クロネコの執事

黒猫一匹と茶虎二匹とのまったりネコライフ

青の軌跡 タイトロープ・ダンサー

2009-05-17 13:24:38 | 本と雑誌

タイトロープダンサー〈STAGE4〉 (リンクスロマンス)

タイトロープダンサー〈STAGE5〉 (リンクスロマンス)

出合ったのが13年ほど前のこと。エクリプスロマンスの頃でした。
作者は、自分は三四郎だと言います。私も基本的には三四郎型の人間だと思っていますが、このカイという屈折した人間にかなりの部分共感または共有するものを持っているように感じてとうとう最終章まで付き合うことになりました。
イヤだと険悪する行為でありながら肉体がそれを求めてしまう。溺れるほど愉しんだ後に残るのは悔恨と自己険悪。それの繰り返し。
だから感情を殺し精密機械のように振舞う。しかし何かの弾みで怜悧な頭脳が破綻をきたす。その原因はいつも相手にある。(私の悩みそのものでした)

この三四郎という男。「愛してるなんて言うなよ。その口引き裂いてやる」と味付けのつもりで口にしようとしたカイに唸ります。
ですが、最後に「惚れているんだぜ」と無邪気に微笑みます。
この男。サイテーだと思いました。
でも、私もカイと同じくこの男が好きです。(カイは好きなんかじゃありませんと、言下に否定するんだろうなあ)傍にいて欲しいと思います。熱くて強くてわがままで。

15年の時を経て完結した「青の軌跡」シリーズ。
久能千明先生ありがとうございました。(5年前までは結構近くに住んでいたんですね~)
沖麻実也先生お疲れ様でした。