この家へ来て数日たったころいきなり車というものに乗せられました
私は怖くてニャーゴニャーゴと泣き叫びました
車の中をあちらこちら歩き回るのでお母さんは運転しながらとても不安だったそうです
それで連れて行かれたところは薬くさい動物病院というところでした
お母さんはお医者さんに何か出来物のようなものが出来ているんですけどといいました
お医者さんは笑って『これはダニですよ」とピンセットで取ってくれました
其れからですーお母さんはまだ子どもだから赤ちゃんは大丈夫でしょうかというお話になって『もう6カ月たっているから出来ますよ」といわれ手術をすることになってしまいました
いきなりです もう私はびっくり大ショックでした
そして手術をされ首にはカラーというものを巻かれ家に帰りました
それから10日間不便に耐えました
お母さんが言うには私の子どもでは生まれても貰い手もないだろうから可愛そうだって
失礼よね
でも私がかわいそうだと気が挽けていたみたい
そんなことがあって私が車に乗るのはお医者さんへ行くときばかり
嫌いになるわよねー誰だって
でも私の中のおぼろげな遠い記憶にやはり車に乗せられて
川のようなところへ連れて行かれて置いてきぼりにされたの
多分ねーお母さんはあんなに人なつっこい子なんだから絶対捨て猫だって言っているわ
あのおぼろげな不安が車に乗ると蘇るのかもしれない
お母さんが帰ってくるとずーと遠くからでも分かるから
お帰りーと鳴いて呼ぶのよ
お母さんが庭仕事をしたり写真を撮ったりするときはそばで遊ぶの
では皆さん又ね
私は今から外へ遊びに行くわ