今回の絵のタイトルは「ルーブルで究める」です。2013年12月に訪れたパリのルーブル美術館で、展示作品を画家が模写している様子を描きました。サイズは40号Fです。
ヨーロッパの美術館と日本の美術館を比べて決定的に違うのは、鑑賞者と美術館との距離感だという声をよく耳にします。
名だたる名画がいっぱいのルーブル美術館のフロアでは、作品を前にイーゼルを置いて絵筆を走らせる風景があちこちに。
スケッチブックを手に彫刻と向き合う数十人の子どもたち、デッサンに夢中の画学生らしい若者たちの姿もあります。
そんな様子を一般客が囲みます。絵筆の動きにうなづき、見られている側も嬉しそうです。モチベーションも高まるのでしょう。洋画会の巨匠・黒田清輝らにもこんな時代があったようです。
もちろん、模写には美術館の許可が必要です。
でも、人種や国籍、性別、年齢などの区別はありません。認められれば、入場料なしで一定期間を毎日のようにホンモノに向き合って描けるなんて素晴らしいですね。