洞窟は真っ暗で、二人は懐中電灯を持って前に進もうとするがなかなか進まない。何度も足をとられ転倒した。
7日の旅で体は限界がきていた。
ジョンがポールに少し休まないかと提案した。座るやいなや、二人は眠りに落ちた。
悪魔を退けたことにほっとしたせいか、十時間眠り続けた。
二人はその間同じ夢を見た。
ジョンもポールも塾で働いている。
何故か二人は日本人で、英語と国語の講師をしている。天草、萩、長崎、下関…いろいろな地に旅をする。
旅をしながら、いつも何かを探しているが、それが何であるのかわからない。
熊本という地で、同じ会社の別々の校舎で働いていて、どうやら二人ともそこの責任者のようだ。
夜、仕事が終わると毎日のよいに、どこかのレストランで二人は何か大切な話をする。
Somethingについての重要な何かを語っているようだ。
ある夜、二人は答えを見つけ出す。
Somethingとは…!二人が同時に叫んだ。
二人がそれを口に出そうとした瞬間、目が覚めた。
ジョンとポールは不思議な夢に戸惑いながら、夢に出てきた彼らが自分たちの前世、もしくはもう1つの世界の自分達であるに違いないという結論に達し、先へ急ぐことにした。
いつの時代、または別の世界にせよ、彼らが何かを探すために生きていることが嬉しかった。
それから、転倒すること47回、体中に傷をおいながら3日ほど歩いただろうか?永遠にこの闇が続くのか、もうここから出れないのではないだろうかと考えていた時…
うっすらと光が見えたのだ。やっと探し続けていたものに出合える。
自然と二人の足どりは軽くなった。
喜びが込み上げてきたのもつかの間だった。
卵が腐ったような異臭と女のうめき声が聞こえてきた。
二人の足が止まった。
これからどんな苦しみを二人が経験することになるか知るよしもなかった。
続く…
図解 悪魔学 (F-Files No.027) | |
クリエーター情報なし | |
新紀元社 |