新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

コゲラ 凍る

2015-01-31 20:14:06 | キツツキ科
 コゲラ 学名・Dendrocopos kizuki 英名・Japanese Pygmy Woodpecker

 公園に「コツコツ」と木をたたく音が聞こえます.シジュウカラの騒がしい声に混じり,「ギー,ギー」とコゲラの鳴き声が聞こえます.目の前の枯れ枝を,コゲラが一生懸命にたたいていました.突然,シジュウカラの群れが散らばり,コゲラは,その場で凍ってしまいました.ピクリとも動きません.近くの木の枝にモズがとまっています.モズの襲撃を受け,コゲラは,恐怖で固まってしまったのでしょう.モズは,尾をくるくる回しながらあたりをうかがっています.しばらくすると,モズは飛び去りました.コゲラも「ギー」と鳴いて飛び去ってゆきました.

 コゲラ.頑丈な嘴で枯れ木を突っつき,中にいる虫を探します.
撮影日時 2015.01.30 撮影場所 新潟県新潟市


 コゲラ.硬い尾羽を上手に使って,体を支えています.
撮影日時 2015.01.30 撮影場所 新潟県新潟市


 コゲラ.モズの襲撃を受け,固まってしまいました.雪が降っています.コゲラの頭にも雪が一片載っています.しかし,寒さで凍ってしまったのではありません.恐怖で凍ってしまったのです.
撮影日時 2015.01.30 撮影場所 新潟県新潟市


 コゲラ.横に回り込んでも,ピクリともしませんでした.
撮影日時 2015.01.30 撮影場所 新潟県新潟市

キジバト 寝起きに伸び~

2015-01-31 08:34:58 | ハト科
 キジバト 学名・Streptopelia orientalis 英名・Oriental turtle Dove


 キジバトは,いつでも,どこでも見られるごくごく普通の野鳥です.今年(2015)1月17日の朝,自宅のテレビアンテナにキジバトがとまり,「デデポーポー」と鳴いていました.春,芽吹きの時期に聞くキジバトの鳴き声は,のどかに,そしてけだるく感じていました.その声も,寒い朝に聞くと不思議に力強い縄張り宣言に聞こえたものでした.
 自宅のハナミズキの枝にキジバトが眠っていました.見ていると,目を開けました.「鳩が豆鉄砲を食らったような」と言う形容がぴったりの真ん丸い目をしています.あたりを見回した後,尾羽を広げ,「ウーン」という感じで大きく伸びをしました.その後,しばらくの間,羽繕いを行い飛び立ってゆきました.

 キジバト.まぶたを閉じて眠っています.多くの鳥は,まぶたを閉じる時は下のまぶたを上げるのだそうです.キジバトはどうでしょうか.
撮影日時 2015.01.29 撮影場所 新潟県新潟市 


 キジバト.目を開けました.
撮影日時 2015.01.29 撮影場所 新潟県新潟市


 キジバト.尾羽を広げています.
撮影日時 2015.01.29 撮影場所 新潟県新潟市


 キジバト.伸びをします.
撮影日時 2015.01.29 撮影場所 新潟県新潟市


 キジバト.伸び~.
撮影日時 2015.01.29 撮影場所 新潟県新潟市

チュウヒ

2015-01-30 16:31:42 | タカ科
 チュウヒ 学名・Circus spilonotus 英名・Eastern Marsh Harrier
 
 新潟市西区赤塚の佐潟水鳥・湿地センターは,暖房の効いた観察施設内から野鳥を観察することができます.中に入ると直ぐにカモたちが騒ぎ出しました.目の前をチュウヒが飛んでいます.それなのに,カメラはリュックの中に入ったままです.あわててカメラを取り出し,レンズを向けましたが時すでに遅しでした.チュウヒは,後姿を見せて遠ざかっていきました.
 がっかりしていると,センターの方が「来た」と言って窓の外を指差しています.チュウヒが戻って来ます.グングンと近づいて来て,目の前で翻りました.

 チュウヒ 若鳥? 翼を浅いV字形に持ち上げた,独特の飛翔スタイルです. 
撮影日時 2015.01.20 撮影場所 新潟県新潟市・佐潟


 チュウヒ 若鳥? 虹彩に黄色味が見られますが,初列,次列風切羽に横班が見られません.
撮影日時 2015.01.20 撮影場所 新潟県新潟市・佐潟


 チュウヒ 若鳥? 背面の羽毛に淡色の羽縁が見られます.
撮影日時 2015.01.20 撮影場所 新潟県新潟市・佐潟

ウソ 

2015-01-30 04:54:29 | アトリ科
 ウソ 学名・Pyrrhula pyrrhula 英名・Eurasian Bullfinch

 ウソは,「フィッ,フィッ」と鳴きながらサクラ類などの花芽をついばみます.サクラ類の花芽は,硬い鱗片で守られていますが,ウソは,その鱗片を取り除き,花になる部分だけを食べています.ウソが食事中の木の下に行くと,鱗片がぱらぱらと落ちてきます.積雪の上に鱗片が残されていたら,ウソがやってきて食事をしたことがわかるのです.

 ウソ 雄.モミジ類と見られる木の芽をついばんでいました.
撮影日時 2015.01.20 撮影場所 新潟県新潟市・佐潟


 ウソ 雄.頬が赤いのが雄です.
撮影日時 2015.01.20 撮影場所 新潟県新潟市・佐潟


 ウソ 雌.雌は,頬から腹にかけて灰色がかった褐色をしています.
撮影日時 2015.01.20 撮影場所 新潟県新潟市・佐潟

ミヤマガラス

2015-01-29 16:58:11 | カラス科
 ミヤマガラス 学名・Corvus frugilegus 英名・Rook

 ミヤマガラスは,ハシボソガラスよりも小さく,嘴は細く先端が尖っています.成鳥は,嘴基部の皮膚が裸出して白っぽく見えるのが大きな特徴です.水田や畑などで,集団で移動を繰り返しながら採餌します.

 ミヤマガラス 成鳥.額が盛り上がっているので,顔つきがゴリラに似て見えませんか.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市


 ミヤマガラス 成鳥.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市


 ミヤマガラス 成鳥.「ガララ」と鳴きます.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市 


 ミヤマガラス 成鳥.鳴き終わりの瞬間で,力を振り絞っています.目が白く見えるのは,瞬膜を閉じているからです.ハシボソガラス,ハシブトガラス,キジで,鳴き終わりの瞬間に瞬膜を閉じているのを見たことがあります.よほど力が入っているのでしょうね.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市


 ミヤマガラス 成鳥.飛翔.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市



コクマルガラス 幼鳥

2015-01-29 11:11:16 | カラス科
 コクマルガラス 学名・Corvus dauuricus 英名・Daurian Jackdaw

 ミヤマガラスのねぐら入りの時刻にはまだ早い午後1時頃,ねぐら近くのニセアカシヤの林から,ミヤマガラスの鳴き声に混じり,コクマルガラスの鳴き声も聞こえてきました.コクマルガラスは,3羽いましたが,すべてが従来,暗色型といわれていたものです.淡色型といわれていた成鳥の姿は発見できませんでした.

 コクマルガラス 幼鳥.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市


 コクマルガラス 幼鳥.下の2羽はミヤマガラスです.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市


 コクマルガラス 幼鳥.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市


 コクマルガラス 幼鳥.曇り空バックでシルエットですが,飛翔姿をおまけです.
撮影日時 2015.01.13 撮影場所 新潟県新潟市



コクマルガラス 成鳥の飛翔

2015-01-29 09:08:45 | カラス科
 コクマルガラス 学名・Corvus dauuricus 英名・Daurian Jackdaw

 コクマルガラスは,冬鳥です.ミヤマガラスの数百羽の群れの中に数羽が混じり,一緒に行動しています.コクマルガラスの「キョン,キョン」や「キュ,キュ」と鳴く声を頼りに探します.新潟市には,ミヤマガラスの集団ねぐらがいくつかあるようです.この日は,集団ねぐらに近い畑でミヤマガラスの群れが採餌していました.ミヤマガラスの騒がしい鳴き声の中にコクマルガラスの声が混じっていました.突然,群れが飛び上がり,電線にとまりました.ミヤマガラスから少し離れた電線にコクマルガラスの成鳥を発見しました.

 コクマルガラス 成鳥.電線にとまっているのを発見.
撮影日時 2015.01.13 撮影場所 新潟県新潟市


 コクマルガラス 成鳥.飛び立ちました.
撮影日時 2015.01.13 撮影場所 新潟県新潟市


 コクマルガラス 成鳥.腹を見せて飛んでいます.
撮影日時 2015.01.13 撮影場所 新潟県新潟市


 コクマルガラス 成鳥.背面飛翔.
撮影日時 2015.01.13 撮影場所 新潟県新潟市


 コクマルガラス 成鳥.旋回.
撮影日時 2015.01.13 撮影場所 新潟県新潟市


 コクマルガラス 成鳥.旋回後,ミヤマガラスとともに電線にとまりました.
撮影日時 2015.01.13 撮影場所 新潟県新潟市


怪我をしたホオジロガモの幼鳥

2015-01-28 10:44:32 | カモ科
 ホオジロガモ 学名・Bucephala clangula 英名・Common Goldeneye
 
 小さな漁港にホオジロガモの雄・幼鳥がいました.はじめて観察したのは,1月18日でした.その時も何か違和感を持ったのですが,近くに寄ってこなかったので,それが何なのかわからず仕舞いでした.
 1月24日,再度,小さな漁港に行くと,遠くのほうでホオジロガモが潜水を繰り返していました.天気が良かったので,しばらく待ってみると,潜水を繰り返しながら近寄ってきました.そして,違和感を感じた原因がはっきりとわかりました.頭部の嘴の付け根付近に怪我をしていたのです.それも,頭骨が見えるほどの重症でした.
 ホオジロガモの雄・幼鳥は,怪我にもめげない様子で潜水を繰り返していました.この冬の間に怪我が完治し,無事に故郷に帰ることができるよう祈らずにはいられません.それにしても,自然の中で生き抜くことの大変さは,想像を絶するものなのですね.

 ホオジロガモ 雄 幼鳥.嘴の付け根付近が何か変です.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市


 ホオジロガモ 雄 幼鳥.こちらの方から見ると,怪我の様子がわかります.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市


 ホオジロガモ 雄 幼鳥.怪我にも負けず,潜水を繰り返していました.潜水前,瞬膜を半分閉じています.ここから下は,連続写真です.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市


 ホオジロガモ 雄 幼鳥.頭から潜水します.飛び込みのように水しぶきは上がりません.なんとスムーズに潜水するのでしょう.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市


 ホオジロガモ 雄 幼鳥.このまま海中に潜っていきます。
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市

ハジロカイツブリ 

2015-01-28 08:46:35 | カイツブリ科
 ハジロカイツブリ 学名・Podiceps nigricollis 英名・Black-necked Grebe
 
 ハジロカイツブリは,冬鳥で,海上や港湾,河口や河川,湖沼などで観察することができます.潜水が得意で,潜った地点から数十メートルも離れたところに浮くことがあります.潜った瞬間に浮かぶ場所を予測して移動,勘が的中すると目の前に浮かび上がってきて,肉眼でも印象的な赤い目を見ることができます.

 ハジロカイツブリ 冬羽.上に反ったように見える嘴が特徴です.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市


 ハジロカイツブリ 冬羽.上と同一個体.
撮影日時 2015.01.24 撮影場所 新潟県新潟市


 ハジロカイツブリ 冬羽.
撮影日時 2013.01.23 撮影場所 新潟県新潟市


 ハジロカイツブリ 冬羽.上と同一個体.正面から見た顔は,なぜか面白く見えます.
撮影日時 2013.01.23 撮影場所 新潟県新潟市

日本海の鴎 シロカモメ 第4回冬羽

2015-01-27 22:10:53 | カモメ科
 シロカモメ 学名・Larus hyperboreus 英名・Glaucous Gull

 シロカモメは,大形のカモメ類の中で背の色が一番淡色です.大きさは,セグロカモメよりも大きいのが多いのですが,小さいのも稀ではないようです.普通に渡来するシロカモメは,シベリアで繁殖する亜種の L.h.pallidssimus です.稀に観察される小形のシロカモメは,アラスカ北東部で繁殖する亜種 L.h.barrovianus(アラスカシロカモメ)ではないかといわれています.
 シロカモメとアラスカシロカモメの識別点は,アラスカシロカモメがやや小さく,翼が長めで,背の色が少し濃いところだそうです.
 今回紹介するシロカモメは,漁港で,オオセグロカモメ,セグロカモメ,カモメ,ウミネコとともに海面に浮かんでいたものです.一見してシロカモメと感じたのですが,観察を続けるとオオセグロカモメよりも小さいのがわかりました.それに,翼の尾からの突出が大きく,嘴が細く,小さめに見えました.一瞬,アイスランドカモメの名が頭の中をよぎりましたが,小形のシロカモメが妥当なようです.
 このシロカモメについては,翌日に再観察し,多くの写真を撮りましたので,整理後に再度投稿します.

シロカモメ 第4回冬羽.ほとんど成鳥に似ていますが、嘴の先端に黒点が見られます.
撮影日時 2015.01.25 撮影場所 新潟県長岡市


 シロカモメ 第4回冬羽.上と同一個体.
撮影日時 2015.01.25 撮影場所 新潟県長岡市