・三幕一場
前場までに、ある意味において、悪人である「私生児(natural son)」と「親不孝な(unnatural)」者たちが「自然の情愛(nature)」の者たちを駆逐した。
父親の軽率につけ込んで大財産にありついたゴネリルとリーガンは、彼の寛大さを悪用し、父の食い食い扶持を減らし、家来を減らし、挙句の果てに嵐の中へ追い出した。エドマンドもグロスター家の後継ぎとなり、兄を追い出してお尋ね者にしてしまった。
ここまでのところは、悪が栄えたのだが、それがいつまで続くのか、それが今後の展開となる。
父親の軽率につけ込んで大財産にありついたゴネリルとリーガンは、彼の寛大さを悪用し、父の食い食い扶持を減らし、家来を減らし、挙句の果てに嵐の中へ追い出した。エドマンドもグロスター家の後継ぎとなり、兄を追い出してお尋ね者にしてしまった。
ここまでのところは、悪が栄えたのだが、それがいつまで続くのか、それが今後の展開となる。
場所は荒野、嵐の中ケントと一紳士はリアを探し回る。その中においてケントは、現在フランス国王妃となったコーディリアが、ブリデン国内の混乱に乗じて、軍を差し向けようとしているという知らせが届く。
ケントは一紳士をドーバーへ送り、コーディリアたちにリアの現状を知らせることにする。
リアが受けた不当な待遇に復讐するための軍勢が終結しつつあるということだ。
・三幕二場
前場とは違う場所の荒野。
リアが嵐と戦っている。彼の激情は、荒れ狂う嵐と同調していて嵐が激しくなると共に高まり、その狂気も高まっていった。
彼の呪いは激しく、その言葉はどぎつくなり、罪を咎める声は恐ろしくなる。
リアは罪を犯す人間というよりは、罪の犠牲になった人間という立場になっている。
リアがその様な惨めな状態になっているところをケントが発見し、お供の道化と一緒にボロ小屋へ非難するのだった。
・三幕三場
グロスターの居城の一室。グロスターとエドマンドが登場する。
グロスターは、リアが冷遇されるのを見て憤慨する。とくにそれが自分の城の前で行なわれたから一層憤りが増した。
グロスターは、先ず息子のエドマンドにその憤りを打ち明ける。エドマンドは、表向き同感の意を示し、「最も酷い蛮行で、親子の情に背くものだ」と述べた。
それを聞いたグロスターは、さらに続ける。
そこでグロスターはリアの支援に出かけ、リアをドーバーへ連れて行く手筈を整える。
'Go to; say you nothing. There's a division between the dukes; and a worse matter than that: I have received a letter this night; 'tis dangerous to be spoken; I have locked the letter in my closet: there injuries the king now bears will br revenged home; there's part of a power ready footed; we must incline to the king.' (まあ、よい、もう何も言うな。両公爵の間には溝がある(仲違いしている)、 いや、事態はそれより険悪だ。実は今夜、然る所から手紙を受け取った。その中身は、 うっかり口に出せる事ではない、わたしはそれを私室のクローゼットに入れ、鍵を掛けておいた。 今、国王が受けておられる苦しみが完膚なきまでに復讐される日が来るだろう。 軍(フランス軍)の一部が既に(ドーバーへ)上陸している。 我々は国王方にお味方せねばならぬのだ)
そこでグロスターはリアの支援に出かけ、リアをドーバーへ連れて行く手筈を整える。
しかし、それはエドマンドに新たなる悪事を行なわせるきっかけを与え、このことを公爵たちへ密告するのだった。