パク・ヒョシン‘母さん’と呼んで泣きそうに・・・チョン・ヨンジュ‘私は女優ではなく俳優’と気炎
韓国ミュージカルアワードの感動
「一人で私を育ててくれた母さん、尊敬します」
ミュージカル俳優として活躍している歌手パク・ヒョシンが第3回韓国ミュージカルアワード授賞式で涙を流した。彼は韓国ミュージカル協会が14日午後7時から
ソウル・漢南洞ブルースクエアで行った授賞式で ミュージカル『笑う男』で主演男優賞を受賞した。
▶パク・ヒョシン「私の歌が力になるなら」
作品活動以外で公式の場に現れないことで有名なパク・ヒョシンはこの日 異例のレッドカーペット行事と授賞式に参加した。
彼は受賞の所感で「ものすごい候補と名前が一緒に挙がることだけでも祝福すべきなのに 賞まで下さって感謝する。まだ私が資格があるのかとたくさん考えるところだが
とても大きな賞をいただいて震えている。2000年にミュージカルを始めたがたくさんの作品をすることはできなかった。この場が重く感じられて たくさん考えさせられる、
顧みる場のようだ」と感激していた。
優れた歌唱力を持つパク・ヒョシンは これまでマニアックなファン層を集めて強大なチケットパワーを誇ってきた。だがミュージカル俳優として それだけの演技力を見せているのかという
一部の懐疑的な目も存在した。今回の受賞は 彼が名実共に韓国ミュージカル代表俳優の一人になったと証明するきっかけになるものと見られる。
彼が出演した『笑う男』は フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの小説を原作とする作品で、EMKミュージカルカンパニー(代表オム・ホニョン)が国内初演を試みた。
身分差別のひどかった17世紀イギリスを背景に むごい怪物の顔をしているが純粋な人物であるグウィンプレンの旅程を収めた。
パク・ヒョシンは「初演なので難しさがあった。責任感もたくさんあったが 本当に多くのかたが私と手を取り合って耐え抜くことができるようにして下さった」と
一緒に作業した仲間に感謝を表した。彼は終始緊張した姿を見せながらも「33000株のSOULTREE(ファンクラブの名前)! 大将が20年ぶりにミュージカルの賞をもらった。
ところでなぜこんなに鼻水が出るのか」と言って笑いをも起こした。
パク・ヒョシンは「上手にやる人より努力する人になりたかった」とし「これからも皆さんにとって私の歌が力になれるなら幸せに歌を歌う」と誓った。
『笑う男』はこの日 主演男優賞だけでなく大賞を取ったし、舞台芸術賞(オ・ピリョン)も受賞して3冠王の栄誉を享受した。
▶『マチルダ』の新しい試みが認められて
ミュージカル『マチルダ』で偏屈な校長先生を演じた俳優チェ・ジェリムはパク・ヒョシンと共に主演男優賞を共同受賞した。
彼は「この作品を作ってくれたシンシカンパニーのパク・ミョンソン代表と俳優仲間に感謝する」と所感を明かした。
彼が言及したパク・ミョンソン代表は韓国ミュージカルを率いてきたスター制作者で、この日プロデューサー賞を受賞した。
『マチルダ』『ビリー・エリオット』などで子役俳優を大勢発掘した彼は「幼い俳優が目標に到達するため渾身の力を出すのを見てたくさん学んだ」と言った。
彼は「ミュージカルが未来の世代に教育的な役割をするのを今更ながら悟り、子供たちと家族、観客を引き込む役割をするミュージカルを作ってやりがいがあった」とし
「これからも未来世代を養成する仕事を続ける」と約束した。
『マチルダ』はアンサンブル賞も受賞し やはり3冠王に輝いた。この日プレゼンターとして登場したベテラン女優パク・チョンジャが3回も見たと絶賛した『マチルダ』は
児童文学家ロアルド・ダールの小説が原作だ。幼い天才少女マチルダが女の子という理由で自分を抑圧する学校教師らに立ち向かう過程を愉快に描いている。
イギリスの名門劇団ロイヤル・シェークスピア・カンパニーが制作したミュージカルはウエストエンドとブロードウェイで人気を受けた後 世界各地で約700万人が観覧した。
シンシカンパニーが非英語圏で初めて国内の舞台に上げた。上演のたびに感嘆を引き出す子役のアンサンブルは この授賞式に祝賀公演で出てきて楽しいダンスと歌で観客を楽しませた。
▶『ベルナルダ・アルバ』『レッドブック』4冠王
女優チョン・ヨンジュはミュージカル『ベルナルダ・アルバ』で主演女優賞を受賞した。彼女はこの日「女優という言葉は好きではない。ただ俳優と呼んで欲しい」と気炎を吐いた。
彼女が主演を務めた『ベルナルダ・アルバ』はスペインの詩人であり劇作家フェデリコ・ガルシア・ ロルカの戯曲を原作にしている。自由を渇望する積極的な女性たちを描いている
このミュージカルは女優だけが出演する。チョン・ヨンジュは「2年前に女優だけが10人出てくる公演が韓国で可能なのかと自分で疑ってプロダクションに話をした。
可能にしてくれたウラン文化財団に感謝する」とし「小劇場に上げられるまで6ヶ月の練習と3週間の公演を不満なく耐えてくれたファン・ソクチョン、イ・ヨンミ、チョン・インジ、
チョン・ソンミン、キム・ファニ、ペク・ウネ、オ・ソヨン、キム・クッキ、キム・ヒオラたち俳優にも感謝する」と語った。
チョン・ヨンジュは1994年ミュージカル『スターになるのだ』でデビューした後『明成皇后』『グリース』など多様な作品に出演してきた。
彼女は「(デビュー直後 俳優ではなく)スタッフのような容貌だという声を聴いたが 3年を耐えて25年この道を歩いてきた。私をロールモデルとみなす後輩がいるなら最後まで耐えろ。
こういう日がくる」と叫んで大きな拍手を浴びた。
ウラン文化財団の『ベルナルダ・アルバ』は主演女優賞だけでなく小劇場ミュージカル賞、女優新人賞(キム・ファニ)、音楽賞(キム・ソンス)を受けて4冠王に輝いた。
授賞式序盤で新人賞を受賞したキム・ファニは感激で泣きそうになりながらも 自分と一緒に作業した先輩の名前を全員 2回ずつ挙げて観客の笑いを誘った。
ロマンチックコメディ形式で女性の人権というテーマを入れた『レッドブック』も作品賞(スターライト・エンターテインメント、FNCエドカルチャー)、助演女優賞(キム・クッキ)、
演出賞(オ・ギョンテク)など4冠王に輝いた。このおかげでレッドブックの主演女優であるユリアはステージに2度上がり、作品賞受賞の所感で
「スターマーケティング要素がないという話を聞いたが、初めての公演の時 観客が拍手をして下さるのを見た後に俳優たちが舞台の後ろで抱き合って泣いた」というエピソードを伝えた。
▶ハン・ジサン「ミュージカルの多様派を考える」
この日 助演男優賞を受賞したハン・ジサンは『ジェントルマンズ・ガイド』で共演している俳優イ・ギュヒョンに特別な愛情を表現した後「ミュージカルの多様化と韓国化を考える
きっかけになった」と所感を打ち明けた。『バンジージャンプする』『カラマーゾフの兄弟』で新人男優賞を受賞したイ・フィジョンは「言葉は口から始まり耳で死ぬという話を本で読んだ。
私たち皆が傷つくことのない年になれば良い」と特別な所感を伝えた。
最高の脚本に与えられる脚本賞はミュージカル『容疑者Xの献身』のチョン・ヨン作家が受賞し、実現的で完成度の高い新作ミュージカルの制作を支援するために新設された
‘ニューウェーブ’賞は『レディ・トゥ・フライ』(韓国文化芸術委員会、株式会社アーツプラネット)が受賞した。
この日 今年の観客賞は日本人女性チョ・ハルカ氏が受賞した。1年間に韓国ミュージカルを約100編見たという彼女は この日韓国語で所感を書いてきて
震える声で「これからも韓国ミュージカルをたくさん見に来る」と誓った。
▶イ・ジョンドク「私の人生 舞台の前でも成し遂げて」
今年の功労賞は檀国大・文化芸術大学院長イ・ジョンドクに授与された。イ院長は文化官僚と団体長として在職する時‘後ろのピエロ’を自負してミュージカル公演界を
頼もしく後押しした功労を認められた。彼は「数年前 回顧録を書いて私の人生は舞台の後で成し遂げられたと言ったが、皆さんの拍手の音で私の魂が目覚める感じ」とし
「再び回顧録を書いたら 私の人生は舞台の前でも成し遂げられたと言うだろう」と語って観客の歓声を浴びた。
今年で3回目を迎えた韓国ミュージカルアワードは 韓国ミュージカル協会(理事長イ・ユリ)が主管し 文化体育観光部、韓国文化芸術委員会、
(社)韓国ミュージカル協会が共同主催する行事で、わが国のミュージカル公演芸術の発展と活性化を目的とする代表的な授賞式だ。
第1回、第2回に続いて今年も俳優イゴンミョンが単独司会を務めた。イ・ユリ理事長が式典で「韓国ミュージカルの歴史60年を祝い 未来を夢見る行事として
祝賀公演を準備した」と明らかにした通り ベテラン女優パク・チョンジャからマチルダの子役たちまでが一丸となったステージが観客を引きつけた。