クロネコの執事

黒猫一匹と茶虎二匹とのまったりネコライフ

「シリジエセンター1991」 海堂尊 著 

2021-03-25 13:26:38 | 本と雑誌


皆様いかがお過ごしでしょうか。
気温が20度を超える日もあれば、15度を下回る日もありと目まぐるしく季節が入れ変わっていますね。
花粉が今が最盛期とばかりに、目が、鼻がかゆい日々が続いています。
完全武装でも、隙間をかいくぐってヤツは入り込んできます。
4月に入ればスギ花粉は少し落ち着くと思われます。。
それまで頑張りましょう!

今回は、タイトルにあります通り、海堂尊氏の「チームバチスタの栄光」の過去編というか、バブル(ブラックペアン)三部作の完結編と言われている作品のレビューです。

以下、ネタバレを含みます。 未読の方はお控えくださいね。




何から書けばいいんでしょうか。
気障な外科医でいけ好かないヤツと思っていたが、いざ、亡くなると喪失感にさいなまされました。
世良先生と同じです。
猫ブログに読後感というか心持ちをぶつけるほどショックを受けています。


桜宮に「スリジエ・ハートセンター」を作ってほしいと遠くモナコから招へいしたのに、いざやってきたら梯子を外された状態に。
手術しようにも欲しい人員は拒否されて挑まなければならない状態に追い込まれ、挙句、厚生省から横やりが入り計画は頓挫。
天城先生はモナコに帰って行ってしまいました。
世良先生は田舎の診療所に逃げ込み、惰性で診療し天城先生に手紙を書く日々。

天才の名をほしいままにし、世界中の大金持ちが手術をしてほしいと全財産の半分を差し出してシャンス・サンプルに挑み、その勝者にのみ手術を行う。
アラブの石油王の財産の半分って?なんて頭の中で0の数を数えたりして、気に入らない男だなというのが最初の印象でした。
気障でイヤミ、でも見た目は最高の天才外科医。
ヴェルデ・モトやマリツィアを駆るモンテカルロのエトワール。
手に入らないものもここまで突き抜けると羨ましを通り越してしまいます。


しかし「チームバチスタの栄光」からの「アリアドネの弾丸」に続く作品の高階先生(東城大医学部付属病院院長)の暗躍ぶりにびっくりしました。
この人こんなに腹黒だったっけ?
一生懸命にお金を集めて、世界に二人とできない手技を持って人を救っているのに、なんで邪魔をするのかと読みながらすでに天城シンパになっていました。

季節は春、スリジエ(桜)の開花や満開の便りも多くニュースになる季節です。
これも何かの縁なのか、必然なのか。

天城先生は世良先生に「Adiru(アデュー)」の言葉を残しましたが、私は天城先生にいつかどこかで出会えることを願いつつ「Au revoir(オーヴォアー)」を。


セ・フィニ、ビアンシュールもう一度聞きたいです。


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