今宵の一枚はArt Tatumの「Art Tatum」。録音は1956年1月27日、レーベルはPABLO。Jazz Pianistの神と崇められたArt Tatum、華麗で鮮烈、圧倒的な演奏力の前にはただただ感心するばかりである。Oscar Petersonを彷彿させる、ではなくPetersonが彼に感化されたのである。真の天才だ。45歳という若さで亡くなってしまった。1956年11月、60年前である。完璧この上ない演奏は、スピード感に溢れグイグイと引き込まれてしまう。A面冒頭のJust one of those thingsが凄い。これでもか、というほどに音の洪水である。非の打ちどころのない素晴らしさで平伏するしかない。これぞJazz、これぞPiano。
Piano、Bass、Drumsのトリオである。BassとDrumsも実に渋く、まさにいぶし銀。Tatumに遅れることなく追従するRed CallenderのBass、厚く太いのだがスピード感が素晴らしい。終始軽やかなフレーズを奏でるJoe JonesのDrumsも魅力的だ。Tatumの演奏がより生き生きと感じられる。
1956年11月の録音ながらモノーラルなのが残念。音が生き生きとした感じはモノの方が良かったのかもしれない。Pianoの存在感はrecordingでも厳然、いや存在感そのもが音として記録されている。
(personnel)
Art tatum(piano)
Red Callender(bass)
Joe Jones(drums)
side A
1.Just one of those things
2.More than you know
3.Some other spring
4.If
5.Blue lou
side B
1.Love of for sale
2.Is'nt it romantic?
3.I'll never be the same
4.I guess I'll have to change my plans
5.Trio blues