ある晴れた日の昼下がりのことでございます。
なにやら天の声が聞こえるようでございました。
その声は、どうだまいったか、と喜んでいるようでもあり、助けて~と泣いているようでもありました。
当屋敷は三階立て、当家のお猫さま達とクロネコの執事の居間は一階。
はてさてなぜに天から声が聞こえるのでしょうか?
しかし視線を感じます。それも天井から。
「・・・・・・なにやってんですか?ご主人様」
「いや~、何って、散歩?みたいな?」
「まさか、降りられないってことはないんでしょうね」
「そ、そんなことはないぞ~」
「あ。降りられないんだ」
「だ、だから違うって言ってるだろう~」
「降りられないんだ」
「だから違うって言ってるだろう~」
しばしこの問答が続く(笑)
「・・・・・はいはい、降ろして差し上げますよ」
最後は、クロネコの執事が折れました。
ご主人様を立てる、執事の鑑であります。
ちょいとテレビが邪魔ではありますが、なんとか腕を伸ばしてキャッチできました。
ご主人様も手を伸ばして(爪も伸ばして)きました。よほど怖かったんでしょう。
しかし、懲りずにまたやりました。今度は足を滑らして前足で鴨居に宙ぶらりん。
どこかお間抜けなご主人様でしたが、クロネコの執事は写メどころではなくそれこそ、全てを投げ出して飛んでいきました。
ビビッた。まじビビリました。心臓バクバクです。
そんなこんなでご主人様の日々は過ぎていくのでした(笑)
※ はぁ~、クロネコの執事の心の平安は何時訪れるのでしょうか。だれか教えてください(泣)