・三幕五場
グロスターの居城、コーンウォール公爵とエドマンドが登場。
グロスターがリアを探し出かけている間に、エドマンドはコーンウォール公爵の所へ赴き、父親のことを悪しざまに話して、公爵を激怒させた。
'I will have my revenge ere I depart his house.' (この城を出る前に、必ず復讐してやる)
エドマンドは、父の謀反を密告しなければならないのを、(表向き)残念に思うと告げながら、(実は)狡猾にも、父の罪をさらに一層深いものに見せかけようとする。
'How malicious is my fortune that I must repent to be just.' (正しい振る舞いをしながら、それを悔やまなければならぬとは、何という意地悪な運命なのか)
密告の報酬は、グロスター伯爵の地位である。エドマンドは、父を棄てて、コーンウォールを味方として得た。
'I will lay trust upon thee: and thou shalt find a dearer father in me.' (わたしはおまえを信用しよう。そしておまえはわたしという実の父以上の情愛を期待するがよい)
この辺りから、劇のテンポが急に速くなる。
・三幕六場
グロスターの居城の近く、農家の一室、グロスターとケントが登場。
この場は狂気となったリアの哀れな姿を見ることになる。
リアは幻覚で法廷を見ていた。法廷には、ゴネリルとリーガンが引き出され、裁判を受けようとしていた。リアは彼女らを告発し正しい裁きを主張する。
グロスターは外出して、リアや彼の周囲の者たちを殺す計画のあることを聞き込んで、一同をドーバーへ向けて脱出することを促すのだった。