「救急医療体制の崩壊をすでに実感している」と緊急声明
新型コロナウイルスの感染拡大で救命救急センターで心筋梗塞などの重症患者の受け入れができないケースが出ているとして、日本救急医学会と日本臨床救急医学会が緊急の声明を発表しました。このなかでは「救急医療体制の崩壊をすでに実感している」と危機感を示しています。
声明によりますと、新型コロナウイルスの感染拡大で発熱やせきの症状がある患者を受け入れる病院が少なくなったことで、救命救急センターで対応せざるをえず、その結果、心筋梗塞や脳卒中など緊急を要する重症患者の受け入れができない事態になっているということです。
このままでは、医療も社会も崩壊する
医療崩壊が生じる際の最初の兆候は救急医療体制の崩壊
感染症の患者を受け入れている病院の医療現場では、医師や看護師などが次々と感染しています。
防護服も、ゴークールも、医療用マスクや手袋も不足する中で、感染リスクが最も高い最前線で日夜戦っている医療従事者には感謝しかありません。
緊急事態宣言が10日以上も遅れたことは、過去1ヶ月の感染者の増加をみれば明らかです。
にもかかわらず、14日の衆議院本会議で、安倍首相は「客観的事実として評価する限りにおいて、諸外国と比しても、我が国の対応が遅かったとの指摘は当たらない」と答弁しました。
元々緊急事態宣言には消極的だった安倍首相が小池都知事にせっつかれて発令したもので、対策が不十分なものですが、発令から2週間程度の効果を見てその後の対応をと、この期に及んでもなお消極的な姿勢を通しています。
星野源さんとのコラボで、コーヒーを飲んだり、読書をしたりしてくつろぐ動画が流れましたが、最前線で日夜戦っている医療従事者にはどのように映ったでしょうか。
首相としてやるべきことは、国民の命と健康を守ること、感染リスクが最も高い最前線で日夜戦っている医療従事者を守ることです。
そのためには、「官邸や危機管理室、専門家会合、厚生労働省などバラバラな指揮系統を一つにまとめ、首相が先頭に立って戦うこと」「検査と隔離を徹底して、無症状や軽症患者を隔離し再感染を防ぐこと」「医療従事者への防護服などの資材の配布を徹底して、彼らを守ること」であって、自宅でくつろぐことではないのです。
財源が足らないなら、大企業が溜めこんでいる「内部留保金」を吐き出させてでも、国民の命と健康を守り、感染リスクが最も高い最前線で日夜戦っている医療従事者を守らなければ、多くの国民が新型コロナウイルス感染症で死亡してしまいます。
対策を強化しなければ、日本で数十万人の死者が出る可能性もあります。
ワクチンができるまで、「検査と隔離の徹底」と「都市封鎖」以外の選択肢はない。
想定内で準備をしていてはダメ。英知を集めてやり直すしかない。そうでなければ、このウイルスとの戦いに敗退するしかありません。
国民は、
安倍内閣の「緊急事態宣言」が遅すぎる
某新聞社の世論調査では、80%以上が「緊急事態宣言」が遅すぎると回答し、内閣不支持が支持を上回っています。
国内では14日、新たに485人の感染を確認
国内では14日、新たに485人の感染が確認され、クルーズ船乗船者を含む感染者の累計は8886人になりました。また、死者は累計で174人になりました。
都内では14日、新たに161人の感染を確認
東京都では14日、新たに161人が確認され、累計で2319人となりました。
このうち、65%に当たる105人は感染経路不明とのことです。
岐阜県でクラスターの連鎖か
岐阜県では14日、瑞穂市の会社で社員7人の感染が確認されたが、うち1人がクラスターとなっている岐阜市のナイトクラブ「シャルム」の客だった可能性があり、クラスターが新たなクラスターにつながっている懸念が浮上しました。
県と市は、シャルムのクラスターとして、いずれも5～7日に陽性が確認された4人を新たに認定。クラスターは計33人となりました。この4人は3月25日に、シャルムの従業員と一緒に同じビルの別の飲食店を訪れていたことが分かりまた。
京都市堀川病院のクラスター
京都府と京都市は14日、入院患者や看護師らの15人の感染が判明している堀川病院の関連で新たに1人の感染が確認され、同病院の感染者は計16人に上るとのことです。
広島市の社会福祉施設でクラスター
広島市の社会福祉施設では14日、入所者17人と職員5人の感染が分かりました。
市はクラスターが発生したと判断し、入所者ら約90人の検査を進めているとのことです。
高松市立鬼無保育所でクラスター
香川県と高松市は14日、12日に3人の保育士の感染が確認されていた高松市立鬼無保育所で、新たに11人の保育士の感染が確認されたと発表しました。
高松市は、園児147人についても15日以降に全員検査する予定です。
国内の感染者数
世界の感染者200万人超え、死者は12万人に迫る
米ジョンズ・ホプキンス大学が、世界保健機関（WHO）や各国政府の発表をもとにした集計によると、世界の感染者数が日本時間14日午前時点で、201万9320人に、死者は11万9483人となりました。
国や地域別の感染者は、アメリカが約68万人、スペインが約17万人、イタリアが約16万人、フランスが約14万人、ドイツが約13万人などとなっています。
また、国や地域別の死者は、アメリカが２万3529人で最も多く、イタリアが約２万人、スペインが約１万8000人、フランスが約１万5000人、イギリスが約１万2000人などとなっています。
米国では、検査や治療を受けられないまま、自宅で肺炎で死亡する人も増えているとのことですから、実際の感染者や死者はこれを大きく上回っていると思われます。
主な国・地域の感染者数
