咬これを英語では"chewtoy(チュートーイ)"と呼びます。
すべての仔犬がこのチュートーイで遊ぶ事が生まれつき大好きかといえば、そうではありません。
なかにはどんなおもちゃを与えても全く興味を示さない仔犬もいます。
チュートーイ遊びに慣らせるにも、工夫とトレーニングが必要なのです。
そしてこの作業が、今後のしつけ(穴掘り、家具の破壊、無駄吠えの禁止/留守番/座れ、伏せなどの基本動作など)において、必要不可欠な要素となります。
今回はまずその準備段階として、どんな犬でも夢中にしてしまう、最強のチュートーイの作り方をご紹介しましょう。
チュートーイの最低条件となるのは、何しろ安全ということです。咬んでいるうちに壊れるものや消耗品であっていけません。
大きな破片を飲み込んでしまうと、命にかかわるような事故になります。絶対に壊れず長もちするおもちゃ、もしくは万が一食べてしまっても安全な自然素材のものを選んでください。
デンタルコングはチュートーイの中で(私が一番好きな車である)レクサスのような存在だと思っています。
その次に気に入っているのが穴の開いた牛骨(もちろん消毒済)。
どちらもシンプルで自然で、危険なプラスチックを使用していないところがポイントです。
そして両方とも中に空洞があるので、そこにフードを詰めることができるのも優れているところです。
それでは「チュートーイ界のレクサス」デンタルコングを使って、安全で犬の興味を長く引き付けることができる、最強のチュートーイを作ってみましょう。
デンタルコングにフードを詰めるときのポイントは、次の3つの難易度を満たすように工夫をするということです。
A.犬がすぐに取り出すことができるフード
→ コングをすぐに気に入るための、サービス的なおやつ
B.取り出すのに時間がかかるフード
→ 長い時間コングに興味を引き付ける、メインとなるフード
C.絶対に取り出すことができないフード
→ 興味を失わせないための、一番美味しいおやつ
この3つのポイントが取り入れられていればどんな詰め方でも良いのですが、もっともオーソドックスな方法を紹介しましょう。
1.愛犬のサイズに合わせて、コングを選びます。
2.上部の小さな穴に、フリーズドライ・トリーツを詰めます。小さなかけらに砕くか、お湯に浸してペースト状にして詰めてください。これがCの「絶対取り出すことのできないフード」になります。
3.大きな穴からドライフードを入れます。逆さにしてもこぼれないように、穴の付近はお湯に浸してペースト状にしたドライフード、もしくは缶詰めのフードでフタをするようにするとよいでしょう。これがBの「取り出すのに時間がかかるフード」になります。ドライフードをまだ食べる事ができない仔犬は、すべてをペースト状のフードで詰めます。
4.穴の入口付近に、小さなおやつを突き刺します。これがAの「すぐに取り出すことができるフード」になります。
これが一応基本のレシピですが、工夫次第で様々なオリジナルコングを作ることが出来ます。
例えば、中にペースト状のドライフードを入れて、それを冷凍庫で凍らせる「アイスコング」を作っていました。
穴の内側にハチミツを塗って、フードを取り出した後でも楽しめるようにした人もいます。
すぐに中身を取り出してしまう器用な犬もいれば、結局取りだせずに諦める犬もいるかもしれません。
様子を見ながら、その難易度も変えてみてください。
チュートーイトレーニング中はフードボールを使わずに、すべての食事をコングに詰めて与えてください。
そのためには、フードの量をまかなうだけの数のコングが必要になります。
このようにデンタルコングを上手に使い「chewtoyaholic(チュートーイ中毒)」にすることが、これから先のトレーニングに非常に役に立ちます。