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「ゆうちょ口座凍結問題、宇都宮健児弁護士の協力が決まりました」 〔大袈裟通信592 2017.7.19〕

2017-07-19 22:15:37 | シェアー

 大袈裟太郎大袈裟太郎‏ @oogesatarou  2017年7月19日


<関連記事>

【言論弾圧】大袈裟太郎の「ゆうちょ銀行口座」が凍結される! 郵便局で通帳が吸い込まれ、警備員に囲まれた! どうして? 2017.6.7

 

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http://blog.livedoor.jp/oogesataro/archives/2744531.htmlより転載

2017年07月19日

通信592「ゆうちょ口座凍結問題、宇都宮健児弁護士の協力が決まりました」

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先月よりご心配おかけしております。

私の身に起こった、ゆうちょ口座凍結問題。

横川圭希さんやチェブ夫さんたちが立場を超えたプロジェクトチームを作ってくれたこともあり、

宇都宮健児弁護士が法的な手続きに協力してくれることになりました。


元日弁連会長であり、数万件の金融案件の代理人をされてきた宇都宮さんです。

たいへんに心強い、最強の味方です。


そんなウツケンさんでも今回のようなケースは初めてとのこと。


事務所でのヒアリングの後、
(私にまつわる資料を電話帳一冊弱ぐらい綿密に準備されていることにも感動しました)

さっそく、ゆうちょ銀行の金融犯罪対策課に電話してみました。


担当者の私に対しての対応は以前のようにそっけないものでしたが、


「宇都宮弁護士に電話をかわります」と言った瞬間、

あちらがしどろもどろになるのがわかりました。


ウツケンさんに対しては担当者も、かなり丁寧に対応するようで、


電話は長時間に及びました。


「細かいことは置いといて、ぶっちゃけた話、凍結の理由はなんですか?」



若々しい言葉づかいに正直、驚きました。

低姿勢ながらも相手の核心をするどく突く、

その姿勢に、
幾多もの闇金や暴力団と対峙してきたウツケンさんの本領をかいま見ました。



まだまだ公表できる部分は少ないですが、

事実関係の究明に向けて大きな一歩を踏み出しました。


「憲法で一番大切なことは、基本的人権の尊重」と語るウツケンさんは、

内容証明の書式や、
訴状の書き方まで当事者にレクチャーすることを信条としているそうです。

それには、市民ひとりひとりが、弁護士費用を少額に抑えながら、

自分の権利、人権を守れるようにするという教育的な意味が込められていると知りました。


報酬より、人権教育を第一に考える、そのお人柄に敬服しました。

宇都宮健児法律学校に入学させてもらった気持ちで、

学ばせてもらおうと思います。

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今回の件は、私一人の問題でないと痛感しています。

悪しき共謀罪が施行された今、
すべての個人や市民運動に起こりうる、重大な人権問題です。

今後、このような不明瞭な事案を前例として定着させないために、
抑止力として、さらなる原因究明を法的に進めていきます。

また、ネット右翼からの悪質な誹謗中傷についても、
法的な対処を始めていきます。

その過程を可視化することが重要だと考えています。


ぜひ、今後とも注目をよろしくお願いします。



⬇︎ゆうちょ口座凍結問題、全容まとめと支援はこちらからお願いします。
http://okinawanohate.info/20170717oogesatouketsu-taisakushien/


 

 

 

 


「加計に決めた」政府決定2カ月前に山本大臣発言 議事録を入手 〔週刊文春 2017年7月27日号〕

2017-07-19 16:57:12 | 加計疑惑

  http://bunshun.jp/articles/-/3330より転載

「週刊文春」編集部

「加計に決めた」政府決定2カ月前に山本大臣発言 議事録を入手

source : 週刊文春 2017年7月27日号

 獣医学部の新設を巡る問題で、内閣府の山本幸三担当大臣が、政府が学校法人を決定する2カ月前に、加計学園に決めたと日本獣医師会に通告していた議事録を「週刊文春」が入手した。

 獣医師会の議事録によると、2016年11月17日、山本大臣は、日本獣医師会本部を訪問し、会長ら役員に次の通り述べている。

〈獣医師が不足している地域に限って獣医学部を新設することになった〉

〈四国は、感染症に係る水際対策ができていなかったので、新設することになった〉

議事録に残る「加計ありき」 禁無断転載/文藝春秋
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 学部新設に前のめりの山本大臣 ©共同通信社

 四国では、加計学園が愛媛県今治市で獣医学部新設を目指しており、加計学園に決まったことを獣医師会に通告した形だ。

 この日は、獣医学部の新設をどの学校法人が担うかを政府が決定する2カ月前だったが、この議事録により、「加計ありき」で進んでいたことが裏付けられた。

さらに、山本大臣は、

〈今治市が土地で36億円のほか積立金から50億円、愛媛県が25億円を負担し、残りは加計学園の負担となった〉

 と、「加計学園」と明言して事業費の負担額を詳細に説明し、加計学園に決めた理由を語っていた。

一大学校法人を率いる加計理事長 ©共同通信社

 加計学園、山本大臣はともに、小誌の事実確認に応じなかった。一方、山本大臣との会合に同席した獣医師会の北村直人日本獣医師政治連盟委員長を直撃すると、「詳細に自治体の負担額をあげて、『加計に決まった』と言われたので、驚きました。反対意見を申し上げた記憶があります」と答え、小誌記者が議事録を見せると、本物であることを認めた。

 7月20日発売の「週刊文春」では、問題の議事録の詳細を報じる。あわせて教職員から学部新設に多数の反対意見が上がっていたことなどを紹介し、加計学園の経営実態や加計孝太郎理事長の知られざる素顔についても詳報する。

ATTENTION

このスクープの全貌は以下のチャンネルで7月20日より全文公開します。

 

 

 

 

 

 


稲田防衛相、組織的隠蔽を容認 陸自にPKO日報、国会で虚偽答弁 〔共同通信、東京新聞 2017.7.19〕

2017-07-19 16:14:12 | 平和 戦争 自衛隊

 https://this.kiji.is/260088924608626696より転載

共同通信24NEWS  2017/7/19 02:00

稲田氏、組織的隠蔽を了承

PKO日報、国会で虚偽答弁

画像閣議後、記者会見する稲田防衛相=18日、防衛省

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を廃棄したとしながら陸上自衛隊が保管していた問題で、稲田朋美防衛相が2月に行われた防衛省最高幹部による緊急会議で、保管の事実を非公表とするとの方針を幹部から伝えられ、了承していたことが分かった。複数の政府関係者が18日、明らかにした。防衛省・自衛隊の組織的隠蔽を容認した形になる。

 稲田氏はその後の国会で、一連の経緯の報告を受けていないとし「改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善していきたい」と答弁。国会でも虚偽の説明をしたことになり、防衛相辞任を求める声が強まり、安倍晋三首相も任命責任を問われるのは確実だ。


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東京新聞 TOKYO Webhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201707/CK2017071902000124.htmlより転載

稲田防衛相、組織的隠蔽を容認 陸自にPKO日報、国会で虚偽答弁

3月16日、衆院安保委で答弁する稲田防衛相。民進党議員から一連の隠蔽行為の報告を受けていないのか問われ否定した

写真

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を廃棄したとしながら陸上自衛隊が保管していた問題で、稲田朋美防衛相が二月に行われた防衛省最高幹部による緊急会議で、保管の事実を非公表とするとの方針を幹部から伝えられ、了承していたことが分かった。複数の政府関係者が十八日、明らかにした。防衛省・自衛隊の組織的隠蔽(いんぺい)を容認した形になる。

 稲田氏はその後の国会で、一連の経緯の報告を受けていないとし「改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善していきたい」と答弁。国会でも虚偽の説明をしたことになり、防衛相辞任を求める声が強まり、安倍晋三首相も任命責任を問われるのは確実だ。

 稲田氏は十八日、当該の会議で非公表の方針を了承したかどうかの事実関係について、共同通信の取材に「ご指摘のような事実はありません」と書面で回答した。

 複数の関係者によると、緊急会議は二月十五日、防衛省で開かれた。稲田氏や事務方トップの黒江哲郎事務次官、豊田硬(かたし)官房長、岡部俊哉陸上幕僚長、湯浅悟郎陸幕副長らが出席。情報公開請求に「廃棄済み」とした日報が陸自に電子データで残されていたことについて、事実関係を公表するか対応を協議した。

 陸自は一月十七日、岡部幕僚長に保管されていたことを報告し公表の準備を始めたが、会議では、陸自のデータは隊員個人が収集したもので公文書に当たらないなどとした上で、「事実を公表する必要はない」との方針を決定。稲田氏は異議を唱えず、了承したという。

 三月に入り、報道によって陸自に日報が保管されていた事実が明るみに出た。稲田氏は同月十六日の衆院安全保障委員会で、民進党議員から一連の隠蔽行為の報告を受けていないのか問われ「報告はされなかったということだ」と否定した。

 日報を巡っては、情報公開請求を不開示とした後、昨年十二月に統合幕僚監部で発見。その後、陸自でも見つかったが、一月二十七日に統幕の背広組の防衛官僚が、報告に来た陸上幕僚監部(陸幕)の担当者に「今更陸自にあったとは言えない」と伝達。二月にデータは消去された。

 防衛省は二月六日、統幕で見つかった事実を公表し翌七日、一部を黒塗りで公開。陸自での保管の経緯は防衛相直轄の防衛監察本部が特別防衛監察を実施中で、近く結果を公表する見通しだ。

◆「戦闘」表現巡り議論

<PKO日報問題> 南スーダンPKOに、政府は2012年1月~17年5月、陸上自衛隊の部隊を派遣。首都ジュバで大規模戦闘が起きた昨年7月に現地部隊が作成した日報の情報公開請求を、防衛省は昨年10月に受理。同12月2日に「陸自は廃棄済み」として不開示決定したが、12月26日に同省統合幕僚監部に電子データで保管されていたことが判明、今年2月に公開した。3月には陸自内部にも残っていたことが発覚し、防衛監察本部が特別防衛監察を実施している。日報の「戦闘」との表現を巡って「武力衝突」としてきた政府見解との落差が国会で議論になった。

 

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陸上自衛隊南スーダンPKOの日報隠蔽問題で、2月に開かれた防衛省最高幹部による緊急会議に稲田防衛相も出席し、日報が保管されていた事実を非公表とする方針を了承していたことが発覚。 


稲田防衛相:PKO日報隠蔽了承 国会で虚偽説明 - 毎日新聞

 

 

  

 


沖縄を国内植民地とする発想捨てよ~平良修牧師 〔レイバーネット 2017.7.19〕

2017-07-19 15:32:22 | 沖縄

 LNJ Logohttp://www.labornetjp.org/news/2015/1437281975842staff01より転載

沖縄を国内植民地とする発想捨てよ~平良修牧師

                   林田英明

 

 平良修さん(写真)は、ただの沖縄の日本キリスト教団牧師ではない。その活動範囲は広すぎて紹介に困る。今も毎週、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先である名護市辺野古の埋め立て反対の座り込みに出かける精力ぶりは、とても83歳とは思えない。

 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」共同代表の肩書もある。星野さんとは、1971年の「渋谷暴動」で亡くなった機動隊員の「犯人」として逮捕され徳島刑務所に服役中の無期懲役囚、星野文昭さん(69)を指す。冤罪を訴え、獄中結婚した暁子さんに贈るために描かれたみずみずしい水彩画の数々を全国28の「取り戻す会」が絵画展として企画し、事件の実相を知ってもらおうと工夫を凝らしながら市民に訴えている。

 今回、平良さんを招いたのは「星野文昭さんを取り戻す会・九州」。2年前、福岡に発足した団体である。7月10~12日、北九州市戸畑区で開いた絵画展には約150人の参加者があり、新聞記事を見て駆けつけ、涙を押さえながら28点の絵画と暁子さんの詩を見つめる女性の姿も見られた。

●星野文昭さんの高潔さ

 11日に開かれた平良さんの講演テーマは、ズバリ「沖縄と星野」。風邪で声をからしながら懸命に訴える姿に50人が聴き入った。「私は、愛している沖縄を第一に考えているから、誰であれ、沖縄を粗末に扱う人は嫌い。一緒に汗を流し、泣いてくれる人は大好きで、星野さんは、その一人だった」と切り出し、ストレートな感情をぶつけてきた。5月に開かれた沖縄展でも女性の反応が熱かったという。「星野さんの高潔さにひかれた」という感想を紹介して平良さんは「人間は全身全霊で高潔さを獲得しなければならない」と付言し、星野さんが獄中から発しているメッセージに高潔さを見いだしていた。

 星野さんは「基地のない沖縄を取り戻そう」と立ち上がった。平良さんは「沖縄が大事にされていたら星野さんはあれほど悩むことはなかった」と心情をおもんぱかり、沖縄の置かれた不条理を問う。西銘順治・元沖縄県知事は、かつてこう漏らした。「私にとって沖縄の心とは、日本人になりたくてなりきれない心」。平良さんは「意味深長です」と言って、日本人になりきりたいのになりきれない苦しみを沖縄の心だと補足し、内面の葛藤を説いた。

 文化、言葉、自然が本土と異なる沖縄は、琉球王国の長い歴史があり、天皇もいなかった。亜熱帯で極度に暑くも寒くもないため、あくせくすることもない。馬車馬のように働く本土のビジネスマンは、そんな沖縄に触れて「好き」と「大嫌い」に見事に分かれるという。ここにこそ自分が見失った人間らしい暮らしを発見して肯定するか、これでは仕事にならないと否定するか。平良さんは「今日できることは明日にしよう、という沖縄の個性は生かしていくべきだと思う」と擁護した。

●繰り返される琉球処分

 しかし、問題は笑い話にとどまらない。繰り返される「琉球処分」に語気を強めていく。一般に琉球処分とは、1872年に琉球王国を廃し79年に沖縄県を設置した明治政府の強圧を指す。平良さんは「使い物にならないものを『処分』すると言う。沖縄はゴミではないし、罰せられる悪いことをした覚えもない。太平洋の島社会の中で琉球ぐらい高度な文化を生み出した民族はない」と自負を見せ、併合された不運と不幸を呪った。この原琉球処分が「日本史の中の沖縄史の原点」と銘記してほしいとする。

 その後も続く小規模の「処分」を平良さんは4次まで分類した。第1次は、多くの非戦闘員を巻き込み20万人が亡くなった沖縄戦。本土決戦を構える時間稼ぎでしかなかった。第2次は、天皇メッセージに始まる沖縄の米軍支配への切り捨て。昭和天皇が米軍による沖縄の長期占領を望む意向を1947年に米側に伝えていた事実を挙げて平良さんは「皇室の安全のため、初めから沖縄は捨てられていた。元々の日本じゃないから」と憤りを隠さなかった。第3次は、日本復帰熱望への裏切り。日本本土の独立担保として米軍統治下に置かれた52~72年がそれにあたる。まだ独立志向派は少数に過ぎず、軍事支配から脱却し平和憲法の日本への復帰を求める声が多数を占めた。しかし、日本政府の考えは全く違っており、日米安保体制の要としての米軍基地の継続維持が眼目だったし、自衛隊の駐留もそこに加わる。強引に批准する国会運営に対し、見るに見かねて立ち上がったのが星野さんだったというわけだ。

 沖縄本島北端の辺戸岬に「祖国復帰闘争碑」が建っている。76年4月28日に沖縄県祖国復帰協議会が設置した。72年5月15日の復帰を祝う内容ではない。県民の願いとは裏腹に日米軍事強化に逆用された事実を記し、むしろ悼んでいる。「全国のそして全世界の友人へ贈る」と題された碑文の後半部分を平良さんは読み上げた。「この碑は、喜びを表明するためにあるのでもなく、ましてや勝利を記念するためにあるのでもない。闘いをふり返り、大衆が信じ合い、自らの力を確め合い、決意を新たにし合うためにこそあり、人類が永遠に生存し、生きとし生けるものが自然の摂理に下に生きながらえ得るために警鐘を鳴らさんとしてある」。その碑から鹿児島県の与論島は見える。本土に向けたメッセージともいえよう。だから、沖縄の意向を無視した72年の日本国への施政権返還を平良さんは再併合と読み替え、それから現在に至るまで沖縄民衆の意思を踏みにじる辺野古新基地建設に表れた日本政府の差別政治の現実を第4次処分ととらえるのである。

●安保と憲法の二重基準

 なぜ、日本の0.6%の面積でしかない沖縄に米軍専用施設が74%も集中するのか。米側にとっても1万2000人以上の死者を出した沖縄戦。その犠牲の「戦利品」として何をやっても構わないと米軍は考えている。平良さんがそう振り返るのは、返還交渉時に米国防総省の上級担当官だったハルペリン氏の述懐にもよる。同氏は60年代にある海軍将校からこう言われた。「沖縄に基地は存在しない。沖縄それ自体が基地だ」。そんな感覚だからこそ、「銃剣とブルドーザー」と呼ばれた土地の接収も基地拡大も抵抗がないのだろう。

 戦後の冷戦期、ソ連との衝突に備え、日本にあった米軍基地は沖縄にシフトしていく。太平洋の軍事的要石として沖縄に集約することで日本本土の「平和」憲法が成り立っている矛盾を平良さんは苦悶の表情で指摘した。民主党政権末期の2012年末、当時の森本敏防衛相が最後の記者会見で米海兵隊の配備についてこう述べた。「軍事的には沖縄でなくてもよいが、政治的に考えると沖縄が最適の地域である」。陸上、航空、支援の3部隊が一つの地域で機能する場所は沖縄しかない、という本音の政治力学。日米安保は必要だとしながら自分の裏庭にはごめんこうむるという二重基準を恥じない本土に対し平良さんは刃を向ける。「日本人は、こういう考え方のレールに乗って降りようとしない」。いま安倍晋三首相が強引に進めている安保関連法案にどう向き合うかも問われている気がした。

●「万国津梁」こそ求めて

 沖縄が求めているのは軍事的要石を拒否しての「万国津梁(しんりょう)」。よろずの国々の交流を橋渡しし、共存共栄してきた誇りがある。平良さんは繰り返すように願う。「圧倒的多数の日本人が、沖縄を国内植民地として国益に利用する発想を捨て去ってほしい。あなたたちが変わってくださいよ」と。そして、辺野古をはじめとする闘いの拠点も一つの発火点にすぎないとし、底辺の日米安保体制の火山層を見るよう求めた。発火点のみの消火にエネルギーを費やして自己満足に陥ってはダメだ。政府の方向を変える国民運動を期待する平良さんだった。

 沖縄の独立を求める声は、本土が変わらなければ昔以上に燃え盛ることになる。しかし、そこまで沖縄を追い詰めるのは星野さんの本意ではないと平良さんは感じている。「ともに涙する連帯を星野さんは広げたい。沖縄に対する迫害者であり続ける恥を知り、沖縄の側に立つ星野さんを日本政府は許さない。政府にとっては逆の人間が増えるほうがいい。ノーと言う人間はいじめられる」。そして、こう結んだ。「沖縄を正しく大事にすることは日本を大事にすること。沖縄を粗末にすることは日本を粗末にすること」

 人間の尊厳をかけた北海道出身の星野さんの姿が、沖縄の平良さんの声を通して見える気がした。

 

 

 

 

 

 


日中両国民間の「和解」を阻む靖国神社ー張剣波さんの指摘 澤藤統一郎の憲法日記 2017.7.17

2017-07-19 00:55:04 | ヤスクニ 靖国神社 慰霊 

http://article9.jp/wordpress/?p=8873より転載

澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

日中両国民間の「和解」を阻む靖国神社ー張剣波さんの指摘


 重慶大爆撃訴訟
(現在、東京高裁係属中)を支える「弁護団」と「連帯する会」が発行している『重慶大爆撃 会報』が40号となった。訴訟の進行は困難な局面に差し掛かっているが、この訴訟は大きな問題提起をなし得ている。

戦後日本は、旧日本軍(皇軍)による中国への侵略と加害の歴史に正面から向き合ってこなかった。戦後72年を経てなお加害についての真摯な謝罪と反省はなく、両者の和解は成立していない。この訴訟と、日中両国にまたがるこの訴訟を支える運動とは、究極の和解を目指すものと言えよう。

この会報40号に、「靖国神社と靖国神社参拝の本質について」と題する張剣波さん(早稲田大学講師・政治学博士)の講演録が掲載されている。被害者の側から日中両国民の和解の必要が語られていて、紹介に値するものと思う。

氏は、日中両国民間の和解の必要について、大意こう語っている。(なお、以下の紹介文は、文意を変えない程度に、澤藤が要約したもの)
和解は不可欠なのです。
 和解がないと、心のわだかまりは残ります。そもそもそれは、正義に反します。政治的政策的な動機で田中角栄が中国を訪問して、日中国交正常化以降、一時期日中友好の時代もありました。でも結局、それが非常に脆いものだったのです。歴史問題が障害になって日中友好の時代はあっという間に過ぎ去ってしまいました。

和解というプロセスがないと、戦争につながるという懸念が残ります。日本が再び戦争への道を走る。その危険性は、今も全くないとは言えない。多くの人が心配するところです。しかし、私は元侵略者が再び侵略戦争をやるという可能性以上に、侵略された側が強く大きくなって復讐のために何かをやる、その方を私は心配するのです。そんなことのないように、やはり和解という問題は重要なのです。」

その上で、氏は和解の障害としての靖國神社の存在について語っている。靖国を語ることは、日本軍の戦没兵士の功罪を語ることであり、中国での戦争の性格を語ることでもある。当然のことではあるが、被害側の氏の言葉は、私たちにとって重く、しかも鋭い。

「歴史問題を語る時に、日本軍の戦没者の性格は、中国からみると極めて簡単な問題ですけれども、日本の中では、これは非常に難しく微妙な問題になっているのです。私が日本に来たばかりのときに、大学でお世話になった日本人の先生が仰ったことを今でも鮮明に覚えています。『あなたの家族や親戚の人が戦死していたとしたら、それでもあなたは家族の死をもたらしたその戦争を間違った戦争だった、と言えるだろうか』というのです。なるほど、日本の普通の庶民は、やはりそういう風に思うのだ、こんな偉い先生でもそう思うのだ、ずっと頭の中に、その話が残っている。これは、戦死者、戦没者の性格について私が考える一つのきっかけにもなりました。

中国の一般民衆からすれば、日本による戦争の侵略性と犯罪性は明らかで、侵略と犯罪に加担した日本軍の兵士の罪は戦死しても消えない。ところが、侵略戦争と犯罪に加担した日本軍の軍人がその罪を背負ったまま靖国神社に祀られている。神として、英霊として。

重慶空爆を行って中国軍に撃ち落とされた兵も、731部隊で人道に悖る行為をした将兵も、靖国神社に祀られています。彼らは、紛れもなく侵略者であり犯罪者です。これを祀る靖国神社というのは、侵略戦争を支える軍事的な施設であり、侵略の道具でした。

侵略された側から見た場合、日本軍の戦没兵士は侵略者であり犯罪者であって、彼らを多角的に理解しなければならない理由はありません。靖国神社は、このような侵略者、犯罪者を、英霊として、神として祀っている。これは、全く正当性を持だない。反正義であり、反人類である。そのような施設を参拝することは、なおさら正義に反する。参拝してはならない。

このような前提にたって、靖国神社あるいは靖国神社参拝を考えれば、靖国神社の存在がある限り和解は困難です。侵略戦争に加担して死亡した者を美化する施設はあってはならない。まして、そのような施設を参拝するということは、絶対にあってはならない。和解の妨げになります。

保守系の議論の中で靖国神社参拝問題が政治問題になるのはA級戦犯分祀ということが争点になります。A級戦犯を靖国から分祀すればこの問題は終わるから、外国の首脳にも靖国神社を参拝させる、日本の政治家も堂々と参拝しても良いと。そのような主張が結構あるのです。しかしそうあってはならないのです。決してA級戦犯だけの問題ではない。A級戦犯をそこから出したからもう参拝しても良い、ということにはならないのです。」

靖国神社問題の最もやっかいなところは、戦没者遺族の心情を神社側が絡めとっているところにある。靖国の英霊とは、客観的には侵略戦争の尖兵である。被害国から見ての侵略者であり犯罪者である。しかし、「自分の親が戦死していたとしたら、その親を侵略者であり犯罪者と呼べるだろうか」「自分の子の死をもたらしたその戦争を間違った侵略戦争だったと言えるだろうか」という問は、受けとめるのにあまりに重たい。

靖国神社は、家族の死をこの上なく美化し意味あらしめてくれる。戦没者遺族にとって、これ以上ない慰藉の場なのだ。しかし、同時にその慰謝は天皇が唱導した侵略戦争への無批判な賛美につながる。

そうあってはならない。本来遺族は、大切な家族を兵士とし無惨な死へと追いやった、国の責任をこそ追及すべきなのだ。まさしくこれこそが歴史認識の根幹に関わる問題。あまりに重いが、いかに重くとも歴史の真実は真実として受けとめなければならない。被害を受けた側の怒りや嘆きは、比較にならぬほどに大きく深刻なのだから。
(2017年7月17日)