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「オセロー」 舞台内容 三幕三場 (3)

2009-10-03 15:47:46 | 「オセロー」

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 イアーゴーは、オセローの弱点を的確についている。
オセローは、自分の生い立ちから、世間から捨てられたという孤独感を持っていた。
彼はデズデモーナが、自分に対する同情からオセローと結婚したが、その様な一時的な感情から、直ぐに醒めてしまうであろうという不安に捕らわれていたのだ。


 イアーゴーは、それを見抜き、的確に攻めてきたのだった。
イアーゴーの注ぎ込んだ毒は、確実にオセロー回り始めている。
 'Why did I marry ? This honest creature doubtless
   Sees and knows more, much more, than he unfolds.'
 (なぜ結婚などしたのか? あいつは正直な男だ、
  きっと、もっと、はるかに多くのことを見聞きしているのにちがいない)


 オセローは夢から醒めたような感じをおぼえる。
自分の肌の色の黒さ、話下手、年の差のいずれをとっても、デズデモーナの一時に気まぐれのように思えるのだった。


 改めて自分を見たとき、デズデモーナとの愛情に夢中になってはいけないと思うのだった。
こうしてオセローの心が動揺の頂点に達したとき、デズデモーナが登場する。


 オセローは、様々な思いが渦巻く中で、軽いめまいにも似た頭痛を覚える。
 あまり頭を使う人じゃないんだね。こんなんだからイアーゴーの言いなりになちゃうんだよ。




デズデモーナは、オセローを心配してハンカチーフを取り出し、オセローの額を縛ろうとするのだが、彼の額を縛るには短かった。


 オセローが、そのハンカチーフを払いのけた拍子に、ハンカチーフは、デズデモーナの手から落ちてしまった。


 二人は、そのまま退場してしまい、落ちたハンカチーフには気がつかなかったのである。
そして、床に落ちたハンカチーフを侍女のエミリアが拾うのだった。
 'I am glad I have found this napkin:
   This was her first remembrance from the Moor.'
 (よかった、ハンカチが手に入って。
  これがムーア様から貰った最初の恋の贈り物だってさ)


 実は、イアーゴーが、そのハンカチーフを取ってくるようにと、エミリアをそそのかしていたのだ。
        '(She) so loves the token
   For he conjured her she would ever keep it,
   That she reserves it evermore about her,
   To kiss and talk to. I'll have the work ta'en out.
   And give it Iago.
   What he'll do it, heaven knows, not I:
   I nothing but to please his fantasy.'
 (奥様は、とても大事にして、
  けっして手離すなと旦那様からのお頼みなすったから、
  何時もは肌身離さずに身に着けて、しょっちゅう接吻なさったり、
  話しかけたり、そりゃ大変。この刺繍の模様を写しとって、
  イアーゴーにやろう。これを、あの人はどうするつもりなのかしら?
  あたしの知ったことじゃない。あたしは亭主の機嫌をとるだけさ)


 と、この瞬間にイアーゴーがやって来て、ハンカチーフを手に入れてしまった。
 ああ、ハンカチが、イアーゴーの手に渡ってしまった。
何たることか。これは悲劇へと導く不幸のハンカチになってしまった。






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