数近くの42.5%に上った。

 

 

 


東京新聞・望月衣塑子記者が語る、安倍政権の裏側――記者がスパイのように……〔cyzowoman 2017.7.12〕

2017-07-13 13:41:41 | 報道 NHK 民放

http://www.cyzowoman.com/2017/07/post_145472_1.htmlより転載

東京新聞・望月衣塑子記者が語る、安倍政権の裏側――記者がスパイのように……

2017.07.12
OLYMPUS DIGITAL CAMERA望月衣塑子さん

 安倍晋三首相のスポークスパーソンである菅義偉官房長官の記者会見で、何度も食い下がって質問を続けるひとりの女性記者が注目を集めている。その取材の様子が話題となり、最近はテレビや雑誌にもたびたび登場している東京新聞社会部の記者、望月衣塑子さんだ。なぜ菅官房長官にしつこく質問するのか、政治取材の現場はどういうところなのか、そして安倍政権の裏側について、望月さんに聞いた。

■記者クラブの会見では、指名される人が決まっている

――菅官房長官への記者会見で毎回食いついていますが、望月さん以外の記者は、あまり切り込んだ質問をしていないように見受けられます。安倍政権に批判的な質問をしてはいけない“暗黙の了解”のような雰囲気が記者クラブにはあるのでしょうか? また、そもそも記者クラブとは、どういう集まりなのでしょうか?

望月衣塑子さん(以下、望月) 記者クラブとは、総理大臣をはじめ各官庁、政党を担当している(大手メディアのテレビや新聞などの)政治部記者が入っている記者会で、そのうちの大きなひとつが「内閣記者会」(官邸クラブ)です。最初は私も「批判的な質問をしないのが普通なのかな?」と思っていたのですが、菅官房長官の会見では、手を挙げている記者の質問には、批判的な内容でも全部きちんと答えています。一方、安倍首相の記者会見では、司会者は絶対に安倍首相のお気に入りの記者しか指名せず、NHKなどは手を挙げてもいないのに指されると聞きました。菅官房長官の会見に関しては、官邸クラブが中心ではありますが、フリーの記者でも金曜午後は入れるようになっており、ある程度開かれてはいます。

 かつては政権に批判的な記者の質問も多かったと聞きましたが、最近は、あまり官邸に抵抗できないという空気感がクラブにあると思いますね。加計学園疑惑の話は、マイルドな聞き方をされていますし。

――望月さんは政治部ではなく、社会部の記者ですよね。ほかの部の記者でも入れるんですか?

望月 明確に記者会所属の記者しか出てはいけないという規定はないので、内閣記者会に会社が登録し、国会記者証を持っているなどいくつか条件をクリアしていれば、フリーの記者も含めて会見には入れます。官邸は週刊誌などのマスコミも、どんどん来ていいというスタンスとも聞きますが、内閣記者会側が既得権にこだわっており、フリーの記者が金曜日の午後会見以外に出ることには否定的だと聞いています。

――官邸クラブの記者は、政府の「御用記者」のような感じなのでしょうか?

望月 政治部と社会部では、目指している方向が、そもそも違うのだと思うので、批判的な質問をしない政治部記者が問題だとは思いません。政治部記者の中では、社会部的な疑惑の追及より、北朝鮮や中国との関係をはじめとする国際情勢や、経済政策などの政治情勢がどんどん動いていくから、それを日々追って、菅長官のコメントを取ることの方が重要なのだとも思います。

 だから、稲田朋美防衛相など、選挙での政治情勢に影響する失言などには、とても敏感だし、ツッコミも入るのですが、加計疑惑や下村疑惑(下村博文議員が加計学園から闇献金を受けたといわれる疑惑)などの社会部的な疑惑をいちいち掘り下げていくという雰囲気ではないのだと思います。政治部記者としては、日々目まぐるしく回っていく政治をどうフォローしていくかが主眼で、疑惑の追及が重要ではないというスタンスなのかもしれません。そのため、疑惑を掘り下げている社会部の記者こそが、怒りをもって追及していけるのだと思います。

同じ回答しかしない政治家を、国民に見せることが大事

 

――望月さんは、会見時に菅官房長官に何度も質問をされていますが、それに対し、菅官房長官は質問の答えになっていないような回答ばかりされていますよね。

望月 今では、その様子を国民に見せることが必要だと思っています。国民は、何を質問しても、菅官房長官がうろたえて同じ答弁を繰り返すのを見て、「さすがに『加計ありきでない』という言い訳は苦しいよな」と思い始めているのではないでしょうか。

――NHKや民放をはじめとしたテレビには、すべてをきちんと放送できない事情があるのでしょうか?

望月 これは、私がテレビ関係者から聞いた話ですが、例えば、国会が開いている間は加計学園疑惑がこぞって放送されていました。しかし、国会が閉じてしまうと加計疑惑について報道するかどうかは各局の判断になるそうで、そこから、各局の政権に対する忖度のスタンスがよくわかるというのです。ある番組ではトップで扱っているものが、別の番組では三番手扱いのニュースになっているとか。また、ある民放局では、コメンテーターに官邸の見解を話す人を入れるよう、上から指示が来たという話があるとも聞きました。

 テレビと比較すると新聞は、そのようにあからさまな圧力は受けていません。数年前、衆議院議員選挙を前に、萩生田光一官房副長官が民放各局の番組担当者や編集局長などに宛てて、「公平中立、公正な選挙報道を」という内容の文書を送りつけています。このように政権が選挙報道側に規制を前提とするような圧力をかけることはありませんでしたから、極めて衝撃的な文書であり、安倍一強の下での政権のテレビメディアへの関与、圧力があからさまになった出来事でした。しかし、そのときも、すぐに騒ぎにはなりませんでした。やはり、テレビは電波を総務省に握られている(電波法に基づいて放送免許を与えられている)ことも関係あるのかもしれません。

 本来は、このような圧力があったら、テレビメディアは断固として闘うべきでしょうが、それはなかった。逆に、あの萩生田文書を契機に、テレビメディアの忖度が急速に進展していったのではないかという気がしています。これは民主主義や言論の自由にとって大きな危機だったと感じています。

官邸が記者をスパイのように使っている!?

 

――なんだか独裁国家のような感じですね。

望月 恐怖政治のようにも見えるかもしれませんが、問題とされるべきは、政権だけでなく、メディア側の姿勢にもあると思います。関係者を取材すると、官邸側は反政権的な官僚や政治家、マスコミ関係者などについて、出身官庁からの情報など、あらゆるチャンネルを使って調べているとも聞きます。韓国・釜山の総領事の森本康敬氏が異例の交代となった背景には、マスコミ関係者と森本氏が会食した際、政権に批判的な発言をしたことが、官邸に伝わったためとも聞きます。ある元自民党議員は、取材に対し「政治部記者に官邸批判をしていたら、その話がすべて官邸に筒抜けになっていて恐ろしかった」とも言っていました。前川喜平・前文科省事務次官は、一部メディアで報道が出る前に、新宿のバー通いについて官邸の杉田和博副長官から指摘を受けていました。

 どこのメディアでもそうですが、その部署に50人の記者がいれば50人分、取材対象から聞き取った内容のメモができます。マスコミのある社では、かつてはそのメモを記者全員で共有していたそうですが、今は「反政権的なことを言っている官僚や政治家がいます」と、官邸サイドにその話が筒抜けになるのを防ぐため、キャップやサブキャップ以外にメモをシェアしない形を取るようになったとも聞きました。これは、政権が怖いということ以上に、権力側に気に入られ、権力に食い込もうとするがために、記者が自ら進んでメモを権力に差し出していると推測させることを示しています。こういう状況は、かなり危機的ではないかとも感じます。どんな立場にいようと、最後はメディア、そして記者は権力の監視・チェックをし、権力の暴走を防ぐために存在するということを肝に銘じる必要があると思っています。

――権力を監視するはずの記者が、その役割を果たしていないということでしょうか?

望月 記者としては政権の内部に食い込みたいから、そのメモを官邸サイドに渡すのでしょうが、結局それは、官邸が記者をスパイのように使う材料にもなっているわけです。前川前次官に聞きましたが、文科省の文化功労者選考分科会の委員の人選で、閣議決定が必要なものがあったため、事前に官邸にお伺いを立て、人事のリストを見せた時、杉田副長官から「この学者は安保法制反対の学者の会にいるよね」とか「この人は政権にあまり賛成していないね」と指摘を受けたと話していました(杉田副長官は否定)。前川氏は、「要は、委員のメンバーからは外せと言いたかったのでは」と話していました。この話を菅官房長官にぶつけると、「それはない」と激しく否定し、指摘されたことをとても嫌がっていました。内閣人事局を掌握し、2014年以降、霞が関の部長級以上の官僚5,600人の人事権を握るようになったことは、今の政権の力の源泉です。その内幕のような話は、最も触れてほしくない部分なのでしょう。

 前川氏によると、安倍政権前のかつての自民党でも似たようなことはあったが、審議会の人事に少しくらい反政府側の知識人がいても、官邸がそこまで口出しをすることはなかったそうです。民主主義的な議論をするには、ある程度、さまざまな立場の意見がある方が、議論に多様性があっていいじゃないですか。でも今、安倍首相の作り出す会議は、みんな安倍首相の色に染まった人ばかり。加計学園の民間の諮問会議のメンバーしかり、「NO」と言う人は周りに絶対寄せ付けたくないという感じがあります。メディアの使い方にしてもそうです。本来は国会の場など誰に対しても開かれている公平な場でこそ、自らの狙いや心情を打ち出してしかるべきなのに、読売新聞の一面で憲法改正議論を5月3日に出して、国会で「読売新聞を読んでください」と言い放ったり、改憲案を秋の臨時国会で提出することを「正論」懇話会が主催したイベントで言ったりとか、そういうのは非常におかしな話だなと思います。

今、政治がどうなっているのか知ること

 

――おかしなところが多い今の政権に対して、国民はただ見守ることしかできないのでしょうか?

望月 まずは知ることです。今、政治がどうなっているのか知ることで、選挙の際の一票につなげてください。支持率の低下は、政権にとって大打撃なんです。加計疑惑の中身をきっちりと知れば、今の政権がなんでもありのおかしな政権になりつつあるのではないか、という疑念が解消されるか、逆に疑念が深まるかということが、少しずつ見えてくると思うんです。人事権を握られた現在、霞が関の官僚はひたすら忖度に動いてしまい、「総理が言っているんだから」で済まされ、本来は司司であるべき官僚の姿勢さえもゆがみかねないという、政治の現状を理解することができてくると思います。官僚側に立てば、反対意見を述べて自分たちが左遷されるのが一番怖いということなのでしょう。

 かつて、小泉政権下で打ち出した教育政策が、当時文科省の一課長だった前川氏の考える教育理念・政策の在り方に合わないと、ご本人がブログを書いて反論していたことがあったようですが、小泉改革の中でも、彼が左遷されることはありませんでした。今は、そういうことがあるとすぐに、課長は飛ばされてしまいます。ものを言えない空気が霞が関官僚の中に漂っていて、官僚の間に不満もたまっていると思います。
(姫野ケイ)

(後編へつづく)