平凡な暮らしを重ねながら・・・言いたいことも言えないまま過ごす繰り返しを・・・
何度も廻り道しながらの行き違いは・・・いつかたどり着く遠回りの、いちいち面倒くさい言い訳なのかも知れない・・・。
庇の簾がパタパタと、言い訳ほどに鳴きながら・・・夕暮れの薄い風にあおられながら・・・
火照った体を流してくれる・・・。
夕立の藍色に踊るのは・・・いくつも重なる彩の美しさに心誘われて・・・
何度となく忘れながら・・・頭に浮かんだいくつかの影を、追いかけてしまう時がある・・・。
想い出の風景は・・・どこか迷路の中にいて、出口は解らないけれど何時も迷いながら・・・
コツンと嬉しそうに思い出し・・・また夢に見て・・・
忘れる風も無く・・・暖かそうに抱きかかえているのかも・・・。
恥ずかしそうな町と、元気な人に出会うのが久しぶりだと・・・古い町並みを転がるように通り過ぎて見ると・・・
小さく歯がゆい町の声が・・・頭に影を映して・・・
忘れていた場所にたどり着いたように思い出せば・・・
きっとその先に見える迷路の道筋は・・・遠回りでもおもしろく・・・
いつか後を追うようになるのかも知れない。