コアジサシ 学名・Sterma albifrons 英名・Little Tern
衝撃の画像です.
砂浜で抱卵していたコアジサシが立ち上がり,トコトコと歩き出しました.そして,この後に衝撃の行動が観察されたのです.
コアジサシが立ち止まったのは,なんとシロチドリの巣の上です.嘴でシロチドリの卵に触れています.卵を壊してしまうのでしょうか? いいえ,嘴で卵をお腹のほうに引き寄せています.そして,座り込んでしまいました.コアジサシがシロチドリの卵を抱いたのです.驚きの出来事でした.さすがにシロチドリは黙っておらず,コアジサシは巣から追い出されてしまいました.この間,1秒に満たない連写でした.
この行動は,どういうことなのでしょう? 自分の巣とシロチドリの巣とを間違えたのでしょうか? そんなはずはありません.コアジサシは,観察中に何度か巣を離れ,そのたびに正確に自分の巣に戻っていました.自分の1卵の巣よりも3卵のシロチドリの巣に誘惑されたのでしょうか? 大変興味深い行動ですが,僕の浅薄な知識では説明できないのが残念です.
色々と調べてみたところ,早川雅晴さんが「コアジサシの卵への穴あけ行動」(STRIX Vol.17 159-163:1999)で,コアジサシが隣接するコアジサシの巣の卵に嘴で穴を開けた例,同所的に繁殖するシロチドリの卵にあけられた穴がコアジサシによるものである可能性を報告されています.しかし,コアジサシがコアジサシの他巣の卵を抱いたり,シロチドリなど他種の卵を抱いたという報告は見つけられませんでした.
コアジサシもシロチドリも,巣の中の卵は,尖端を中央にして放射状に綺麗に並べられます.抱卵する面積を小さくする工夫です.しかし,コアジサシが抱いた後のシロチドリの卵の並べ方は乱れていました.勿論,卵に穴があけられた形跡はありませんでした.
シロチドリの卵を抱くコアジサシ
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
シロチドリの卵を抱くコアジサシ
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
シロチドリの卵を抱くコアジサシ
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
シロチドリの卵を抱くコアジサシ
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
シロチドリの卵を抱くコアジサシ
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
シロチドリの卵を抱くコアジサシ
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
シロチドリの卵を抱くコアジサシ.シロチドリに追い出される.
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
コアジサシが抱卵した後のシロチドリの卵
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
衝撃の画像です.
砂浜で抱卵していたコアジサシが立ち上がり,トコトコと歩き出しました.そして,この後に衝撃の行動が観察されたのです.
コアジサシが立ち止まったのは,なんとシロチドリの巣の上です.嘴でシロチドリの卵に触れています.卵を壊してしまうのでしょうか? いいえ,嘴で卵をお腹のほうに引き寄せています.そして,座り込んでしまいました.コアジサシがシロチドリの卵を抱いたのです.驚きの出来事でした.さすがにシロチドリは黙っておらず,コアジサシは巣から追い出されてしまいました.この間,1秒に満たない連写でした.
この行動は,どういうことなのでしょう? 自分の巣とシロチドリの巣とを間違えたのでしょうか? そんなはずはありません.コアジサシは,観察中に何度か巣を離れ,そのたびに正確に自分の巣に戻っていました.自分の1卵の巣よりも3卵のシロチドリの巣に誘惑されたのでしょうか? 大変興味深い行動ですが,僕の浅薄な知識では説明できないのが残念です.
色々と調べてみたところ,早川雅晴さんが「コアジサシの卵への穴あけ行動」(STRIX Vol.17 159-163:1999)で,コアジサシが隣接するコアジサシの巣の卵に嘴で穴を開けた例,同所的に繁殖するシロチドリの卵にあけられた穴がコアジサシによるものである可能性を報告されています.しかし,コアジサシがコアジサシの他巣の卵を抱いたり,シロチドリなど他種の卵を抱いたという報告は見つけられませんでした.
コアジサシもシロチドリも,巣の中の卵は,尖端を中央にして放射状に綺麗に並べられます.抱卵する面積を小さくする工夫です.しかし,コアジサシが抱いた後のシロチドリの卵の並べ方は乱れていました.勿論,卵に穴があけられた形跡はありませんでした.
シロチドリの卵を抱くコアジサシ
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
シロチドリの卵を抱くコアジサシ
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
シロチドリの卵を抱くコアジサシ
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
シロチドリの卵を抱くコアジサシ
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
シロチドリの卵を抱くコアジサシ
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
シロチドリの卵を抱くコアジサシ
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
シロチドリの卵を抱くコアジサシ.シロチドリに追い出される.
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
コアジサシが抱卵した後のシロチドリの卵
撮影日時 2016.05.23 撮影場所 新潟県新潟市
まだよく理解できていませんが,今のところ「抱卵行動」と「穴あけ行動」は,まったく違う行動だと思っています.
卵を腹側に引き寄せる行動と,卵に嘴を突き刺す行動は異なったメカニズムによるものでしょう.
もし,卵を温めようとして引き寄せる行動が「穴あけ行動」につながるとしたら,自分の卵を傷つける可能性が高まり,危険すぎると思います.
コアジサシは,嘴の裏側(下嘴側)を使い,卵を傷つけないように引き寄せていることが見て取れます.
もしかすると,シロチドリの卵に穴を開けようとしたが,卵を見ているうちに抱卵しようという衝動が起きた,ということは考えられます.
コアジサシとシロチドリの卵は同じくらいの大きさなのでしょうか?
カッコウなどの托卵と違い自分から引き寄せて抱卵するというのは本能なのでしょうかね、、、
最初親鳥がいないので心配して抱卵することになったかもしれませんね(^.^)
まぁそんなこと無いとおもいますが。
又詳しくわかりましたらおおしえください。
宜しくお願い致します。
卵の大きさですが,コアジサシは32.5×24.5mmぐらい,シロチドリも32.5×24mmぐらいで,ほとんど同じ大きさです.
両種の卵は,いずれも洋梨のような形をしており,色も似通っています.
しかし,コアジサシは,自分の卵とコチドリの卵を取り違えたのではないようです.
コチドリの卵を自分の卵だと勘違いしていたら,簡単に巣から離れずに反撃すると思われるからです.
考えれば考えるほど訳が分からなくなってしまいます.