風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽書き雑記「日本画界の新星と85歳の新入生」

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              平田望さんの院展入選作

           ㊤再興第97回展の初入選「祷」
                 ㊦再興第98回展の入選作「幻想の部屋」
                        (いずれも、院展図録から)


「私は85歳ですが、絵画制作に取り組む孫の真剣な姿に刺激されて、私も絵を描いてみようかな、と思いまして。ご都合がつきましたら、孫の作品が出る展覧会を見てやってくだい」

 僕の通う水彩画教室に最近入られたご高齢の「新入生」から、こんな案内を受けて2つの展覧会に出かけてきました。名古屋・栄の松坂屋美術館で開催された再興第98回院展と、同美術画廊で催されている若い作家4人の作品展。年齢差60歳の祖父と孫が、それぞれの道を意欲的に歩む姿に、感動と期待の拍手です。
 

教室の新入生は平田正雄さん。「3年前に妻に先立たれて独り身。日々を過ごすために何かできないものかと」「絵は小学生の時以来描いたことがありません。この絵の道具も孫が使っていたものです」

絵画経験は子供の時までというのは僕と同じですが、定年後の生徒がほとんどの僕たちの教室でも、平田さんは最高齢。全国のカルチャーセンターや公民館、生涯学習センター、福祉会館などに万余とある絵画教室の中でも、85歳の初心者の入学というのは、あまり例がないでしょう。ただただ驚き、敬服します。
 
――で、お孫さんは、どのような絵を?

その答えを耳にして、平田さんが絵を始めた動機も納得しました。
「孫は平田望といいます。愛知県立芸術大学(愛知県芸大)大学院の1年生。日本画を描いています。昨年の再興第97回院展で初めて入選、ことしも入選できました」
 院展とか日展と聞いただけで頭を下げる僕ですが、大学時代に初入選と聞くと驚きを通り越します。


今月8日まで開かれた名古屋での院展。日本画界を代表する同人たちのレベルの高い作品とともに、目出度く入選できた一般からの作品が並びます。素人の僕などには批評などは出来ませんが、それぞれの創作に込めた思いが伝わってきました。

平田望さんの作品は「幻想の部屋」。そのモチーフと色調の豊かさと深み、質感、そして若々しさ。手元にある昨年の作品集にある初入選の作品よりも、彼は着実に一歩前進しているな、というのは僕の生意気な感想です。

もうひとつの「萌の会 日本画展」(24日まで、松坂屋名古屋店美術画廊。来年2月12日―18日は東京の松坂屋上野店本館美術画廊で開催)は、愛知県芸大日本画専攻の卒業生による作品展。愛知県芸大学長で日本美術院同人の松村公嗣さんによれば「芽吹き始めた若々しい木々が大きく成長してくれるように名付けた、将来性溢れる作家の発表の場」で、9回目の今回は平田望さんと大島亜弓、今井美圭、川島優のみなさんが発表しています。

いずれも院展入選歴を持ち、作品には本格的な画家人生をスタートした意気込みを感じます。

 
「見ていただいた方から、好かれ愛される作品が描けるように研究と創作に打ち込みます」と平田望さん。「日本画界の新しい星」への期待と、院展への楽しみが膨らみました。

 

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