風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽書き雑記「宝くじとクリスマス会プレゼント」

 

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年末ジャンボ宝くじ。名古屋駅そばの名駅前チャンスセンターには、きょうも長い列ができています。僕の宝くじ購入経験は少ないですが、年末ジャンボといえば思い起こすことがあります。といっても、高額賞金を手にしたとか、数番違いで1等を逃したなんて話ではありません。

26、7年前のことです。職場の若い後輩から声が掛かりました。

「僕たちの出先で顔なじみの女性や同業他社の連中と、少し早めのクリスマス会をするので参加しませんか」「会費とは別にプレゼントをお忘れなく。みんなが持ち寄って抽選会の景品にします。1000円以内の物であることが条件。この条件は守ってくださいね」
僕よりふた回りも若い20代の集いとあって戸惑いはしましたが、後輩たちがどのような相手と付き合っているのか」の興味もあってOKしました。

しかし、僕にはちょっと気の重い日々の始まりでした。「1000円以内の物」が思い当たらないのです。

アクセサリーや文房具類、チョコレート、置物、台所用品・・・。これは1000円を超える、安すぎる、こんなのはダサイといわれるだろうな、抽選で手にするのが女性だったらいいけど男性だったら・・・。入ったことのない小間物屋とかブティックにも飛び込んでみましたが、見つかりません。
特別会費を出すことにしてくれないか、と打診してみたものの「それは受け取れません」

ついに当日。文房具屋に立ち寄って何か買おう、と会場に向かっている途中に目にとまったのが年末ジャンボ宝くじ売り場でした。このころは確か、1等は6000万円。前後賞を合わせて9000万円か1億円だったと思います。

「よし、これだ。夢があっていい」。一枚300円のくじを10枚買いました。
「3000円は条件の3倍だけど、許してくれるだろう」と封筒に入れ、受付に出して会場入りしました。


数十人はいます。女性7、男性3の割合。でも、僕と同年輩のオッサンは見当たりません。彼らが声を掛けなかったのか、ていよく断られたのか、僕が釣り上げられたのか。そんな思いも巡らしましたが、「まあ、ウオッチングを楽しんでやろう」と着席しました。

彼らの行動力、動員力、企画力に感心するプログラムが進み、最後のみんな何かが当たる抽選会。次々と景品を出して番号が読み上げらます。僕の封筒の番になると、僕は目を外し近くの人に話しかけてやり過ごしました。だれが手にしたのか見ないようにしようと思ったからです。

一斉に景品の包を開き、あちこちで歓声、笑いが広がります。

「わあ~、宝くじだ」。離れた席から聞こえてきました。「10枚も!いいなあ」「当たったら、海外旅行だって行ける。外車もね」「おごってくださいね」「そう、約束だよ、約束」
期待通りの盛り上がりに、ホッと胸をなでおろした時でした。
 
「でも、当たらなかったらタダの紙切れだよ。こんなの」
声の主がくじを手にした本人か、周りの人なのかは分かりませんが、予想していたとはいえ聞きたくなかった言葉。胸中にちょっぴり面白くない気持ちがよぎりました。<o:p></o:p>

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