一旦は自身の怒りを自制したリアであったが、拘束されているケントを見ると、怒りが込み上げてくる。
リアの怒りにグロスターは仲裁の役を買って出て、急ぎコーンウォール夫妻の元へ向かうと、間もなく夫妻が家来を引き連れて出てきた。
'wherefore Should he sit here ? This act persuades me That this remotion of the duke and her Is practice only. Give me my servant forth. Go tell the duke and 's wife I'll speak with them, Now, presently: bid them come forth and hear me, Or at their chamber-door I'll beat the drum Till it cry sleep to death.' (なぜ、 このような目に遭わせるのだ? これでおよその察しがつく 公爵と娘が余に会わぬのは、何か企みがあって事に相違ない。 余の家来をさらし台から解け、公爵夫妻のところに行って 余が話がしたいと言っていると伝えよ、今、直ぐにだ。 ここへ来て、余の言うことを聞けと言え、さもなければ 余から彼らの寝室に出向き、眠りが破れるまで 太鼓を叩き鳴らしてくれるぞ)
リアの怒りにグロスターは仲裁の役を買って出て、急ぎコーンウォール夫妻の元へ向かうと、間もなく夫妻が家来を引き連れて出てきた。
リアは、リーガンのことを盲目的に親孝行者であると考えており、姉娘ゴネリルの不親切を訴えて、援助を求めるのだった。
しかし、彼は冷酷な心の持ち主に話しかけていることにも気がつかない、リーガンはゴネリルの完全な同類であることを。
リアは自身の苦しみから逃れるためにリーガンにすがったのだ。リーガンがゴネリルと同類であることを認めたくなかった、というよりも認められなかった。それほどリアは追い詰められていたということだ。
リーガンは、リアが不満を述べると、いちいち姉の味方をして、彼女を擁護する。それでもリアは、この娘にすがろうとする。
リアがゴネリルを呪うと、リーガンがこう嗜める。
それに対し、リアは答える。
'so will you wish on me, When the rash mood is on.' (無分別な気分におなりになると、 わたくしにもその様に呪いを浴びせるのでしょう)
それに対し、リアは答える。
'No, Regan, thou shalt never have my curse: Thy tender-hefted nature shall not give Thee o'er to harshness: her eyes are fierce: but thine Do comfort and not burn. 'Tis not in thee To grudge my pleasures, to cut off my train, To bandy hasty words, to scant my sizes, And in conclusion to oppose the bolt Against my coming in: thou better know'st The offices of nature, bond of childhood, Effects of courtesy, dues of gratitude; Thy half o' the kingdom hast thou not forgot, Wherein I thee endowed. (何を言う、リーガン、おまえが余の呪いを受ける事はない。 優しい気立てのおまえが酷い仕打ちに出る筈がない。 あの女の目は残酷だが、おまえの眼差しは余の心を励まし、 決して怒りに燃え上げさせたりしない。 おまえは、余の楽しみにけちを付け、供の者を減らし、 きつい減らず口を投げ返したり、余の決め扶持を減らし、 挙句の果てに門を閉ざし、館へ入れまいとするようことはしない。 おまえは子たる者の務め、親子の繋がり、礼儀を尽くし、 恩に報いる道について姉よりも十分に心得ている。 嫁入りの支度として与えた国土の半分は、余が与えたということを おまえは忘れておらぬ)