日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

大河ドラマ 見てる暇はない?

2013-01-05 21:38:55 | 明治時代
あけおめ。ことよろ。
この省略形の挨拶は、江戸時代からあったのだそうです。という話をしたことがある人もいると思いますが。江戸っ子もせっかちだから、
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」
と長ったらしく言うのが面倒だったのでしょう。

なにはともあれ、センター試験まであと2週間となりました。猛烈に勉強してますか?

2週間「しか」ないと思うか、2週間「も」あると思うか。2週間「も」でいきましょうか。

この2週間の間に、自分で決めている日本史の問題集を、くまなく3周以上、やってみてください。確実にできた問題は印をつけて飛ばす。最後は1日か数時間で1周終わるくらいにダーッと眺めてください。まだ教科書を読む時間はありますよ。

さて、今年の大河ドラマ「八重の桜」も明日から始まります。今年の舞台は幕末から明治にかけて。同志社大学を創設した新島襄の妻の八重が主人公です。福島県会津出身の女性ですが、福島県で生まれた私も新島八重は知りませんでした。私自身は白河市という、福島の一番南の、栃木県との県境に近い所の生まれ(中通り)で、会津とはだいぶ地理的にも離れているし、文化や使う言葉も違います。原発事故のあった「浜通り」もなおさら違います。福島も広いので、ひとくくりにはできないのです。
しかし、とりあえず、戊辰戦争で戦場になった白河も、ドラマに出てくるようですので、私もしっかり見ようかなと思っています。

受験生の皆さんは、大河ドラマは見なくてもよろしい。ただ、他の時間に猛勉強していて、1時間だけ息抜きに大河ドラマだけ見たい、というのでしたら、いいでしょう。

大河ドラマを見なくてもいいのですが、新島襄が同志社大学をつくったということは、日本史Bの教科書にも載っていますし、知っていなければいけない知識ですから知っておいてください。
他にも皆さんがそれぞれ受験しようとする大学の創始者が誰かということは、試験に出る可能性が高いので、調べて覚えておいてください。

大河ドラマをより興味を持って見るために、また、新島襄をよく知るために、新島襄の言葉をいくつか紹介します。

アメリカの友人にあてた手紙で妻の八重についてこう言っています。

「彼女は見た目は決して美しくはありません。ただ、生き方がハンサムなのです。私にはそれで十分です。」

ドラマでは、かわいい綾瀬はるかが演じるようですが、本当の八重は、そんなに美人ではなかったようです。美人ではないけれども、幕末のジャンヌダルクと呼ばれたり、ハンサムウーマンとも呼ばれたりしたそのイメージが夫の言葉にも表れています。

「我が校の門をくぐりたるものは、政治家になるもよし、宗教家になるもよし、実業家になるもよし、教育家になるもよし、文学家になるもよし、かつ少々角あるも可、気骨あるも可。ただかの優柔不断にして安逸をむさぼり、いたしくも姑息の計をなすが如き軟骨漢には決してならぬこと、これ予の切に望み、ひとえに希うところである。」

後半部分、少々生意気でもいいが、ちゃらちゃらして楽をしようとし、ずるいことをするような軟弱野郎には決してなるな、と、言っているのですね。現代風に言い換えてみました。
同志社に入学する学生に望むことがここに表わされています。
そうですね。時代がどういう時代であっても変わることなく、志は高く、正々堂々と、気骨ある人間として成長し、立派に社会を支える一人になってほしいと私も願います。

同志社大学、京都で遠いですけれども、関東で言ったら早稲田大学みたいな大学です。関西の大学に目を向けてみるのもいいですね。関東でいう早慶上智に相当する関西の上位の私大は、関関同立と言います。

・・・さて、また長くなってしまいました。今日はこのへんにしておきましょう。

昨日、明日、あさってと講習をやっています。腕試しをしたい人、今まで来ていなくても、来る者は拒まず。そういう人は、3限よりちょっと早めに顔を出してください。