2月23日午後、岡山市立北公民館で“改めてちゃんと知りたい「特定秘密保護法」”と題する学習会がひらかれ、岡北学区の住民ら約30人が参加しました。
オープニングで、We shall overcome など3曲をギターの伴奏で合唱しました。
つづいて、青年法律家協会岡山支部長の山本勝敏弁護士が概要次のように講演しました。
軍事情報を隠し、反戦世論を押さえるための法律です
約30年前には、今回の秘密保護法と似た国家機密法が上程されましたが、戦争の体験者が反対して廃案となりました。最近の若い世代は、勢いのいい発言を支持する人が増えていて、秘密保護法が通り、憲法改正もやりやすくなっています。
秘密保護法は、自衛隊を軍隊にして、アメリカ軍といっしょに海外で戦争をするための法律です。軍隊の情報が漏れたり、戦争に反対する世論が起こらないように、情報を隠したり、おこった世論を刑罰によって抑えることができるような国をつくるための法律です。
いま、憲法が形骸化していますが、我々は憲法を基準として考えなくてはなりません。主権は国民にあるので、行政情報は国民の財産であり、秘密化ではなく公開が原則です。基本的人権や平和主義からも、秘密保護法は認められません。
特定秘密の取扱業務従事者などはプライバシーや思想良心の自由、市民運動の自由が侵害されます。報道機関の取材・報道の自由や、国民の情報アクセスの自由、国民の知る権利、裁判を受ける権利が侵害されます。
また、特定秘密を指定する前段階として、警察、公安機関、自衛隊などによる市民活動・日常生活の監視、国家による国民の管理体制ができあがります。
特定秘密の指定は行政機関の長に一任され、指定される特定秘密は無限定です。例えば、憲法改悪に反対して首相官邸前で抗議デモをすると、政治上の主義主張を国家に強要する行為ということでテロリズムだとみなされ、公安警察による参加者の個人情報の収集や監視が認められることになります。
こうして、情報収集が進み、外堀が埋められると、数年後には表に現れてきます。政治的な意識の高い人には息苦しい社会になります。
戦時中、家族に「戦争反対だ」と話したことが漏れて逮捕されるという映画があります。秘密保護法でも、家族にも思ったことが言えないという社会になっていきます。
国会が特定秘密の提出を要求しても、行政機関の長が“日本の安全保障上著しく害がある”と考えれば、出さなくてもよいのです。出しても、国会は秘密会の議員だけの議論となり、国民は傍聴できません。その議員が、地元などで秘密の内容を報告すれば、議員が逮捕されます。
報道機関が情報源にアクセスして逮捕された場合、刑事裁判になって、特定秘密法違反の証拠を明らかにするように求めても、裁判官は見ることができても、法廷に出さなくてもいいのです。弁護人は被告人を守ることができません。
罰則は、秘密を漏らしたら懲役10年で厳しいものです。
海外で戦争をする国家を作って、反対する言論を封じるのが特定秘密保護法の目的なので、これを放置しておれば、10年後、私たちは自由にものの言えない、常に監視を気にする生活の中に居て、為政者に従って海外で戦争をしている可能性があります。
その後、「日本の官僚は何を考えているのか?」、「平和憲法を守ることが『古い』と思われているように感じる」、「秘密保護法は憲法違反として無効にはならないのか?」、「テレビや新聞で、秘密保護法の怖さが伝わってこないのはどうして?」などたくさんの質問、意見があり、講師はていねいに答えました。
最後に、地元選出の議員に秘密法廃止の要請はがきを出そうと提案がありました(次頁参照)。
(2/25加筆)
講師は、最後の質問「廃止のためにはどんな活動があるのか」に対して、次のように述べました。
若い人、多様な人が来やすい企画で、続けてやって下さい
私は活動家ではないので、活動は解らないのですけど、こういう風な会を持つことでしょうね。
この前の10月に、弁護士9条の会で講演会をしたんですね。300人ほど来てはいただいたんですけど、どうしても高齢の人が主流なんです。
高齢の人が来ちゃいけないと言うわけではないんですけれども、できたら、その人たちが知っている1つ下の世代とかですね、孫の世代でもいいですけれど、そういうような人たちが来やすい企画を作って、そこで学習するとかね。いうふうなことが一番効果があるような気がしますね。草の根を広げるというか。
集会みたいなんでビラを配ってきて下さいと言うと、だいたい固まっちゃいますよね、来る人。同じようなメンバーになって、広がりが出てこない。
でも、当然そこに来る人たちは、自分の家族だとか友人とかを持っているわけで、なおかつ横だけじゃなく、縦の年代的な広がりも持っているわけで、そういう風な人たちを少しずつでもね、来てもらうようにして広げていけば、来た人が「ああ、こういう風なことなんか」と、関心がありそうな自分の友達に言ったら、来るでしょ。
そうしたら、半年とか1年とかやっていると、ある程度層が広がっていって、そういうようなものを大事にしていく。そこで今度大きな集会でも持てば、今まで来てた人たちとまた違う人がパラパラと来はじめるとかね。それしか道筋ないんじゃない、と思いますね。だから、私程度しか来れないんですけれど、お話に来てる。他にも、自民党憲法改正に関するお話とかね、呼ばれたら行くんです。
大きな組合関係の人とか組織関係の人から呼ばれることがあるんですけれど、一番好ましいのは、2・30人でもいいんですけれど、そういう風な話を知ってみたいという多様な人たちですよね。年齢的にも、男女関係なしに、職業的にもね。主婦の人とか、あるいは会社員さんでも、いろんな人がいますけど、そういういろんな人たちが呼んでもらって、話ができたら一番いいですね。そうすると、たぶん広がっていくんじゃないかなあと思っているんですけどね。
なかなかそう行かないんですよ。だからみなさん、今日の話を参考にして、また呼んでやろうかなあと思ったら、他の人にも声を掛けてみてください。お願いします。
オープニングで、We shall overcome など3曲をギターの伴奏で合唱しました。
つづいて、青年法律家協会岡山支部長の山本勝敏弁護士が概要次のように講演しました。
約30年前には、今回の秘密保護法と似た国家機密法が上程されましたが、戦争の体験者が反対して廃案となりました。最近の若い世代は、勢いのいい発言を支持する人が増えていて、秘密保護法が通り、憲法改正もやりやすくなっています。
秘密保護法は、自衛隊を軍隊にして、アメリカ軍といっしょに海外で戦争をするための法律です。軍隊の情報が漏れたり、戦争に反対する世論が起こらないように、情報を隠したり、おこった世論を刑罰によって抑えることができるような国をつくるための法律です。
いま、憲法が形骸化していますが、我々は憲法を基準として考えなくてはなりません。主権は国民にあるので、行政情報は国民の財産であり、秘密化ではなく公開が原則です。基本的人権や平和主義からも、秘密保護法は認められません。
特定秘密の取扱業務従事者などはプライバシーや思想良心の自由、市民運動の自由が侵害されます。報道機関の取材・報道の自由や、国民の情報アクセスの自由、国民の知る権利、裁判を受ける権利が侵害されます。
また、特定秘密を指定する前段階として、警察、公安機関、自衛隊などによる市民活動・日常生活の監視、国家による国民の管理体制ができあがります。
特定秘密の指定は行政機関の長に一任され、指定される特定秘密は無限定です。例えば、憲法改悪に反対して首相官邸前で抗議デモをすると、政治上の主義主張を国家に強要する行為ということでテロリズムだとみなされ、公安警察による参加者の個人情報の収集や監視が認められることになります。
こうして、情報収集が進み、外堀が埋められると、数年後には表に現れてきます。政治的な意識の高い人には息苦しい社会になります。
戦時中、家族に「戦争反対だ」と話したことが漏れて逮捕されるという映画があります。秘密保護法でも、家族にも思ったことが言えないという社会になっていきます。
国会が特定秘密の提出を要求しても、行政機関の長が“日本の安全保障上著しく害がある”と考えれば、出さなくてもよいのです。出しても、国会は秘密会の議員だけの議論となり、国民は傍聴できません。その議員が、地元などで秘密の内容を報告すれば、議員が逮捕されます。
報道機関が情報源にアクセスして逮捕された場合、刑事裁判になって、特定秘密法違反の証拠を明らかにするように求めても、裁判官は見ることができても、法廷に出さなくてもいいのです。弁護人は被告人を守ることができません。
罰則は、秘密を漏らしたら懲役10年で厳しいものです。
海外で戦争をする国家を作って、反対する言論を封じるのが特定秘密保護法の目的なので、これを放置しておれば、10年後、私たちは自由にものの言えない、常に監視を気にする生活の中に居て、為政者に従って海外で戦争をしている可能性があります。
その後、「日本の官僚は何を考えているのか?」、「平和憲法を守ることが『古い』と思われているように感じる」、「秘密保護法は憲法違反として無効にはならないのか?」、「テレビや新聞で、秘密保護法の怖さが伝わってこないのはどうして?」などたくさんの質問、意見があり、講師はていねいに答えました。
最後に、地元選出の議員に秘密法廃止の要請はがきを出そうと提案がありました(次頁参照)。
(2/25加筆)
講師は、最後の質問「廃止のためにはどんな活動があるのか」に対して、次のように述べました。
私は活動家ではないので、活動は解らないのですけど、こういう風な会を持つことでしょうね。
この前の10月に、弁護士9条の会で講演会をしたんですね。300人ほど来てはいただいたんですけど、どうしても高齢の人が主流なんです。
高齢の人が来ちゃいけないと言うわけではないんですけれども、できたら、その人たちが知っている1つ下の世代とかですね、孫の世代でもいいですけれど、そういうような人たちが来やすい企画を作って、そこで学習するとかね。いうふうなことが一番効果があるような気がしますね。草の根を広げるというか。
集会みたいなんでビラを配ってきて下さいと言うと、だいたい固まっちゃいますよね、来る人。同じようなメンバーになって、広がりが出てこない。
でも、当然そこに来る人たちは、自分の家族だとか友人とかを持っているわけで、なおかつ横だけじゃなく、縦の年代的な広がりも持っているわけで、そういう風な人たちを少しずつでもね、来てもらうようにして広げていけば、来た人が「ああ、こういう風なことなんか」と、関心がありそうな自分の友達に言ったら、来るでしょ。
そうしたら、半年とか1年とかやっていると、ある程度層が広がっていって、そういうようなものを大事にしていく。そこで今度大きな集会でも持てば、今まで来てた人たちとまた違う人がパラパラと来はじめるとかね。それしか道筋ないんじゃない、と思いますね。だから、私程度しか来れないんですけれど、お話に来てる。他にも、自民党憲法改正に関するお話とかね、呼ばれたら行くんです。
大きな組合関係の人とか組織関係の人から呼ばれることがあるんですけれど、一番好ましいのは、2・30人でもいいんですけれど、そういう風な話を知ってみたいという多様な人たちですよね。年齢的にも、男女関係なしに、職業的にもね。主婦の人とか、あるいは会社員さんでも、いろんな人がいますけど、そういういろんな人たちが呼んでもらって、話ができたら一番いいですね。そうすると、たぶん広がっていくんじゃないかなあと思っているんですけどね。
なかなかそう行かないんですよ。だからみなさん、今日の話を参考にして、また呼んでやろうかなあと思ったら、他の人にも声を掛けてみてください。お願いします。