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「オセロー」 舞台内容 五幕二場 (1)

2009-10-13 13:53:17 | 「オセロー」

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 一方、城内の寝室。
デズデモーナは、眠っている。オセローは彼女の殺害の決意を固めている。


 しかし、オセローは、デズデモーナに対する愛情は消えていない。もし、この世に二人だけで生きているのだったら、まだ彼は彼女を許したであろう。
 'Yet she must die, else she'll betray more men.'
 (だが、生かしてはおけない、生かしておけば、もっと多くの男を裏切るだろう)


 オセローは、彼女の死は、世の中に対して捧げなければならない犠牲だと思っている。
 これは、オセローの身勝手な言い訳に他ならない。




 デズデモーナが眼を覚ます。
オセローは、デズデモーナが懺悔を済ますまで殺すまいと思う。しかし、当然のごとく彼女には、懺悔することなど何一つないのだ。


 ここで初めてオセローは、デズデモーナがキャシオーと犯した罪のことを咎めると、彼女は完全にそれを否定する。


 しかし、もはや手遅れであり、オセローを激怒させただけである。
 Othello:      By heaven, I saw my handkerchief in's hand.
         O perjured woman ! thou dost stone my heart,
         ……
         I saw the handkerchief.
 Desdemona:                     He found it, then;
         I never gave it him: send for him hither;
         Let him confess a truth.
 Othello:                      He has confessed.
 Desdemona: What, my lord ?
 Othello:   That he has used thee.
 (オセロー:  あの男がハンカチーフを持っているのを、現にこの目で見ている。
     おお、この嘘つきめ! お前のために、私の心臓は石に変わり、
     ……
     私は、あのハンカチーフを見たのだ。
 デズデモーナ:          では、拾ったのです。
     あげたりはいたしません。ここにご本人を呼んで、
     真実の話をしていただきましょう。
 オセロー:            もう白状したよ。
 デズデモーナ:何をですの?
 オセロー:お前と寝たということを)


 デズデモーナは、それを聞くとびっくりする。そんなことが本当だとはありえない。
彼女は「そんなことを言うはずがありません」というが、キャシオーは死んでいる。(死んではいないが、オセローは死んだと思っている)
 Othello: No, his mouth is stopp'd;
         Honest Iago hath ta'en order for it.
         ……
 Desdemona: Alas ! he is betray'd and I undone.
 Othello: Out, strumpet ! weep'st thou for him to him to my face ?
 (オセロー:そうさ、もう口が利けんからな。
     忠義者のイアーゴーが始末をつけてくれた。
     ……
 デズデモーナ:ああ! あの人は謀られたのです。それではこの身も終わり。
 オセロー:くたばれ売女! 私の前であいつのために泣いてみせるのか?!)


 この不幸な言葉をオセローは告白と受け取り、デズデモーナは運命を閉じることになる。
彼女のすべての言葉も無駄だった。


 オセローは、一夜も一時間も猶予しない。祈りを捧げる時間も与えない。
デズデモーナを罪の最中に殺されなくてはならないと思い詰めているのだ。


 そして怒り狂って、彼女を絞め殺す。


 デズデモーナの喘ぎが終わるか終わらないかのうちに、オセローは自身の行為の恐ろしさに心が怯むが、もはや後戻りは出来ないのだ。
 とうとうやってしまった! ついにデズデモーナを殺してしまった!!






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