YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

CDIの進角を見てみた

2017年01月07日 | YB&YBR関係雑記

点火タイミングや進角を確認するタイミングライトが完成したよ。

100均LEDライトで作ったので、けっこうカッコイイw

点火検出はプラグコードの上に巻き付け。

点火は高圧なので、こんな方法でも点火信号は拾えるのだ。

電源は車載バッテリーからもらう。

ワニ口クリップ配線にしたので接続は簡単。

エンジン始動させてタイミングホールの中を照らす。

トランジスター1個の回路ではLEDに流す電流が足りなく、十分
な照度が得られない感じ。
一応これでYB125SP純正のCDI点火進角を観察してみたが、あまり
に見えにくくて進角してるように見えなかった。

後日改良を加えて照度を上げ、夕方や夜の暗がりを利用すると
進角マーカーが見えるようになった。

それでもYB/YBR系エンジンの進角確認マーカーはたいへん見えに
くくて、自らペイントマーカーで印を追加しなきゃ確認はやりにくい。

結果:YB125SPの純正CDI 1JP–H5540–00 は、
ちゃんと回転上昇に対して進角動作を行っていました。

そもそも何で点火時期の進角に興味を持ったかと言うと、中国製造XTZ125Eの
進角特性を測定し、固定進角ではないか?との内容の
動画を見かけたのが始まり
だった。

だがしかし、その後、動画主からコメントがあり、再度確認を行ったところ、
XTZ純正CDIは自動進角動作であったとの事。
また、YBのCDIに換装させてもXTZ125は動作し、YBのCDIも自動進角特性を
確認できたそうだ。
https://www.youtube.com/watch?v=0CjrqPY8aGo
この一件によりXTZにYB/YBR系のCDIはポン付け可能で、さらにYBR系の社外
CDIの流用などに繋がる貴重な情報交換となったので、決して無駄な話ではないと
思う。

これだけじゃつまらないので、手元に2006~2009年式YBR125のCDI
5VL–H5540–11 があったから換装してみたよ。

みんな大好き、完全ポン付けで交換できる貴重な新旧仕様なのだ。

YBRの時にコネクターの扱いでひどい目にあったので、慎重にロック
機構を解除しながら真っ直ぐ引き抜く。

両CDIは形まで同じなので、元の位置にも簡単に収まる。

旧型YBRのCDIの進角も目視して、試走してきたら違いがあったよ。

・5000回転から上の吹け上がりが良い。
(YBは5000回転までの吹けが良い)

・逆に4000回転前後のトルク感は少し薄くなる。
(YBは4000回転付近のドコドコなトルク感がする)

・6000~8000回転のパワーバンドを常用するととても楽しい。
(YBは4000~6000回転くらいが気持ち良い)

CDIだけでエンジンの性格は変わるもんなんだなぁ。

例の動画主もXTZ125Eに旧型5VLのCDIを載せて、高回転型二段進角に
なる
エンジンを体感した報告が来た。
https://www.youtube.com/watch?v=f4E1qJlFVQo
コメント欄を参照するとわかるように、昨今の中国製造版XTZに限定した
ぽん付け換装であり、南米版の旧型XTZ仕様ではCDI端子構成が違うはず。
よって各端子機能に対応してCDI配線端子の入れ替えをしないと、5VL型CDIは
動作しない。
南米版XTZオーナーは実車の配線を確認する必要がある。
中国版XTZのCDI→YB/YBRは×。(タコメーター不動)
タコメーター端子の電気的出力特性が違うし進角特性が変わらないので無駄。
旧型YBR・5VL-10型CDI→中国版XTZは
(タコメーター無しなので問題ない)

俺個人的にはYB125SPには純正CDIが合っていると思うけれど、
カフェレーサーカスタムなんかしてると旧型CDIの方が加速と
高回転の性格が似合うかも?

CDIの性格が分かったところで部品番号から判明した事を
記しておきます。

吹け上がりが良好な5VL–H5540–11の進角特性は、CDI製造会社
の資料を見ると分かるように二段になっており、実際の加速感と
一致する。

吹けが少し寸詰まりなYB125SPと同じ1JP–H5540–00搭載機種
は以下の機種だと判明した。
YBR125無印 11年式~13年式
YBR125K・KG 13年式以降
YX125

なお、15年式YBR無印は1BK–H5540–00なので、何がどう違う
のかさっぱりわからない。

CDI換装でエンジン特性を変えてみたいYB/YBR系オーナーは
以下の表示に注意してCDIを入手すると良いと思う。

部品番号とは別にCDI製造元の管理番号に「5VL-10」と印字され
た物がYBR 06~09式。(5VL-11印字も同型と思われる)
タオバオでは「欧州2・欧2」や「国2」と記載説明されてる物で
写真のような印字の雰囲気と位置が似てる物が良いだろう。
明らかに捺印じゃなく印刷風は大量生産の模倣品と思われる。
そもそもロット管理しているなら検印は印刷じゃおかしい。w

5VL-10の後、一文字開いてロット番号が正規品表示。
南米向け生産品の5VL-11は後の記述の通り、文字を開けないで
ロット番号のようだが正直これが正確かどうかは不明。

店によっては安価模倣品と正規品を選択する表示があるので、
正品または原装を選ぶ方が良い。値段はだいたい55元~150元。
30元くらいまでは極めて怪しいのだ。w
参考id=528084470778  欧二 直流

「5VL-00」「欧1・欧州1」や「国1」や「交流」
と書かれて
いる物は点火電源が交流式なので使えない。


★体験レポート追記★

後日、2013年式YBR125Kをお持ちの読者様からCDI交換の
体験レポートをいただきました。

搭載されていたCDIはやはり「1JP」印字の物。

ビッグキャブに変更した車体だけど、悩まされていた中間加速時の谷が
消えて、高回転までのふけ上がりがストレートに伸びるようになった
との事だ。

また、別の読者様から情報。

余剰品の数十台、南米向けに中国で生産されたYBR125ESD
ブローカーによって日本国内にスポット的に入ってきた仕様だけど、
CDIの印字は「5VLー11」だったとの事。

このCDIの特性もかなり良くて、たいへん良いふけ上がりだと
言う事なので、「5VL-10」と「5VL-11」の進角特性は酷似
していると思われる。
表示違いはCDI製造会社の管理上の都合によるものなのか、
あるいは出荷国別の都合や相手国のガソリン成分や気候の違い
で、細かい仕様を分けているのかもしれない。
謎が多いCDIの分類だけど、元気なCDIが存在するのは確かだ。

他にも南米向けYBR125ESDと中国版XTZ125Eを両方お持ちの
方からの写真。

調べてみたら近年のXTZ125Eは南米版・中国版共にCDIの部品番号は
1SB–H5540–00で表示も1SBみたいだ。

例の動画主さんが再度オシロスコープを使って測定した結果では、
1JP型CDIと1SB型CDIの進角特性はほぼ同じだと分かり、今まで
謎だった2011年式以降のYBR/YBシリーズの進角特性がやっと
分かったのだ。

CDI製造メーカーはデータを公表していないので、こうした個人
による計測とグラフ化は、今後修理や改造にかかわるCDIの選定に
大いに役立つから、動画主さんに深く感謝したい。

動画から得たデータを元に、5VL型CDIと比較してみた。

1JPと1SB型CDI特性はメーカーの資料ではないので確度は
あいまいだけど、こんな感じで近年のYB/YBRやXTZは進角して
いるのだと思う。
上記特性を見ると、俺が2007年型YBRからYB125SPに乗り換えて
からの回転とトルク感の違いと見事に一致している。
旧型YBRの中高回転重視に対して後期型CDIは低回転トルク型に
変更された感じかな。
5VL型CDIの資料曲線には描かれていないが、1JPと1SB型は
8~9千回転くらいで遅角させ、13000回転で点火を間引きさせて
レブリミットをかけてようだね。
不必要に回し過ぎてバルブサージングでエンジンが壊れるのを
防いでいるわけだ。

ついでなので過去の記事からCDIの端子の意味や動作回路などを
載せておきます。



年式や機種によっては配線色に違いがあるかもしれないけれど、端子の位置と
機能は一致しているはず。
なお「青/黄色」の端子はタコメーターへの回転パルス信号なので、タコメーターが
無いXTZ125Eでは未接続になってるらしい。
検証動画から判断すると、中国版XTZ純正CDIの青/黄端子の出力はマイナス極波形で、
なにか違う目的で設計されてるみたいだ。


今までのやり取りをきっかけに、ホンダ系やスズキ系のCDI特性や回路も調べ、
どれかを流用すれば5~7千回転の伸びを改善しつつ、3~5千回転の
トルクは維持出来るのではないか?と少し夢を見ていた。
だけど、進角ってやつは低回転で早くするとトルクが増す反面、高回転の
伸びは悪くなる癖もあるらしく、やたらと遅くしたり早くしたりするもの
ではないとの事。
ボア・ストロークやカムプロファイルや燃費・排ガス対策などのからみで、
各社、各車種それぞれのエンジン設計に合わせて特性を決定しているらしい。
遊びとして面白そうだけど、苦労の割りに報われそうにない・・・
素人の改造なんかそんなもんだろうから、やるなら同じメーカー内の
似たような系統のモデル間や機種専用社外品でCDI換装遊びをするのが
丁度よさそうだ。


以上、気になっていた進角の動作確認や情報収集も済み、なんだか
満足しちゃった。
しばらくエンジンをいじるような改造はしないと思うよ。