うとうとしながら、夢を見た。
空に岩の塊が二つ浮かんでいる。
岩には鉄製の白い椅子が固定されている。
足場の面積は横になって、落ちない程度のもので、
地上まで、20メートル位だろう。
僕は岩の塊の1つの椅子の上に座っていた。
高所恐怖症でずっと震えていた。
夏になり暑くなると、下へ行きたくなった。
でも恐くて飛べない。
もう1つの岩の塊の男がついに、我慢できずに飛んだ。
下に消えて行き、多分命を落とした。
腹が減ってきて、いよいよ飛ぼうと決意した。
うまく飛べば死なずに済む。そう思いながら、椅子から手を離せない。
すると、台風の季節がやってきた。
椅子にしがみついて、何度も飛ばされそうになった。この風に乗れば、向こうに見える海まで飛んで助かるかもしれない。
それも賭けで、保証はない。
台風が止むと、椅子の上に座って考えた。
この椅子があるから、諦めきれないのだと悟った。
椅子を壊して、それから、死を覚悟して、飛ぼう。
もしかしたら、死なずに済むかもしれない。
いつまでもこの岩の上にいたところで、何も変わらない。
そう決意するやいなや、椅子を岩から引き抜いて、下へ投げた。
すると引き抜いた椅子の下から光が射した。
そこを掘ると、下まで梯子が続いていた。
夢の中で涙がこぼれ、目が覚めた。
枕が涙で濡れていた。
空に岩の塊が二つ浮かんでいる。
岩には鉄製の白い椅子が固定されている。
足場の面積は横になって、落ちない程度のもので、
地上まで、20メートル位だろう。
僕は岩の塊の1つの椅子の上に座っていた。
高所恐怖症でずっと震えていた。
夏になり暑くなると、下へ行きたくなった。
でも恐くて飛べない。
もう1つの岩の塊の男がついに、我慢できずに飛んだ。
下に消えて行き、多分命を落とした。
腹が減ってきて、いよいよ飛ぼうと決意した。
うまく飛べば死なずに済む。そう思いながら、椅子から手を離せない。
すると、台風の季節がやってきた。
椅子にしがみついて、何度も飛ばされそうになった。この風に乗れば、向こうに見える海まで飛んで助かるかもしれない。
それも賭けで、保証はない。
台風が止むと、椅子の上に座って考えた。
この椅子があるから、諦めきれないのだと悟った。
椅子を壊して、それから、死を覚悟して、飛ぼう。
もしかしたら、死なずに済むかもしれない。
いつまでもこの岩の上にいたところで、何も変わらない。
そう決意するやいなや、椅子を岩から引き抜いて、下へ投げた。
すると引き抜いた椅子の下から光が射した。
そこを掘ると、下まで梯子が続いていた。
夢の中で涙がこぼれ、目が覚めた。
枕が涙で濡れていた。